
「ひとつひとつのものは、その在るべき場所に置かれて、はじめて輝きを増します。私の描くささやかな日常の中にも眞の強さと輝きが表現できたらと願つてゐます。」
と昨年の個展でコメントを寄せてゐた。氏が身近なもの、「ささやかなもの」から出發して繪を描いてゐることが良く分かる。新宿京王百貨店6階ギャラリーにて平成十六年七月二十九日(木)より八月四日(水)迄行はれた。
氏の幻の繪「森の中」をもう一度この眼で直に觀る機會がないものか。氏の「畫風」の變遷を辿る事はほんの少し私自身の記憶を蘇らせることでもある。(平成十六年十月三日)
平成14年12月27日
11月から12月にかけて大阪セルヴィスギャラリーとホワイトギャラリー(鹿児島)の個展を無事終へ、やつと一息ついてをります。
城ヶ崎は注文を受けた作品の制作で引き続き奮闘してをりまして、今回も本人のメッセージを寄せることができません。
今回のホワイトギャラリーでも大阪セルヴィスギャラリーでも本当に気持ちよくお仕事をすることができ、感謝と満足の気持ちで満たされてゐます。
なぜ絵が必要なのか、そんなことを考へさせられる個展でした。
大阪セルヴィスギャラリーは大阪駅中央口に面してをり、雑踏の中のギャラリーです。展示する際、通り面には150号、130号といつた大作をもつてきたのに、城ヶ崎の絵は何だか雑踏に溶け込んで、埋もれてゐるやうで、わたしは切ない気持ちでいつぱいになり、みていただけるのだらうかと不安にかられました。
展示を終へ、しばらく城ヶ崎と二人で、ギャラリーの周りを行き交ふ人々を無言で眺めてをりました。その日の夜行で鹿児島に私ひとりで帰らなければならず、中央口で別れた城ヶ崎は本当に「えんとつになつた男」に見えました。
わたしの不安をよそに、毎日300人前後の方々がご覧になつてくださり、城ヶ崎の作品にはじめて触れた方々が作品やまた画集をお求めくださり、報告を聞くたびに感謝の気持ちでいつぱいになりました。また関西に住む城ヶ崎の古くからの理解者である友人たちの協力のうちに成功させることができ、城ヶ崎が、また家族がどれだけ支へられてゐるかを再認できました。
(中略)
城ヶ崎がよほど頼りないのでせうか?この厳しいご時世の中で、本来ならライバルである画家の方々がこのやうなチャンスを与へてくださつて感謝でいつぱいです。
誠実な仕事で感謝を示してくれることと思ひます。家族もまたそのやうな気持ちで日々を過ごしていきたいと思ひます。
また、個展会場で皆様にお会ひできますやうに……。
城ヶ崎 環
