斗供や軸部の構造

揺れを吸収するすばらしい木組み

「宮大工と歩く千年の古寺」
松浦昭次 ー祥伝社ー より
  斗と肘木。この組み合わせを「斗供」と言いますが、この組物には、 
釘を打たないのが普通です。斗供の一番下にある斗と柱や横材は「タ
ボ穴」と「タボ」で組み合わされますから、釘は使いません。タボ穴
は小さな穴で、タボはそこに入る突起のようなものです。
 斗供は、縦の部材と横の部材を結ぶという非常に重要な役割を果た
します。また、斗と肘木をいくつも重ねていくことによって、軒を深
くすることができます。・・・
 斗と肘木のいいところはそれだけではありません。釘で固定しませ
んから、湿気の変化で木が膨らんだり縮んだりするのをうまく吸収し
て、建物がゆがむのを防ぎます。そして、地震や台風かが来ても多少
の揺れなら、揺れを吸収してしまいます。
 ガチガチ固定するから強くなるのではない。組み合わせるだけにし
て、少し動く余地を残しておくから強くなる。それが、斗と肘木の考
え方です。
                  宮大工と歩く千年の古寺より



タボ穴ー枘穴(ほぞあな)    タボー枘(ほぞ)?

 柱の上に頭貫(かしらぬき)、足元に地覆(じふく)を入れる柱の中
ほどには、平側(桁行)に腰貫(こしぬき)、妻側(梁行)の腰貫より
やや高い位置に飛貫(ひぬき)を入れる。
 柱と、柱を水平方向に結ぶ貫(ぬき)、この両者で構成される部分
を軸部(じくぶ)という。・・・
 柱は礎石の上に立つだけだから、横から力を加えれば倒れてしま
う。頭貫・腰貫・地覆で結んではじめて建物の骨組みができたことに
なる。
     「古建築入門」 太田博太郎監修 西和夫著<彰国社>より


 貫の構造は、木の弾力性などを生かし外圧を全体に分散させるの
ではないかと考えられる。

 肘木の上に巻斗(まきと)をのせる。柱の上に5個、隅柱の上にだけは
隅肘木の上にさらに2個、合計7個となる。・・・
 どの巻斗も、上層を支える桁や梁をのせるために上部に掘込みがある。
建物の外側に突き出た肘木・斗は上層の縁(えん)を支えるためのもので、
出三斗(でみつと)という。そとに突き出さないのは平三斗(ひらみつと)と
いう。外へ突き出した肘木と斗が丸行(がぎょう)を支えれば、これを出組
(でぐみ)という。
         「古建築入門」 太田博太郎監修 西和夫著<彰国社>より