安心して長期療養ができるように!
難病患者に医療・福祉・介護を考える
府民のつどい
【日 時】 2012年2月26日(日曜)
開場 12時30分
開演 午後1時〜4時30分
【会 場】 エル・おおさか709号室
(大阪市中央区北浜東3−14)
◆ 最寄駅 京阪または地下鉄谷町線「天満橋駅」より西へ300m
《プログラム》
第一部 講演会 午後1時10分〜2時10分
「難病患者の医療・福祉・介護の現状と課題」
講師 近藤 清彦 先生
(公立八鹿病院 福祉センター長・脳神経内科部長・老人保健施設施設長)
第二部 シンポジウム 午後2時30分〜4時30分
〈シンポジスト〉 近藤 清彦 先生(医師)
田澤 貴至 さん(メディカルソーシャルワーカー)
前原 隆司 さん(パーキンソン病患者)
堀田 幹子 さん(ALS遺族)
〈コーディネーター〉 近藤 清彦 先生
《資料代500円》
「いのち」を支える医療
公立八鹿病院脳神経内科部長・福祉センター長 近藤 清彦
ALSと音楽療法
人工呼吸器使用後も発声や、嚥下、歩行が、ある期間保たれることがわかった。しかし、それでも病気は容赦なく進行する。
あるとき患者にかける言葉がなくなり、意を決してベッドサイドで「あざみの歌」をアカペラで歌った。すると無表情だった患者に笑顔が戻った。それを機に、月に一度の訪問診察に音楽療法士が同行しベッドサイドでの音楽療法を開始した。懐かしい歌の演奏に合わせて患者が口を動かした。その変化を見た介護者にも、笑顔が見られた。部屋の空気が変わるのを感じた。ひとつの歌をきっかけに昔の思い出話に花が咲いた。この音楽療法は8年つづいた。
音楽療法は患者と医療者の距離を縮め、言葉では言い表せない思いが伝わる。昔聴いた歌や音楽は心のふるさと、心の支えであり疲労した心に容易に染み込む。それをきっかけに、今までの人生を振り返る。生きていることを実感できる。生きていて良かったと思えることが、最高のQOLではないだろうか。ALS患者の在宅ケアにはケア技術とケアシステムに加え、「こころ」を支えていくことが必要だと気づいた。
これまで当院のALS患者11名に訪問音楽療法を実施。昨年、訪問音楽療法プロジェクトを企画、音楽療法士26名を動員し近畿のALS患者22名に派遣した。各5回のセッションに「感動と癒しの時間だった」、「生きる勇気、パワーをもらえた」、「毎回、涙が出た」などの感想が寄せられた。
「生命」は血圧や心電図などで客観的に測定評価できるものを指し、「いのち」は主観的、無限で、その人が本当に大切にしているもの、生きる意味や価値を指す。ギリシャ語では、前者はビオス、後者はゾーエと呼ばれる。医療は「生命」だけでなく、「いのち」にも目を向ける必要がある。「生命を救う医療」と「いのちを支える医療」の両者が必要である。
(ドクターズマガジン 2011年3月号から一部抜粋させて頂きました)