福島県の外来生物
〜身近な生態系が危ない、福島県は侵略的な外来生物の宝庫〜
by ナチュラリスト 横田清美
近年、生態系や農林水産業、人体などに被害を及ぼす外来生物の報告が各地で相次いでいる。外来種問題はいまや地球温暖化問題に次ぐといってもよいほど深刻化している。生態系は一旦壊れるとなかなか元に戻せない。ここでは防除が必要とされている外来生物のうち、福島県で見つかっているものを紹介する。
特定外来生物
特定外来生物は生態系に悪影響を与える侵略的な外来植物です。早急に駆除しましょう。
特定外来生物とは、海外起源の外来生物であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から国が指定したもの。特定外来生物は飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入などが原則として禁止されている。これらに違反した場合、最高で個人の場合三年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金、法人の場合一億円以下の罰金が科される。
オオキンケイギク

〜この花、指名手配中〜
◎個人が栽培すると300万円以下の罰金! 法人が販売すると1億円以下の罰金!
オオキンケイギクは北アメリカ原産のキク科の植物。外来生物法で特定外来生物に指定され、栽培、販売、譲渡、輸入、野外に植えるなどの行為が禁じられています。品種改良された八重咲きのものも危険なので駆除しましょう。
【見分け方】
花は全体が黄色。開花期は5〜7月。花びらの先端は鶏のトサカ状に切れ込み、葉は細長い。花茎の高さは0.3〜1m。品種改良された八重咲きのものもある。福島県内では民家の庭や企業の花壇などによく植えられている。道路脇や農地や河川敷などで野生化し始めている。
【駆除方法】
刈り払いまたは引き抜きを行い、その場に放置して枯らす。結実している場合は、できれば種子の部分を焼却処分にする(燃えるゴミに出す)。
オオハンゴンソウ

▲オオハンゴンソウ…葉はヨモギに似ている。花の中央部分は半球状に盛り上がる。
〜この花は化け物です〜
◎脅威の繁殖力で日本を侵略中! 山菜や樹木が生えなくなる被害が!
オオハンゴンソウはキク科の植物で、明治時代に観賞用として日本に持ち込まれました。侵入直後はおとなしくしていますが、数年後に爆発的に繁殖し、林の中や草地などにどんどん入り込みます。生態系に悪影響を与えたり山菜が採れなくなったりする被害が出ています。いったん拡がると根絶が難しいとされています
【見分け方】
花は7〜9月頃に咲き、花の中央部分は半球状に盛り上がる。花びらはやや下に垂れ下がる。茎の高さは1m〜3m。路傍、荒地、畑地、湿原、河川敷などに生育する。横に走る地下茎を伸ばして増える。福島県内では特に川沿いや道路脇などで野生化している。
【駆除方法】
刈り取りまたは引き抜きを行い、その場に放置して枯らす。結実している場合は、できれば種子の部分を焼却処分にする(燃えるゴミに出す)。
アレチウリ

▲木によじ登るアレチウリ ▲アレチウリの花 ▲花に来たスズメバチ
〜世にも恐ろしい植物〜
◎農林業に被害を与えます! スズメバチが大集合します!
アレチウリは北アメリカ原産のウリ科のつる植物で、輸入作物に混じって侵入したとみられます。繁殖力が凄まじく、農地や樹木を覆い隠すように葉を広げ、農林業に被害を与えます。
【見分け方】
粗い毛を密生したつる性の植物。葉はキュウリに似る。開花〜種子時期は8〜10月で、花にはスズメバチ類が多数集まる。果実はコンペイ糖のような形で、鋭いトゲが密生している。福島県内ではほぼ全域に分布し、河川敷や道路脇や農地に多く見られる。
【駆除方法】
なるべく早期に刈り払いまたは引き抜きを行い、その場に放置して枯らす。結実している場合は、できれば種子の部分を焼却処分にする(燃えるゴミに出す)。花に集まるスズメバチや果実のトゲに注意しましょう。
その他の特定外来生物

▲アライグマ ▲ミンク(郡山市富田町 2007.11.9)

▲ガビチョウ ▲ウシガエル(郡山市富田町) ▲ブルーギル

▲ウチダザリガニ(北塩原村小野川原) ▲オオクチバス
このほかに、カミツキガメ、コクチバス、チャネルキャットフィッシュ、セイヨウオオマルハナバチ、オオカワヂシャ、ナルトサワギクなどが見つかっている。
福島県の要注意外来生物
飼養等の規制はないが、生態系に悪影響を及ぼす可能性があることから、利用に関わる個人や事業者等に対し、適切な取扱いについて理解と協力をお願いするものです。

▲アメリカザリガニ ▲ミシシッピーアカミミガメ(通称ミドリガメ)

▲ニジマス ▲イタチハギ(郡山市三穂田町 2007.6.9)

▲キクイモ ▲オオブタクサ ▲オランダガラシ(クレソン)

▲キショウブ ▲ハリエンジュ(ニセアカシア) ▲ムラサキカタバミ

▲カラドジョウ…ドジョウに比べて口ひげが長く、尾柄部が太い。写真は実物大。
このほかに、タイリクバラタナゴ、外国産クワガタムシ科、オオオナモミ、オニウシノケグサ(トールフェスク)、コカナダモ、コセンダングサ、シナダレスズメガヤ、セイタカアワダチソウ、チョウセンアサガオ属、ハルザキヤマガラシ、ホテイアオイ、メマツヨイグサなどが挙げられる。
県自然保護協会の外来生物に関する調査研究
「マルハナバチ類の観察方法」「セイヨウオオマルハナバチの侵入問題について」
「ペットの過剰な持ち込みが生態系乱す」「裏磐梯のトンボの楽園壊滅」
環境省と福島県のホームページに関連記事が載っています。
環境省ホームページ「外来生物法」
福島県ホームページ「特定外来生物概況調査」
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