CVTとは

 Continuously Variable Transmission(無段変速機)の略ですが、一般的なベルト式、日産のエクストロイド式などがあります。

 ベルト式は国内のメーカーでは、最初にスバルが「ジャスティ」「レックス」に採用したのが始まりですが、オランダのバンドーネ社の開発によるものでした。

プッシュベルト式CVTの生みの親、ハブ・ヴァン・ドゥーネ(Dr.Hub.Van.Doorne)博士。
1900年、オランダに生まれる。
1928年、オランダに自動車会社を設立。1958年、社名をヴァン・ドゥールネズ・アウトモービル・ファブリーケンB.V.(DAF)に改名。

DAF最初の乗用車モデル「DAF600」は”ヴァリオマティック”と呼ばれるトランスミッションを採用し、ラバー製Vベルトで駆動されていた。

1965年、DAF社を引退後、ラバーベルトに代わるスチールベルトでのトランスミッションの研究を始める。
1973年、現在のヴァン・ドゥールネズ・トランスミシー(VDT)社を設立。
1979年、没。
普通のATはギアが使われていますが、CVTは無段変速の名が示すとおり、ギアの切り替えではなく、プーリー(滑車)やディスクの径を変化させて連続的に変速します。

 管理人は某クルマゲームで、「シフトチェンジ禁止」というルールに対し、「ATでもシフトチェンジしてるだろ」と主張する主人公が、CVT車を操る敵に「ATはATでもCVTは無段変速だから文句あるか」みたいなことを言われて負けたのが最初の出会い(?)でした。

大半のCVTはベルト式で、金属製の蛇腹のようなスチールベルトが使われています。
スチールベルトはスチールブロックと呼ばれる金属製の小さなコマ”エレメント”が300個近く集まって作られています。
最初のVエレメントの幅は24oで、富士重工の製作したVDT型P821というミッションは、フィアット・パンダ/プント、
ランチア・Y10、日産・マーチ、もちろんヴィヴィオにも採用されています。

 初めは、鋼板製の薄いリング状の帯を重ねたベルトで試していましたが、すぐにへし曲がってしまうので、
可動式の支持ブロックを付けて曲がりを防止しました。すると、支持ブロック自体が、お互いを押しながらトルクの伝達をしていることに気づき、
プッシュベルト式CVTが生まれたそうです。

 管理人の愛車のCVTが壊れたときは、このエレメントがオイルパンからバラバラと出てきて、
クルマ屋をあわてさせたことがあります。普通は出てこない部品ですから(爆)。


これがヴィヴィオマニア(?)でウワサの、
「RX−T」だ!

東京モーターショーに出展され、ミラーサイクルエンジンと、リショルム型スーパーチャージャー、そしてポルシェのティプトロニック式コントロールのできるCVTipを搭載した、まさに夢の最強ヴィヴィオである!

…ま、間違いなく量産できる代物ではないですが、走ったら速そうです。

あと、勘違いされる方が多いのですが、
ポルシェと共同開発したのはCVTの制御だけで、他は正真正銘、富士重工製ですよ〜。
 小排気量車にしか積めないという偏見を払拭するため、1991年にVDT社は”F1プロジェクト”を開始する。

 VDT社のエメリー・ヘンドリックス研究開発部長は、ウイリアムズのテクニカル・ディレクター、パトリック・ヘッドに、「F1用のCVTを用意できる」と売り込み、30o幅のベルトでF1の2レース分、4時間の耐久性を持つCVTを開発した。

 こうして完成したウイリアムズ・ルノー・VDTは、コーナーからの脱出加速で確実にコンマ数秒を稼ぎ出した。

 しかし、FIA(国際自動車連盟) はCVTを「ハイテク・デヴァイス」の一つだとして、禁止してしまう。

 それには当時、常勝のマンセルを擁するウイリアムズに対し、FIAが待ったをかけたのではないか、と言われているが、真相はいかに…?


 で、CVTの利点ですが、一般的には、

  1. 変速のショックがない
  2. 理想的なパワーバンドを保つことができる  と言われています。

 でも、実はベルト式CVTは、効率という面においてはベルトにものすごい圧力をかける必要から、損失が大きいミッションです。よく言われる燃費うんぬんに関しても、制御の仕方や乗り方で大きく変わってくるので、かえって燃費が悪くなる場合もあります。

 ただ、電子制御になっている現在、CVTはその機構を変えることなく、燃費重視から、パワー重視までセッティングが自由自在であり、制御次第で「究極」にも「ヘボ」にもなり得るミッションと言えるでしょう。CVTを良く思わない方は、「制御がヘボ」なCVTを味わっている場合が多いのではないでしょうか。

 CVTは、今のところF1やラリーなどのレギュレーションでは禁止されています。これはCVTが競技に向かないのではなく、走行中はクラッチを切らず、トルクの抜けがない優位性が脅威となっているからだと言われています。別にレースでなくとも、雪道のカーブでトルクが続く安心感は、何物にも代え難いものです。

 しかし、ベルト式CVTは、大トルクには耐えられないという耐久性が弱点で、耐久性を上げるにはベルトそのものを太く大きくするか、ベルトの数を増やすしかありませんでした。スバル「インプレッサ」も当初はラリー向けに、ベルト2本掛けのCVTが採用されるはずでした。
 が、2003年にバンドーネ社から、350Nm(約35.69kgfm)まで耐えられるベルトが発表されました。すでに日産「ティアナ」などで採用されているそうですが、これにより、CVTが多くのクルマに採用されることでしょう。

 蛇足ですが、スクーターやスノーモービルでは以前からCVTが採用されています。あまりセッティングの自由は効きませんが、おもりの遠心力でプーリーを変化させる機械式が多いようです。

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※参考文献「MOVE」1996年4月号 (株)三栄書房