会報「やえはくさんしゃくなげ」抜粋

福島県自然保護協会

地熱発電の環境への影響〜小波盛佳のオフィシャル・ページより一部転載(2012年4月/97/4〜5頁、小波盛佳)
レベル7 現地から5(2012年4月/97/2〜4頁、片山玲子)
レベル7 現地から3・4(2012年2月/96/2〜4頁、片山玲子)
水林自然林の観察会に参加して(2011年12月/95/2頁、鈴木辰三)
福島県から避難した私の思い(2011年10月/94/2〜4頁、浅田正文)
レベル7 現地から(2011年8月/93/2〜6頁、片山玲子)
会津レクリエーション公園自然観察会に参加して(2011年8月/93/10頁、鈴木辰三)
7月3日の翠ヶ丘公園観察会にて(2011年8月/93/11頁、北川典子)
風力発電の業者と話し合う(2011年6月/92/11頁、横田清美)


地熱発電が環境に与える影響〜小波盛佳のオフィシャル・ページより一部転載
(2012年4月/97/4〜5頁)

小波盛佳(技術士,工学博士,現在千葉大学等非常勤講師)

 今,日本の各地で地熱発電が進められています。化石エネルギー資源の枯渇が迫っている今,地熱発電にかかる期待には大きいものがあります。日本の場合,温泉に近い地点が候補に挙がり,発電所が建設されています。しかし,その中で古来の温泉地の将来を左右し,環境破壊につながりかねない事態が起きているようです。ここでは環境と温泉資源に及ぼす地熱発電の影響という観点から考えてみます。

地熱発電が環境に与える影響
 地熱発電が環境に及ぼす主な影響として,次の諸点が考えられる。
 1)温泉の枯渇: 汲み上げによって温泉資源が減少または枯渇する
 2)崖崩れ: 汲み上げまたは不用水の還元(地中への戻し)によって変化する
 3)地震: 汲み上げまたは不用水の還元に伴って地震が誘発される
 4)地下水の汚染: 不用水の還元によって毒性の物質が他の地下水を汚染する
 5)大気汚染: 毒性のある気化性物質によって大気が汚染される
 6)表層土の汚染: 毒性のある気化性物質,固形物質によって大地が汚染される
 7)景観の悪化: 人工構築物および白煙によって景観が損ねられる
 これらを引き起こす要因は,主として, (1)熱水の汲み上げ,(2)不用水の還元,(3)熱水,蒸気に含まれる毒性,(4)施設構築自体の4つである。
不用水を地下に還元する(戻す)ということ
 通常の場合,地熱発電に利用された後の不用水の大半は,毒性のある物質を分離できないために,熱交換後に地下に還元される。これは同じ場所に戻されるわけではなく,汲み上げ箇所より高い地層に戻されるのが一般的である。そこで,その戻された部分で影響を生じうる。
 毒性のある温水が,前より地表に近い所に貯められるというだけでも,問題を生じる危険性がある。さらに,大量の不用熱水を岩の割れ目に注入することから,地層の構造の変化を引き起こす危険性があり,最悪の場合は,毒性のある地下水の噴出・流出および地層の崩壊とそれに伴う崖崩れ・地震が生じることも考慮しなければならない。事業を行う前に,戻す場合の影響について,地下水の汚染を含めてその問題点と解決策に関する研究を行い,その因果関係を明確にしていくべきである。
景観の問題
 地熱発電の弊害,特に環境に与える影響が一般に知られていなかった時期には,地熱発電所はむしろクリーンエネルギーを生み出す新しい観光の目玉として宣伝されたほどであった。しかし,世間にその弊害が広く知られるようになって状況は変化した。構造物自体の違和感,冷却塔からの排気による白煙などが,山中に建てられた工場のイメージとして捉えられ,自然の景観を損ねるものとして嫌悪されるようになってきている。
地熱発電の影響が発現した実例
 地熱発電が開始された初期の段階では,不用水をそのまま河川に放流した。そのために近隣や下流域に砒素等による汚染をもたらし,魚が死滅するなどの被害をもたらした。また,大気中に放出された水蒸気に伴って硫化水素が放散し,木々が枯れるという状況を作った。途上国の中には,その後も状況が変わらず,今も被害に苦しんでいるところが多い。
 不用水による被害対策として,今では,不用水を地下に還元する(戻す)ことが行われている。これで見かけ上,河川の汚染は減少することになった。しかし,その不用水の還元の影響は,因果関係をつかみにくいため,問題の発現を後送りし,不明確にしてしまった。

 そういった状況の中で,具体的には地熱発電が行われているほとんどの地区において,温泉が枯れるなどのなんらかの影響が表れているとされる。その具体例を,精力的に調査を続けてきた中沢跳三氏の論文の一部より拾い上げる。
1)秋田県大沼地熱発電所付近の温泉: 上トロコ温泉枯渇,他の温泉でも湧出量減少,泉温低下
2)大分県久重町大岳地熱発電所,八丁原発電所: 25箇所の温泉・地獄すべての自然湧出の源泉に湧出量低下,泉温低下(うち,枯渇5)
3)秋田県澄川地熱発電所: 周辺で大規模な土砂崩壊がおきて澄川温泉と赤川温泉が壊滅

 外国でも次のような例が報告されている。
1)イタリアのラルデレロ地熱発電所: 周辺の温泉源のみならず,周辺の森林が壊滅
2)フィリピンのフィイ地熱発電所: 水蒸気爆発で周辺の温泉が壊滅
3)米国ネバダ州の地熱発電所: 調査井のボーリングで世界的に有名な間欠泉が噴湯停止
 これらはほんの一例である。≪以下、省略≫

小波盛佳のオフィシャル・ページ


レベル7 現地から その5(2012年4月/97/2〜4頁)

会津美里町 片山玲子

 まもなく、1年がたつ。54年の私の人生の中で、一番重く、悲しく、深く、大きな一年だった。あっという間のような気もするし、とてつもなく長かったような気もする。ただ一つ、間違いなく言えることは、3、11以前の日本には絶対に戻れないということだ。
 木々の美しい緑、鳥のさえずり、小さな虫たち、おいしい山の水、フカフカの畑の土、すがすがしい空気。私の大好きなそれらすべてが、今までと違う環境におかれてしまった。地産地消、有機農業、国産材の家、自給自足、こんなすてきな言葉全てが悲しい響きを持ってしまった。森の中のたくさんの命の営みや海からの恵み、そして子供達が元気に走り回る笑い声。喜びあふれるこれらの風景が、息をひそめて沈黙している。こんな悲しいことがあるだろうか。
 これは決して、福島だけのことではない。日本全国(世界中)の現実だ。事故後の原子炉の内部がどうなっているのかもわからず、汚染されたものの保管場所さえ決まらず、事故なんか起きなくたって廃棄物の処分方法さえ確立されていないこの現状で、しかも現在、54基のうちたった2基しか動いていない、それでも電気は間に合っているこの状況で、日本の原発は再稼働しようというのか。 何のために? だれのために?

 一方では、国立公園内に風車を建てること等が可能となる規制緩和が決まったという。 山や森や生態系を破壊し、低周波音被害を生み出し、火力発電なしには不安定で動かせず、しかも寿命は17年程度という大規模風力発電を、私は地球に優しい自然エネルギーとはとても思えない。会津若松市では今、背あぶり山という美しい山に風力発電施設を作る計画が進んでおり、もっと慎重に考えようと市民グループが動いている。微力ながら私達も参加している。原発が再稼働し、自然がますます壊されていったら、もう日本の未来はない。
 原発ムラに象徴される巨大で、不透明で、お金や権力がものを言うシステムは、原発だろうが自然エネルギーだろうが、復興特区だろうが変わりなく、いのちの幸せにはつながらない。私達は被害者でもあるが加害者でもある。未来の世代や地球に、こんな愚かなものだけを残す訳にはいかない。
 福島県内は今、もっともっと難しくて複雑な、悲しい現実がたくさんある。この状況の中で毎日生きていかなくてはいけないから。いろんな人の一生懸命な思いが、人の和を断ち切らざるを得ない、悲しい現実。

 でも、今まで見えなかった、あるいは見ようとしなかった罪が目の前にあらわれたことによって、私達は覚悟を決め、進むべき道はこれしかないと、価値観を共有できる仲間や場が格段に増えた。今までマイナーだった意見が大手を振って語られるようになった。これはすごいことだ。自分一人では進まなかったり、道をそれたりばかりでも、人とつながっていくことによって力は何倍にもなり、壁を突き破ることが可能になる。
線量の高い地域から我が家に遊びに来てもらうこと、子供達の一時的な避難の応援、会津の中でのボランティアグループの連携、そして文字や音楽で伝えること。歩みはのろいが、この歩みを止めずに確かな方向を向き続けよう。
 福島県の未来を考える会、会津地区会長の佐々木さんは、その方向を「自然の一部としての人間の存在、いのちと人間同士の結びつき」と表現された。自然の偉大な秩序、宇宙の真理のサークルからはみ出してはいけない。はみ出すことへの欲望は、抑えられなければいけない。

 県外の方々に是非お願いしたいことがあります。一つめは、何といっても脱原発。日本中でたくさんの人々が、たくさんの行動を起こされていることはとても心強いです。是非このまま声を出し続けて再稼働を止め、原発のない日本にしましょう。二つめは、日本を覆っている巨大で不透明な力を冷静に見極め、原発以外ならいいという安易なレールにのらないこと。 三つめは、自分達の生活を見直すこと。自分達の住む地域で自分達が考え、行動し、必要なものは自分達で作り出そうとすること。国や大企業や自治体任せにしないこと。どうかよろしくお願いいたします。
 会津はこのところの大雪で雪片づけに追われ、大変だ大変だと言いながら、いつものように笑いながら生活している。雪の影響かどうかわからないけれど、最近役場前の線量はようやく、0、1マイクロシーベルトを下回るようになった。
 去年は、待ちわびた春を楽しむことはできなかった。今年は、緑のふきのとうや、黄色いフクジュソウ、真っ白なユキヤナギを思う存分眺めながら春を迎えたい。虫や鳥や山の動物達も、どうかいつものように春を楽しんでほしい。
 フクシマはとてもつらい思いもしているが、新しい価値観と希望を発信できる地でもある。いや、失ってしまったちょっと前の感覚を取り戻せばいいのだ。会津には、目をこらせばその感覚はそこら中にころがっている。手間や時間はかかっても、それをひとつひとつ拾い上げていくのが、私達の役割だと思う。そのために私は今、福島県会津にいる。
 去年の春、私達は全国のたくさんの友人から、心配や応援の言葉をいただいた。本当にありがとう。今年の春は、一緒に行動しましょう。無数の小さな命、無限の未来の命のために。(2012年3月1日)


レベル7 現地から その3(2012年2月/96/2頁)

会津美里町 片山玲子

 100日が過ぎた。原発内部の状況、ホットスポット、日本全国への汚染の広がり。この1ケ月でまた新たな事実が次々と見つかった。そしてたくさんの子供たちが暮らす、福島市、郡山市を始めとする中通の放射線量は、ここ1ケ月は横ばいで、1〜2マイクロシーベルト/h 。一応安全の目安となっている0.6マイクロ以下にはなかなか下がらない。
 学校、保育園の表土除去はかなり行われていて、その場所の線量はとりあえず下がっているが、それで問題が解決したわけではない。削った土の最終処分はどうするのか。また、校庭の土だけ除去しても、家や道路、町全体、生活範囲全体の値が下がらなければ、子供たちは安心して暮らせない。そのことを考えると、本当に気持ちが折れる。
 最近のニュースでは、下水処理場の汚泥の焼却灰の線量が東京を含む東日本で高く「保管場所がなくなっている」と言っていた。そもそも事故なんか起きなくたって、高レベル廃棄物の処分場所も方法も決まっていないんだから解決できる訳がない。運転を続ければ続けるほど廃棄物は増える。こんな単純な事が解決できないまま、原発は日本に54基もある。
 また、関東各地で細かな線量の調査が始まり、0.4マイクロシーベルト/h、程度のホットスポットがあちこちにある事がわかってきた。私たちの住む会津美里町は0.2マイクロシーベルト/h、前後。その位なら関東にたくさんある。何だ、同じだ。静岡のお茶にまで影響しているのだから、全国どこで何が出ても不思議ではない状況になってきた。本当に恐ろしくやっかいなものを私たちは50年以上も自慢し、その恩恵を受けて来てしまった。
 先日テレビで梅棹忠夫という民俗学者の話をやっていた。「科学とは業である。人間の知的好奇心は、とにかく進まないわけにはいかない。やり続けて行くしかない。その先にあるものは、暗黒」  ああ、そうだよね…って、納得した。だけど暗黒だけど、その中に光明がある。という言葉で終わっていた。
 私の中に今、2つのかすかな光がある。1つは、福島の犠牲によって日本全体の人々の意識が目覚めてきていることだ。脱原発の声は、今までになく大きくなってきた。福島県復興ビジョン検討委員会は、脱原発を望む基本姿勢を打ち出した。最終案をまとめ、県民の意見を聴いたうえで、7月中に県に提言する。どんどん意見を言おう。委員の一人、某教授は、「福島が脱原発と言わないで、どこが言うのか」と言っている。犠牲はとてつもなく大きいけれど、ドイツやスイスやイタリアのように、国として脱原発の方向に舵を切れたらどんなに嬉しいだろう。
 もう1つは自然の偉大さだ。昨年から私たちは「森のこめら」という小さなグループを作り、荒れた山の手入れを始めた。しかし、山の動物達に大きな恵みを与えてくれる広葉樹、特にドングリの樹として知られ野生動物の生存に欠かせないナラの樹が「ナラ枯れ」によって、この数年で壊滅的な被害を受けた。緑に覆われているはずの山が、夏には枯れた木々で真茶色の無残な姿になった。
 そしてこの原発事故だ。自然の、無数の命達に何と言う申し訳のない事をしてしまったのかと、本当に苦しかった。
 でも今年、若葉の季節を迎え、山は明らかに去年より緑が増えて来た。胴吹きと云うらしいが、ほとんど枯れたように見えた木の幹から直接、細い細い枝をわずかに出し、葉をつけていたのだ。重傷を負った命が、必死に生きようと知恵と力を振り絞っているのだ。それでも尽きてしまう命もあるかもしれないが、この若葉を見たとき、心が震え、自然の偉大さに言葉を失った。暗黒の中の一筋の光。この光に、私たちは本当に謙虚になろう。それが、これだけ自然を痛めつけてしまった私たちにできる、唯一の償いだ。


レベル7 現地から その4(2012年2月/96/3頁)

会津美里町 片山玲子

 いつの間にか9月。もうあれから半年がたとうとしている。避難せず、放射線量は正常ではないが高いという程でもなく、生活が危うくなるほど収入が減った訳でもない、今の私の生活。畑や庭仕事をし、山仕事にも行き、洗濯物も外に干し、まだ暑いので、24時間家のどこかの窓は開いている、普段と変わらない生活。でも、いつも、いつも、どこか悲しい。
 浜通りの人々が故郷を追われ、帰るめどが立たないということがどういうことなのか、中通りの子供達が外で遊べず、自然に触れることができず、家に閉じこもって暮らすということがどういうことなのか、草木や虫や動物たちにとって、これからどんな苦しみが出てくるのか、私は想像できているだろうか。
 避難区域でない中通りの汚染は、子供達にとって深刻だ。市町村が独自に除染を進めているが、一気に線量が減る訳でもなく、安心して暮らせるようになるまでには長い長い時間がかかる。できることは何でもやろうと、あちこちに出かけたりしているが、この現実を考えると、本当に悲しい。
 一瞬、頭をよぎる思いは、日本中の人々がだんだん「フクシマ」を考えることに疲れてきて、「フクシマのことはフクシマで何とかしてよ」という感覚になってしまうのではないか、ということ。どうか皆様、自分達の「フクシマ」を、考え続けてください。最近、ライブの時に歌わせてもらっている歌がある。

       「生まれ来る子供達のために」(小田和正)
   多くのあやまちを 僕もしたように
         愛するこの国も 戻れない もう戻れない
   あの人がそのたびに 許してきたように
         僕もこの国の 明日をまた思う
 広い空よ 僕らは今 どこにいる
         頼るもの何もない あの頃へ帰りたい

広い空よ 僕らは今 どこにいる
        生まれ来る子供達のために 何を語ろう
君を 愛する人を 守り給え         大きく手を広げて 子供達を抱き給え
  一人 また一人 友は集まるだろう
        一人 また一人 一人 また一人
  真白な帆をあげて 旅立つ船に乗り
       力の続く限り 二人でも漕いでゆく
  その力を与え給え 
       勇気を 与え給え


水林自然林の観察会に参加して(2011年12月/95/2頁)

会津若松市 鈴木辰三

 9月17日(土)、水林自然林で観察会が行われました。水林自然林は福島市荒井の荒川中流域に位置し、周辺には霞堤や水防林などの歴史的見どころが点在しています。当日は荒川資料室に勤務している國原よし子さん(当会会員)の案内で、14名の参加者が楽しい時間を過ごしました。
 この辺りは多様な生態系が残されておりクマも頻繁に出没するとのことでした。よく見ると、クマの大好物であるウワズミザクラやコナラの木にはたくさんの爪の掻きあとが残っていました。そして、見上げればクマ棚も。
 さらに歩いたところでヤマユリの実を見つけました。夏には大きな花で人目を引いていましたが、今はひっそりと実をつけています。花は横向きなのに、実は上を向いています。種を遠くに飛ばすための知恵なのでしょう。そう言えば、今回は植物の実の姿が目立ちました。これからの季節、みんな子孫を残すために様々な工夫を凝らしているようです。
 季節は仲秋。マツヨイグサの前で足を止めると、「富士には月見草がよく似合ふ」(太宰治)、「待てど暮らせど来ぬ人を宵待草のやるせなさ今宵は月も出ぬそうな」(竹久夢二)、詩的な紹介がありました。
 その他にもたくさんの生き物たちとの出逢いが・・・
<植物(花)>→マツヨイグサ・ツユクサ・チヂミザサ・イヌタデ・ノハラアザミ・ミズヒキ・ホトトギス・ママコノシリヌグイ・オオハンゴンソウ・ノコンギク・ヤクシソウ・オトコエシ・アキノキリンソウ
<植物(実)>→クサギ・ツリバナ・カヤ・マユミ・ヤマユリ・クマノミズキ・エゴノキ・シオデ・ツクバネウツギ・イヌシデ・ヤマフジ・アオハダ
<その他>→ジョロウグモ・ミヤマクワガタ(♀)・カワラバッタ・オニヤンマ・アサギマダラ・ヒョウモンチョウsp・ハナアブsp・オオカマキリの卵のう・シュレーゲルアオガエル
 今回歩いたのは荒川流域のほんの一部ですが、どの季節に訪れても違った魅力が溢れているそうです。間もなく紅葉の季節・・・たっぷりと時間をかけて散策してみてはどうでしょうか。國原さんは「いつでも大歓迎」とおっしゃっていました。


福島県から避難した私の思い(2011年10月/94/2〜4頁)

〜浅田正文さんに聞く〜

17年前に福島県に移住
 私の住んでいるところは、第一原発から山側へ約25km入ったところにあります。そこが、ちょうど避難指示区域に入っていました。17年前に東京から福島県に移り住み、自給自足の生活を始めたわけです。そうすると、いろんな方と知り合う。有機農法でやっている方、無農薬でやっている方、いろんな方と知り合って、だんだん刺激されて自然農というのを始めました。「草を敵とせず、虫を敵とせず」ということで、具体的に言うと耕さないんですね。草が生えてきたらどうするか。日照りの時に作物と草が一緒にあれば、支え合って日照りを防ぐわけですよ。逆に、大雨の時は作物と草が一緒に土が流れるのを防ぐわけですよね。でも、作物がちっちゃい時は草に負けちゃいますので、そういう時期は、人間が最初のうちは赤ちゃんに手をかけるのと同じように手をかけますが、一人前になったらやめる。そういうようなことでずっとやってきました。
大慌てで金沢へ避難
 それが、3月11日の大地震、それに続く12日の原発の爆発で、一瞬のうちにダメになってしまいました。金沢の友人から「浅田さん、とにかく早く遠くに逃げろ」という電話がかかってきたんですね。とにかく着の身着のままでいいから出ようということで、夜の9時くらいに出発したんです。
 金沢に着きまして、友人が本当に優しい方で、「何年居てもいいよ。何十年居てもいいよ」と言ってくれました。そうは言ってもずっと24時間一緒に暮らすわけにはいきませんよね。結局、一週間くらいしてから、金沢市が市営住宅を提供しているというニュースが入ってきたのでそこに入りました。市営住宅は期限が決まっているので次の避難先を探していたら、一軒家を無償で貸してくれるという人が現われたんです。2年間の期限付きですが、今はその家に住んでいます。ありがたいことに、風呂、洗濯機、布団、食器、冷蔵庫など、家具が何でも揃っていたんです。
原発はトラブルが多発
 福島原発は結構トラブルが多発しています。特に第一原発の方が圧倒的に多い。設備的にも老朽化しているし、人の面でもソフト的にも老朽化していると思います。その例を一つだけ挙げます。6号機の定期点検の際に、間違えて稼働中の5号機の部品を外しちゃったんですね。緊急炉心冷却装置という非常に重要なものなんですよね。二週間後に気がついたんです。そういうようにヒューマンエラーが多発している発電所です。今回、爆発が起こってから3号機で3人の方が長靴を履かないで短靴で被曝しましたね。もともとの原発の管理がちょっと甘いから、起こるべくして起こったのかもわからないんですね。それから配管のひび割れなんかもしょっちゅうあります。
福島での脱原発活動
 じゃあ福島県民は東電に対して何を言ったのか。私は脱原発福島ネットワークという市民グループに所属し、東電と月1回、定期的に話し合いの場を持ってきました。そこでは広報の担当の方と交渉するのですが、私たちのことを人間じゃないというふうな見方をしている感じがします。本当に行くのイヤなんです。糠に釘を刺しているような感じ。全然反応が感じられないんです。そこへ行って何をするかというと、非常に素朴に、「ここはちょっとおかしいんじゃないでしょうか」というような言い方で訴える。
原発がイヤな理由
 私は原発は嫌いというかイヤなんです。その理由は、いくつかあるんですが、一つは今回の事故でわかるように本当に危険なもの、人の知恵を超えたもの、人智を超えたものだということです。そういうものは人間はやってはいけない、動かしてはいけない。そのことが私にとっては一番です。二番目として、使い終わった廃棄物をずーっと管理していかなければならないということですね。プルトニウムは、半減期が二万四千年ですよ。二万四千年というとキリストさんがお生まれになってから現在までの時間の十倍の時間、十倍の時間も昔に、ご先祖さまが「お前たち、これちゃんと管理してよ」と託したとして、それが引き継がれていくことは不可能に近いことだし、理不尽ですよ。
生活スタイルを見直す
もともと私たちに与えられたエネルギーは少ししかないんだ、これを大切に使いましょうよ、という考え方に立てばどうかというのが私の考え方。コンビニが二十四時間営業している必要があるんですか。自動販売機もこんなにたくさん必要ですか?というように考えていけば、いくつも出てくるんですね。東京駅に行くと動く歩道というのがあります。エスカレーターが水平になっているやつ。そこに乗っているとずーっと進むわけです。じーっとみんな待っていればいいのに、そこをとことこ歩いている。少ないエネルギーを慈しんで大切に使っていきましょうよと。そういうような社会をこれから築いていきたいなというのが、私の今の気持ちです。
福島に帰れるのか
 だんだん状況は悪くなってきている気がします。政府は悪くなってきたと言わないですけれども。私は避難指示地域から出てきて帰れるか帰れないかわからないんですよ。避難指示地域より百mも行った外側では、生活している人がたくさんいるんですよ。この百mで何が違うのか。仮に帰ったとしても本当に土が汚れてないのか、椎茸は食べられるのか。全然ダメですね。タラの芽は採れるのか。採れますよね。食べられるかどうか別ですね。住めたとしても、自然の生活を楽しめるかどうかは全く別問題です。おそらくは「生きた生活」は難しいのではないでしょうか。その一方で福島へ戻り子供たちのためにできることをしたいとも思い、ますます悩みが増し哀しみが深くなっています。当分は金沢市で「さようなら原発」を訴えていきます。(終)


レベル7 現地から(2011年8月/93/2〜6頁)

会津美里町在住 片山玲子

「レベル7 現地から」 (1)
 4月初め、突然、日記を書こうと思い立った。3月11日以降、福島県民としての原発事故被災者と、避難の方々の受け入れ地としての支援者と、両方の立場にいる自分の思いを、日々、記録し、発信する事によって、この大災害とこれからのことを皆で考えていきたいと思ったのだ。
 けれど、それは一日で挫折した。毎日毎日、原発とそれを取り巻く状況の変化があまりにも多すぎて、仕事が終わって夜のわずかな時間で書き続けるのは負担が大き過ぎた。でも、何かの形で残さなければ。これは、私の役割だ。とりとめがなく、又、私の気持ちも変わって行くかもしれませんが、事故後1ケ月の時点での正直な気持ちです。良かったら読んで下さい。
 福島第一原発で次々と爆発が起き、放射性物質が大量にばらまかれた直後の3月16日、会津ではひとびとの間に大きな温度差ができた。福島市で脱原発を訴え続けている市民グループの人たちが会津に到着し「皆、逃げなさい」と言い残して、そそくさと関西へ向かった。会津で平和活動の中心となって活躍している友人が、それを聞いてパニックになり、子供たちと一緒に関西に避難した。
 ただ事ではないと解っていたが、それを聞いて私もまた大きなショックを受けた。"ここで最善の事をする"と私とノリ(夫)は覚悟していたはずだったが、最悪の事を予想し、彼の覚悟がぐらついた。私もガクガク震えた。
 私は今、認知症高齢者のグループホームの仕事をしていて、実は前日、何人かのお年寄りと一緒に避難できるかどうか、佐渡と長野の友人に聞いてみた。不可能ではなさそうだった。でも、職場にはお年寄りの他に大勢の職員がいる。小さな子供を持つ職員もいる。私を信頼して仕事をしてくれている。彼らを置いて私が逃げる訳にはいかない。逃げたら私のプライドが無くなってしまう。
 人間として恥ずかしくない生き方をするプライド。考えてみれば福祉以外でも、医療や役場関係など、簡単には逃げられない立場の人たちはたくさんいるのだ。でも、もし4機全部が大爆発したり、メルトダウンしたりしたら、私たちの命はないかもしれない。
 「先に逃げて」とノリに言うが、「別行動はありえない」と言われる。どうすべきなのか・・・。胃がひっくり返るような思いの中、とっさに受話器を取る。普段直接、話す事はめったにない、法人のトップの自宅にTEL。「皆で避難しませんか ? 」・・・。
 その後、一時間近く話を聞いてもらった。(ノリも数十分話した) 実際、私のいるグループホームと隣接施設も含めて100名以上のお年寄り、職員とその家族、と考えると皆で脱出するのはとても困難であることは間違いない。しかも今、施設では避難の人たちも受け入れている。そして、町の人々は圧倒的に「会津は大丈夫だ」と思っていて、周りの職員は黙々と仕事をこなしている。ガソリンや灯油は手に入らず、食べ物も限られているという混乱の中、最悪の事態だけはかろうじて免れ、時は過ぎた。
 この一カ月が長かったのか短かったのか、よくわからない。物資はずい分手に入るようになったが、事故の収束のめどは、まだ全くたっておらず、毎日毎日、たくさんの良くないニュースが入ってくる。その度に気持ちが、縮む。幸い会津に降った放射性物質の量はそれ程ではなく、水や土壌汚染も今のところはほとんどない。でも、今後、放射性物質の影響や風評被害は何年、何十年と続くのだろう。これから福島県はどうなっていくのだろう。
 会津美里町では、原発立地である楢葉町から1000名余りの避難者を受け入れている。先日、炊き出しのボランティアに参加した時、あるお母さんは「期間は一言も言われず、一日か二日ぐらいの気持ちで着の身着のまま、パンツ一枚持たず、動物も置きっ放しで来た。」と話されていた。切ない。上の方の人たちの気持ちはわからないが、立地町村の一般市民は「雇用を作り、首都圏に電気を送っている頼もしい原発」「電気を首都圏に供給しているという誇りがあった」「安全と言われて、その言葉を信じ、原発を信頼して来た」という声が多い。ましてや、立地町村以外の汚染地域は完全な「とばっちり」
 風に運ばれてたくさんの放射性物質が降り注ぎ、高い線量が続いているのに「安全だから心配するな」と言われ、でも、牛乳や野菜の出荷は止められ、あげくの果てに計画避難と言われた。そして心配すると過剰反応と言われる。
 福島県民は東北電力の電気を使っている。なのに首都圏に電気を送っている東京電力の事故で、私たちは取り返しのつかない被害を受けたのだ。私たちはこの先、何世代にもわたる未来の人たちに計り知れない負債を負わせてしまったのだ。
 想像をはるかに超える地震と大津波は、本当に悲しい、無残な爪痕を残した。これは天災だ。でも、レベル7の原発事故は明らかに人災だ。度重なる警告にも耳を貸さず、安全と言い続けて来た国と東電の責任だ。いや、こんな危険でもろい原発を容認し、電気を使って贅沢な暮しを続けて来た日本国民全員の責任だ。
 被災地だけでなく、国民全体が、本当に真剣にこれからの事を考えないと、また同じことが起きる。3月10日の社会に戻る事が復興ではない。原発に頼らない社会、電気に依存しすぎない社会、少し質素で、つつましくて、地球のすべての命が助け合う、心豊かな社会にしていかなければ日本はもう終わりだ。
 この一カ月の間には、新しい社会を暗示するような嬉しい事もあった。全国のあちこちにいる親戚や友人が心配して電話やメールをくれた。何年もご無沙汰していた友人が被爆対策で昆布や梅干をたくさん送ってくれた。泣きながら電話をくれた友。北海道や山梨の友、そして仙台や南相馬にいる友とも励まし合った。極めつけは現在四国に住む旧友との再会。被災地支援のため、気仙沼を訪れた際、数時間ではあったが、我が家に寄ってくれた。24年ぶりの再会だった。また、関西に避難した会津の友人も戻ってきて再会した。彼女は関西でも心休まることなく、会津の心配や罪悪感で毎日泣いていたそうだ。
 なんという体験だろう。とても言葉にできない。私たちの心はつながり合い、抱き合って泣いた。この絆を大切にしよう。この絆さえあれば生きていける。
私たちは余計なものを求め過ぎて来た。
 被災地以外の皆様、どうか自分自身は何をすべきなのかを真剣に考え、行動に移して下さい。私たちは私たちにしかできない事をやっていきます。皆様が変わらなければ、日本は変わらない。「福島がんばれ」なんて、もういらない。皆様、がんばって下さい。

「レベル7 現地から」 (2)
 事故から2ケ月が過ぎた。10日も前から原稿を書き始めたのに、毎日毎日、気持ちがひっくり返るニュースが流れてきては書き直し「メルトダウン」が報道されたら完全にペンが止まってしまった。仲間と会話し、少し元気が出たと思うと又暗いニュースで落ち込む、という繰り返し。もう、いい。まとまらなくてもいい。ぐちゃぐちゃをぶつけます。
 深刻な結果が明らかになってきた。飯館村の計画的避難も始まった。会津も濃度は低いけれど確実に放射能は降り注いでいる。大切な家や美しい故郷を奪われた人々、避難指示は出ていないけれど放射能の高い値に震えながら暮らしている友人たち…。
 県内ばかりではない。神奈川県の新茶が汚染されていたのは私も予想外だった。全国に、いや、世界中に放射能はバラまかれてしまった。海の汚染はこれからどれだけの影響が出て来るのか想像もつかない。何よりも悲しいのは、被害を受けるのは私たちよりも若い世代や子供たち、未来の子供たち、そして物言わぬ動物や自然界の命たち、という事実だ。
 学校の屋外活動制限の基準が、年間20ミリシーベルトとされた件は皆様もご存じかとは思いますが、とにかく国や県からの「指示待ち」ではなく、自分たちで考え、声をかけ、行動するしかないという事を、この事故は教えてくれた。
 大人たちは皆「私は何も悪い事はしていない」なんて思っちゃいけない。私たち大人は「加害者」なのだ。この国の原子力政策を容認し、電気を欲望のままに使ってきた責任があるのだ。
 反原発運動やチェルノブイリの支援もしてきたけれど、でも結局、私は、ノリ(夫)は原発を止められなかったじゃないか…。安全管理も出来ない。廃棄物の処理一つ解決されていない。こんなずさんなやり方でなければ原発は動かせなかったのだ。これが科学技術大国、ニッポンだったのだ。
 悔しい。本当に悔しい。被害を受けたからではなく、自分たちの限界をまざまざと見せつけられた悔しさだ。どこかにぶつけた訳ではないのに、今朝から深呼吸をするたびに胸が締めつけられるような痛みがある。私は今、初めてこの問題を自分の問題として感じる事ができたのかもしれない。
 浜岡が止まり、国のエネルギー政策が見直されるという。世論の3分の2は浜岡停止を評価しているという。この機会を絶対逃してはいけない。日本中の原発は、このずさんな政策と管理の元に造られ、今も動いていることを忘れてはいけない。「福島はかわいそう」「福島を応援します」こんなレベルで、この事故に関わっちゃいけない。
 全国民の一人一人が、苦しみ、後悔し、生き方を見つめ直し、行動しなければ。もの言わぬ命、未来の命のために…。


会津レクリエーション公園自然観察会に参加して(2011年8月/93/10頁)

会津若松市 鈴木辰三

 6月24日(土)、会津レクリエーション公園で自然観察会が行われました。梅雨入り直後のこの日は朝からあいにくの雨降りでしたが、雨ニモマケズ大人7人・子供2人の参加者が集まり、観察会を楽しみました。
 会津レクリエーション公園は、猪苗代湖畔に位置したおよそ45haの自然公園です。園内には森林や池や湿原など多様な環境があります。整備された遊歩道をぶらぶらと歩くと、この時期ならではの生き物たちから歓迎を受けることができました。
 今回印象に残ったことのひとつに、多くの昆虫の子供たちに出逢えたことがあります。成虫になった時に、どんなチョウやガになるのかは特定できませんでしたが、大小さまざまな毛虫を見つけました。バッタやカマキリ・トンボなども、孵化後間もない小さな命でした。これから夏に向けて、厳しい自然の中を生き抜いていくのでしょう。
 また、見慣れたカシワの葉っぱを見ていると、それは「ナラガシワと言うんだよ」と教えてもらいました。色・形はカシワとそっくりですが、葉を触ってみると厚いカシワに比べてソフトな感じす。見ただけでは区別がつきません。
 その他にも新しい発見や気づきがたくさんありました。当日出逢った生き物たちの一部をご紹介します。
<植物>(花)・ニッコウキスゲ・ノアザミ・カキツバタ・コウゾリナ・ヒメジョオン・スイカズラ・エゴノキ・スイレン・ナワシロイチゴ・アカツメグサ・ヤマボウシ・シモツケ(実)・ヤマグワ・ヤマザクラ・オオバボダイジュ
<鳥> カワラヒワ・ゴイサギ・カワウ・オオヨシキリ・ハシボソガラス・ウグイス・ホトトギス
<その他> カマキリ(幼)・バッタ(幼)・毛虫(多種)・ナメクジ・マメコガネ・ハラビロトンボ・アオモンイトトンボ?・ハナバチの仲間・ムシヒキアブ・オトシブミ・ウサギの食痕
 ヤマグワやヤマザクラの実が真っ黒に熟し、普通であれば味覚も試すところだと思います。しかし、今は放射能汚染を考えて味わうことはできません。原発問題がいまだに収束しない中で、自然環境に大きな影響を残すのではないかと心配でなりません。楽しい時間を過ごすと共に、子供や生き物たちの未来に責任を感じた1日でもありました。


7月3日の翠ヶ丘公園観察会にて(2011年8月/93/11頁)

須賀川市在住 北川典子

 3.11以来の目に見えない魔物はまだ完全にはやっつけられてはいない。だけど、心のバランスのためにまた外に出かけるようになり、7月最初の日曜日は7人の同好の士と見慣れた公園を歩いた。園内ではコシアキトンボ、モノサシトンボ、スジクワガタ、そしてなかなか姿は見えない画眉(ガビ)鳥などを見ることができた。さらに魔物が怖いと言いながらも赤いニガイチゴの苦さを確かめて納得したり、琵琶池では大きなクサガメを双眼鏡で眺めたり。で、あっという間の3時間だった。
 この観察会で心に残ったのは、何気なく見ていたツユクサの受粉の仕掛け。自然界は私が思っている以上に奥が深い事を、教えてくださったSさんに感謝! 花や木の名前を覚えることに汲々としている自分の浅さを反省した。公園内はきれいに草刈りされていて、いつもよりよそ行きの顔をしていた。そして夏椿の花の白さが涼しげであった。

Bt0388.gif福島県自然保護協会のトップページへ


風力発電の業者と話し合う(2011年6月/92/11頁)

横田清美

 2月10日、郡山市で風力発電の業者と県協会が話し合いを行った。業者とは羽鳥高原風力発電事業を計画している(株)ユーラスエナジージャパン(以下ユーラスという)。天栄村、白河市、西郷村にまたがる国有林の尾根に大型風車を12〜44基設置する計画をしている。
 話し合いに出席したのは、ユーラスの事業開発部長と課長、ユーラスが連れてきた日本気象協会の気象予報士、県協会の浅田理事と横田理事の計5名だ。 まず、ユーラスが会社説明と計画の説明を行った。ユーラスは東京電力の子会社で、国内外で幅広く風力発電事業を展開している。

話し合いによって分かったこと
@羽鳥湖高原風力発電の建設に必要な作業道は鳳坂峠付近の尾根に沿ってつくる。理由は、山の斜面につくるよりも地形改変や建設費が少なくて済むから。
A周辺の河川や湖を全く汚さずに工事するのは無理だということを承知の上で計画している。つまり、工事をすれば羽鳥湖や川の水が濁るということ。
B採算をとるためには大型の風車を設置せざるを得ない。
C一部の風車は、健康被害が発生する可能性があることを承知の上で民家の近く(2km圏内)に計画している。とりあえず風況調査をし、健康被害等の問題は後で考えるそうだ。
Dユーラスは風力発電によるCO2削減効果が微々たるものである事を承知しているが、地球温暖化対策に少しでも貢献したくて事業を行っているという。
E風況調査がまだ出来ていない(関東森林管理局の許可待ち)。なので、風車の基数を確定できない。

 「健康被害や自然破壊を起こしてまで、この事業を進める価値があるのか」と県協会が質問すると、「地球環境問題の方が大事。日本は再生可能エネルギー供給の割合が低い。国策に協力している」とユーラスは答えた。
 2月22日、県協会は計画地を管理する関東森林管理局長に建設不許可を求める要望書を提出した。計画地は林野庁によって「緑の回廊」に指定され、原則として自然の状態を維持すべき場所になっている。 計画地一帯はクマタカの生息地になっている。尾根に作業道がつくられれば自然生態系に大きなダメージを与えるのは必至と思われる。


背あぶり山風力発電・それから(2010年8月/87/2〜6頁、片山紀彦)
裏磐梯蛇平周辺の自然観察会報告(2010年8月/87/9〜10頁、猪狩資子)
外来生物の防除対策について(2010年4月/85/8〜9頁、横田清美)
風力発電 エコ? エゴ?(2010年4月/85/3〜5頁、片山紀彦)
国立公園特別保護地区(2010年4月/85/2頁、星一彰)
「よろしくお願いします」(2009年12月/83/8〜9頁、片山紀彦)
里山の自然観察会報告(2009年8月/81/8〜9頁、小林淳雄)
白山沼の保全について(2009年8月/81/1〜2頁、横田清美)
ツキノワグマ保護管理計画案に対する考え方(2009年4月/79/6頁、横田清美)
田代山山頂部にトイレは必要か〜南会津町が田代山周辺整備を要望〜(2007年12月/71/4頁)
外来種オオハンゴンソウが大繁殖〜裏磐梯の生態系に影響(2007年6月/68/8頁、横田清美)
郡山市立安積第二小学校の児童が県協会に寄付(2007年4月/67/10頁)
日光国立公園尾瀬地区の単独化及び区域拡大に関する意見(2007年2月/66/4頁、長沼勲)
福島県森林審議会を傍聴して(2007年2月/66/8〜9頁、横田清美)
安達太良山登山道マーキングに係る現地合同調査会 参加報告(2006年10月/64/2〜5頁、渡辺仁)
<投稿> 天神浜のJET乗り入れ問題(2006年8月/63/9頁、野田文武)
産廃処分場予定地における動植物調査報告(2006年8月/63/3頁)
滝根小白井風力発電事業の準備書に対する意見(2006年6月/62/2頁、浅田正文)
那須連山主脈縦走線(甲子地区)整備方針について報告(2006年2月/60/8頁、横田清美)


背あぶり山風力発電・それから(2010年8月/87/2〜6頁)

会津美里町 片山紀彦

というワケで、会津若松市・背あぶり山に計画が進む風力発電事業「会津若松ウィンドファーム」へのリアクション。その後の主な活動報告をさせていただきます。

■3月18日、市議研究会に出席
前回報告をした、若松市長との面談後、市議各位への風力発電についてのアンケート調査を郵送にて実施した。後日、某会派から「詳しい話を聞きたい」旨のお達しがあり、3月18日、市議の研究会で1時間ほど風力発電の問題点について話をして来た。 窓口となって下さった会派の皆さんの感触はマズマズ。帰りがけには「議会で取り上げましょう」という一言も聞けた。…しかし3月の定例会はどうやらスルーした様子。 次回の定例会は6月…いかがなものか…。

■5月9日(日) 背あぶり山自然調査会
前号で掲載を頂いたように建設現地の自然観察・調査会を開催。 参加者は14名。少し寒かったが、まさに五月晴れの下、草木たちの芽吹きの熱気ムンムン、パワー全開といった感じの背あぶり山を、横田理事をリーダーにゆっくりと観察した。

午前は建設が予定されている民有林の調査。民有林は赤松の林。 林床にはチシマザサやノイバラが繁茂して歩きにくいので隣接する国有林の作業道を歩く。 林縁にはヤシャブシが目立つ。 建設地の中央あたりには真中には風況ポール。ポールの先の小さな風車が、何だかとても忙しそうにカラカラ、カラカラと回っている。御苦労さまである。 あまり間近に見ることも無いので傍まで行き、皆でしばらく観察。 その時、ハイタカかチョウゲンボウらしき小型の猛禽が何かを咥え、頭上をかすめて西の谷の方に降りて行くのを確認。 隣接する国有林側の雑木林にはヤマザクラ、タムシバ、コブシが満開。 足元にはいたるところにノウサギの糞。そして食痕。 この周辺が、飛翔や営巣の確認がされているクマタカなど希少猛禽類の猟場の一つであるだろう事は想像だに易い。 道の真ん中を小さな山蟻が、美しい瑠璃色のツバメシジミらしい死骸を咥え孤軍奮闘し必死に歩いて行く。思わず「がんばれ」と声をかける。 30分ほどで左側に東北電力の無線中継所の在る場所へ。作業道はここから先はヤブ…というワケなので、ここで小休止。 大のオヤジとオバハン…いや失礼「熟男、熟女」が中継所のドテで忙しなく働く蟻達を肴に、お茶をやりながら、しばし談笑。なんとも微笑ましく平和な時間だ。 …世界会議なんかも、こういう場所で行えば、我々の人間社会もう少しマシになるのではないのか…とマジに思う。

さて、そうこうしているウチに午前の部、タイムアップ。 ソソくさと背あぶりの山頂付近へ移動してお楽しみのお弁当。 眼下の猪苗代湖が実に美しい。ああ、それにつけても野外で食うメシは、いつ食っても美味いなあ。 ちなみに本日の弁当箱内の観察報告。 シーチキンマヨ、めんたいこ、梅干のおにぎり各3、卵焼き、ウインナー5本とオシンコ少々…以上。(※2人分)

そして美味しい昼飯の後は、遠くからご参加いただいた浅田理事に、せっかくの機会なので風力発電のミニ勉強会をお願いした。 そして午後からは西側の蛇沢へ移動。蛇沢から流れる川は会津若松市の水がめ「東山ダム」から流れ出る湯川に合流する。その合流点にホタルの生息地があり、今回参加いただいたIさんは、その生息地の保護活動をされている。 風車の建設時に、大雨などが降れば、この蛇沢への残土流入や汚水流入が懸念される。 Iさんをリーダーに合流地点から建設地方面に登る林道を歩く。 道脇にはオオバクロモジが花を咲かせている。小さな岩棚の、ほんのわずかなスペースにスミレが肩を寄せ合う。横田隊長がその岩棚にオオルリの巣を発見 。 と、一瞬、木々に遮られた眼下の沢を、大柄な猛禽が何かを追って、すーっと滑って行くのが見えた。特定は出来なかったが思わず興奮。

しかし、残念ながらそこから数百メートルも行かない場所で、林道がガケ崩れによって途絶えていた。 仕方がないのでUターンし、予定変更。ホタルの生息地をIさんの案内で観察。 Iさん達は10年ほど前から、すぐ近くに在る東山ダム建設時の残土捨て場になっていた荒地を借り受け、広葉樹の森の再生を行っているのだが、残土の中から出た石を水場まで運び、小さな淀みを作りホタルの生息環境を整えている。 だが、このような場所と知ってか知らずか、近くの橋からゴミを投げ捨てて行く輩が後を絶たない。情けない限りである。ゴミと共に人間としてのプライドも捨ててしまっているという事が、その輩には分からないのだろうか。 …そんな苦労話を、水場に生えるクレソンをかじりながら伺う。 周辺にはキバナイカリソウ、ウグイスカグラ、ヒトリシズカ、カンアオイ…etc。 …希少種や絶滅危惧種だけでなく、この山は他にも数えきれないほどの命を宿して生きている。 そして、それら一つ一つの、すべての命の働きによる恩恵が、我ら人間の暮らしをも守ってくれているのだ、と云う当たり前のことが理解出来ない世の中を人間は作ってしまった。 しかし、人の世の、いや、この星の未来の存続を真剣に思うのであれば、人間だけのご都合主義から脱却し、その感覚を取り戻さければならない…そんな事を思いながら、家路に就くための、便利な乗り物のアクセルを踏み続けている自己矛盾と向き合っていた。

■6月6日「ホントにエコ ? 風力発電」開催
さて、残念ながら若松市では、背あぶり山に風力発電施設が出来るという事すら知らない人がまだ多い。ましてや様々な問題が起きている事など知る由もない。 というワケで「少しでも関心を持ってもらおう」という思いから6月6日「ホントにエコ ? 風力発電」と題したイベントを会津若松市中央公民館で開催。 内容は、前半は風力発電の問題点や県内での実情について、浅田正文理事に講演をお願いし、後半は参加者全員による意見交換会を行いました。

会場の都合で、開場の12:40まで準備の時間があまりない。スタッフ一同、ドタバタしながらの会場準備。でもなんとか無事、机やイスが並び、受付も整い、壁には事故写真や建設風景の写真、そして自然調査会の模様や鶴ケ城と風車の合成比較写真などを張り終えた。 …ふーっ、滑り込みセーフ。 と、気がつくと50ほど作った席が7〜8割がた既に埋まっている。 実は1ケ月前から告知を開始したものの、当日まで問い合わせなど、反応らしきものは全くなくて、正直「こりゃ10人も集まればイイかなぁ」とスタッフ間では話しをしていたのだ。でも嬉しい事に新聞記者さんも含めて40名ほどの参加となった。

さて午後1時にスタート。ネットワークからの挨拶の後、早速、浅田理事の講演が始まった。 理事のお話は昨年の東北自然保護の集いで初めて伺い、ご自分の経験を交え、とても端的で、分かりやすい内容だったので、会の企画の当初から「ぜひ講演を」と、ご無理をお願いしたのだが、今回はそれが、さらにグレード・アップした感じ。 特に滝根小白井(※)の立ち入り禁止となっている風車建設現場に朝5時半に潜り込み、ご自分で写されたという写真が目を引いた。中には一部ピンボケの写真もあったが、それが更にリアリティを加えていた。 (※)6月22日、現場作業員が作業中の事故で亡くなられた。 それにしても浅田理事の言葉には説得力がある。さすが時折「霞」を食っているだけの事はある…あっ、これは揶揄でも冗談でもなく、マジでそう思うのだ。 山間に漂う「霞」にはフィトンチッドが含まれているハズである。ご存じの通りフィトンチッドには薬効がある事が知られている。 うる覚えだが、確かケルト民族に「病気は森林に直してもらえ」という教えがあり、実際、 僕自身それを実体験として感じる。 「霞」は人の心と身体を整えてくれる。人はそれによって自然と「丹田」も鍛えられる。 だから説得力ある言葉のエネルギーが生まれるのではないのだろうか。

ちなみに、同じ霞でも「霞が関」関係の人たちの食っている霞には「ケンキン」などと呼ばれる腐朽菌がたくさん含まれているようで、侵されると平気で虚言を繰り返すようになる。言動に説得力がないのは、それが原因のようだ。

さて、講演後は休憩を挟んでの質疑応答。 司会者の「では、何かご質問がございましたらお願いいたします」の声に、しばし水を打ったように「シーン」とした会場。 「うむ、やはり。会津は声を挙げにくい土地柄だからなぁ。しょうがない。用意してあった質問をするかなぁ…」と、思った瞬間、一人の勇気ある女性が第一声を挙げてくれた。 ご質問は、要約すると「工事による環境への影響はどの程度あるのか」という内容。 それに対して、前出の自然調査の報告を交えて、森林生態系への影響や土砂の沢筋への流入による環境汚染の可能性。あるいは東山ダム方面や西田面地区へと続く水脈の変化や水質悪化の懸念などをお答えした。 そして、その女性の発言の後、会場の雰囲気は一変。堰を切ったように「エコで無いという理由は ?」「こんなに問題がある事を初めて知った」「近隣地区と関わりがあり、風力発電には疑問を持っていた。しかし地域住民が声を挙げると村八分になる可能性などもある。どうしたらよいのか」などなど、矢継ぎ早に質問が続いた。 中には「生物多様性の保全が叫ばれている昨今、万が一エコだとしても許されるべき事業でない」といった専門的なご意見や「私は生物の専門家なので、何かお力になれる事があったら、ご連絡ください」などといった嬉しい発言も頂いた。 そしてあっという間の時間切れとなってしまった。 でも、このままで終わらせたくはない。むしろ今日が始まりだ。 一人ずつでも輪を広げて、より大きな流れを作らなければ…。 閉会の言葉に「もしよろしければ連絡先をお知らせ下さい」と言い添えて会を終えた。

予想以上の参加と反響。そしてアンケートの回収率も90%。連絡先も多数いただけた事に、反省会の席ではスタッフ全員が笑顔だった。 しかし会津若松市の人口は現在126,927人。参加者40人は、軽々に喜ぶべき数ではない。また、参加者の中には「原発も風力も賛成」という方もおいでになった。 そして、こうしている間にも環境アセスは進んでいる。予断を許せぬ状況に変わりはない。次なるアクションを企てなければ…。 尚、連絡先をいただいた皆さんには既に呼びかけをし、近日、作戦会議を行うことになりました。改めましてネットワークへのご協力を今後ともよろしくお願い致します。


裏磐梯蛇平周辺の自然観察会報告(2010年8月/87/9〜10頁)

実施日 平成22年6月13日 9:00〜11:40、  天気 晴れ、  参加者 7名

報告者 猪狩資子

初めて「やえはくさんしゃくなげ」に報告させていただきます。福島市在住の猪狩資子(指導員NO.21531)と申します。よろしくお願い致します。 今回の観察会は知る人ぞ知る裏磐梯の蛇平地区。どのあたりかといいますと五色沼ビジタ−センタ−からグランデコスキ−場に向かう道沿いの周辺です。前日、今年度総会が開催されたリゾ−トイン「みちのく」出発です。クマやサルを考えるとちょっと一人では行けない場所ですのでたいへん楽しみにしておりました。さらにすばらしい諸先輩方の中に混ぜて頂き、たいへん勉強になりました。本当にありがとうございました。そして、予想に違わず「すごい!」連発。自然いっぱいのところで、つい嬉しくてうるさかったと帰ってきて反省しております。静かな観察会を理想としているのですが私には難しいですね。以下観察したいろいろを記録してご報告といたします。

【植物】
ケナシヤブデマリ(花盛り)・タニウツギ(花盛り)・フジ(左まき右まきの話題で難しかったが花の回廊の中を香りに包まれながら歩く)・ヒレハリソウ(別名コンフリ−・花盛りできれいだがかなり広がっていて早く駆除した方が良い。最近食用にはならないことが判明したとのこと)・ヤナギの柳じょ(綿毛がホワホワフワフワ)・ヒョウタンボク(毒のわりには繊細な花)・カンボク(咲き始め)・キンポウゲ(見事な群生)・アヤメ・ノビネチドリ(来年もそこに居て欲しい)・ツルウメモドキ(オニツルウメモドキかな)・フランスギク(道沿いどこでも観られるが駆除した方が良い)・カラコギカエデ(花がかわいい、去年の種もついている)・ムラサキサギゴケ・ハナニガナ・ヒメヘビイチゴ・マイズルソウ・ヤグルマソウ(蕾)・ノイバラ(青い実)・ベニバナイチヤクソウ(花見頃)・キブシ(青い実)・モミジイチゴ(まだまだ食べられない)・フタリシズカ・オオバタネツケバナ・ミミナグサ・イワニガナ・ミズキ・エンレイソウ(実)ヤブニンジン(実)・シャク(花実)・セントウソウ(実)・ヨツバヒヨドリ(まだまだ蕾)・アキグミ(花)・ギンリョウソウ・ムラサキケマン(花実)・キュウリグサ・ムシトリナデシコ(逸出)。

【生き物】
サルよけイヌ(吠えられた!)・サル食痕(新しく出た笹の下の部分だけ座り込んで食べていたと思われる跡・ヤマユリ根を掘り返して食べたと思われる跡・オオウバユリも抜いていたけどこれは人間?)・サル糞・アオダイショウ死体(どこもつぶれてないのでロ−ドキルではなさそう)・タゴガエル鳴き声・リスのクルミの食痕と泥の上に今朝降りたばっかりのような足跡くっきり(感激!) クロサンショウウオ(エラがキュ−トな幼生)・トビケラ3種(顔が覗いてかわいいムラサキトビケラ・ミノムシ様の巣に住んでるトビケラ・細めの木の皮の巣に住んでるトビケラ)・カゲロウのなかま(モンカゲロウ?)・ヘリカメムシ・エゾハルゼミ鳴き声たくさんと生体と死体(冬虫夏草だと嬉しいなあ…)・クロスジヘビトンボのなかま(久々に観たりっぱな成虫)・カラスヨトウガのなかま幼虫・スキバホウジャクのなかま交尾中・イタドリハムシ・カラコギカエデの葉を厳重にまいた誰か?(解体したけどみつからなかったがカエデ科が好きなイタヤハマキチョッキリかな)・ブドウスズメ(死んでいたのか?)・ムカシヤンマ。

【生き物(鳥)】 ※Vは姿、Sはさえずり
ホオジロv・スズメv・ハチクマらしい(高くてよく解らなかった)v・キセキレイv・ヒヨドリv・サンショウクイs・キビタキs・シジュウカラv・モズv・ヤブサメs・ハシボソガラス。


外来生物の防除対策について(2010年4月/85/8〜9頁)

横田清美

1、福島県特定外来生物に関する検討会が発足
2月16日、県主催による第一回福島県特定外来生物に関する検討会が開催され、県内で生態系等への被害が急速に増大する恐れがある外来生物の現状などについて話し合われた。委員は佐藤達雄県自然保護課長(座長)、福島大の木村吉幸教授と黒澤高秀准教授、奥羽大の伊原禎雄助教授、県植物研究会の湯澤陽一会長、NPO法人わかば自然楽校の五十嵐悟事務局長、県自然保護協会理事の横田清美の七名。 県は最近特に問題視されている6種(ミンク、アライグマ、オオキンケイギク、オオハンゴンソウ、ナルトサワギク、アレチウリ)を当面の防除対策検討対応種とし、必要に応じてその他の特定外来生物も検討したいという案を示した。これに対し私と黒澤委員は、本県では特定外来生物以外の外来生物(たとえばミシシッピーアカミミガメ、ハリエンジュ、コカナダモなど)も生態系等に大きな影響を与えていることから、検討対応種を特定外来生物に限定しないでほしいと要求したが、対象を絞りたいという県の意向が強く却下された。しかしながら、対象種の駆除作業中に他の侵略的な外来生物が見つかった場合は、可能な限りにおいて同時に駆除していくべきだという考え方で一致した。なお、ブラックバスやブルーギル等については国土交通省が同様の検討会を行っているので対象外とされた。 県による資料説明や委員らの質問等によって会議が長引き、検討会の主要テーマである対象種6種の防除対策の実施方法については話し合う時間がなかった。具体的な検討は次回の会議(5月頃に予定)に持ち越された。

2、防除対策の実施方法に対する私の考え
(1)ミンク、アライグマについて
分布が拡がってしまうと根絶が難しく、また掛かる費用や労力が大きいことから早期に防除すべきである。 ところが、本県ではこれらの動物を目撃した際の通報先が不明確であり、防除体制も整っていない。したがって、通報連絡体制の明確化と防除組織の編成が急務である。また、捕獲の方法、捕獲わなの選定や調達方法、防除費用の負担先、捕獲個体の処分方法、県境や市町村境で発見された場合の管轄の所在、県への報告義務などを明確にした方がよい。捕獲した個体は安楽死させ、できれば解剖して胃の内容物を調べ、その結果を県の検討会で報告して事業の検証に活かしてほしい。 同時に、県民に情報提供を呼び掛ける必要がある。リーフレット等を作って呼び掛ける場合は、駆除の必要性、見分け方、通報先あるいは駆除方法を盛り込むべきだ。
(2)オオキンケイギク、オオハンゴンソウ、ナルトサワギク、アレチウリについて
駆除作業を行う場合、他人の土地に勝手に入って駆除することは出来ない。法務局 で登記簿を調べるなどして土地所有者を確認し、駆除の必要性を土地所有者に説明し、了解を得る必要がある。これは大変な手間であり、ボランティア活動で対応するのは困難だ。現行法(外来生物法)では防除活動に限界がある。 よって、自分の土地に存在する特定外来生物は自分で駆除する体制を整える必要がある。そのためには特定外来生物の駆除の必要性、見分け方、駆除方法を分かりやすく紹介したリーフレット等を作成し、県民に広く配布して周知・啓蒙を図ることが重要になってくる。自分の土地で駆除する場合は、種子ができる前に抜き取りまたは刈り取りを行い、枯れる状態にしてその場に放置する。なお、生えなくなるまで数年間駆除を続けることが重要だ。 県民の自主的な駆除活動にだけ頼るのは心もとない。そこで、県が「外来生物駆除指導員(仮称)」なるものを養成し、県民の指導にあたらせたらどうか。福島県野生動植物アドバイザーや同サポーターなどを活用して指導員に任命し、腕章を渡してパトロールおよび駆除指導を行ってもらえば、県民の自主的な駆除活動に弾みがつくのではないか。 公有地の場合は、管理者が率先して防除を行い、県民に模範を示してほしい。

3、防除にあたっての留意点
(1)オオキンケイギク
本県では本種よりも品種改良された八重咲きのものの方がより多く野生化し、侵略性も強い。よって八重咲きの個体も同時に駆除すべきである。
(2)オオハンゴンソウ
オオハンゴンソウの根張りは強靭で、花茎を持たない若葉(高さ50cm以下)は、引き抜こうとしても根元付近で切れてしまう。花茎を持った50cm〜1mのものは比較的抜き取りやすいですが、それ以上成長すると大きな力が必要となり、2m近いものは大人の力でもなかなか抜けない。抜き取りが出来ない場合は刈り取りにする。 なお、磐梯朝日国立公園特別保護地区の裏磐梯五色沼では、土壌をかく乱するのはよくないとのことから刈り取りを採用している。
(3)アレチウリ
 花にスズメバチ類がよく集まるので、花が咲く前に駆除した方がよい。花期に駆除せざるを得ない場合は、スズメバチ類に十分気をつけなければならない。

4、その他の外来生物について
防除対策検討対応種の駆除作業中に他の侵略的な外来生物が見つかった場合は、可能な限りにおいて同時に駆除していくべきである。よって、駆除作業の従事者には侵略的な外来生物の見分け方と駆除方法を盛り込んだ資料を配布すべきである。特に本県で駆除すべき外来生物は、防除対策検討対応種に選ばれなかった特定外来生物と、環境省の要注意外来生物リストに入っているハリエンジュ(ニセアカシア)、イタチハギ、オオブタクサ、キクイモ、セイタカアワダチソウ、シナダレスズメガヤ、コカナダモ、ホテイアオイ、オランダガラシ(クレソン)、ミシシッピーアカミミガメ(通称ミドリガメ)、アメリカザリガニなどである。


風力発電 エコ? エゴ?(2010年4月/85/3〜5頁)

背あぶり山の風力発電を考えるネットワーク
福島県自然保護協会・自然観察指導員 片山紀彦

 会津若松市中心部の東側に、林野庁により会津東山休養林に設定された「背あぶり山(標高834.9m)」があります。  山頂周辺には都市公園として設置された背炙山公園があり、山稜部は数万本といわれるヤマツツジやアカマツなどに覆われ、公園内の背炙山公園野草ゾーン(0.3ha)には約200種の山野草が自生し、公園内の山頂付近や沢沿いの遊歩道周辺ではカタクリ、ショウジョウバカマ、ニリンソウ、ヤマエンゴサク、チゴユリ、キバナイカリソウ、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、ヒトリシズカ、フタリシズカ、サイハイラン等のお馴染みの山野草のほか絶滅危惧種のオキナグサも確認されています。  また、背あぶり山の猪苗代湖側は太平洋気候、会津若松側は日本海気候の影響を受ける関係もあり、変化に富んだ植生を楽しむ事が出来ます。  それに伴い野鳥、野生動物、昆虫も数多く生息し、希少種も確認されています。  また、公園からの眺望も素晴らしく、夏には市主催による星空の観察会が行われるなど市民の憩いの場として親しまれています。
 その「背あぶり山」に会報”2009-12”での報告やホームページでもご紹介のあった「エコ」の大義名分を盾にした風力発電事業が計画され、建設へと向け事態が着々と進行しています。  建設規模は2000kwの風車10基。場所は背あぶり山山頂の付近(地図a参照)で緑の回廊に指定された国有林の中に孤島のようにある民有地です。  事業が始まれば当然、周辺の生態系に及ぼす影響は大きいと思われます。  事業主は累積赤字を抱え先日、コスモ石油に1円で買収された(株)エコ・パワー。

 さて、それらの事を知ったからにはNACS-Jの会員、福島県自然保護協会の会員としてボーッと指を咥えているワケには参りません。  他の環境保護団体を組織する友人らと昨年末より協議を重ね、少し、遅まきながらではありますが、本年になり「背あぶり山の風力発電を考えるネットワーク」を立ち上げ、先ずは会津若松市長に意見書(要望書)を提出し「大規模風力発電はイラナイ !」のノロシを挙げる事になりました。  しかし、地元でも、まだまだ認知度やチカラのない我々です。そこで、協会にご協力の要請を致しましたところ、連名署名を快諾いただきました。  そのお知らせを含め、過日、会津若松市長に面談し、諸団体連名で提出した要望書の要旨と活動内容を下記、報告させていただきます。
 さて、提出した要望書の要旨は「地球環境、人類の未来を考える上で、ソフトエネルギーの推進は大切だと思うが「風力発電」事業については大規模な自然破壊、環境破壊だけでなく各地で低周波公害などの健康被害や事故なども多発し問題となっている。  ついては「背あぶり山」に予定されている風力発電事業(会津若松ウィンドファーム)の事業の見直しを切望する。  尚、万が一、事故による人的被害や近隣住民への健康被害などが発生した場合、建設許可を下した市の最高責任者として、どのような対処を考えているか」という内容で、新聞記事や事故の写真を中心に編集した資料によって詳細説明を加えました。  それに対し、額にシワを寄せながら、真剣な表情で語った市長の答弁は概ね「このような事実はまったく知らなかった。更に慎重に事業を進めるよう事業者に指導する」といった内容でした。  これだけの大事業。市の首長として、現状把握と積極的な情報収集が必要かと思うのですが…。そして、現在進められている環境アセスの方法書に対して、県知事から提出された意見書の内容についても、どうやらご存じのない様子です。  尚、「万が一、事故による人的被害や近隣住民への健康被害などが発生した場合、建設許可を下した市の最高責任者として、どのような対処を考えているか」という事を口頭で質問したところ、表情が一転。  「許可を与えるが、事業に対する責任は総て事業者にある。市には一切無い。だから、責任など取るつもりは一切無い !」と語気を荒げて言い切りました。

 環境影響評価の中には「市町村長意見」の提出が盛り込まれていますが、そこに責任は生じないのでしょうか ?   また、若松市2月議会の市長施政方針演説には「一人一人の市民が〜安心して元気に暮らせる〜」という下りがありますが、風力発電に、それは該当しないのでしょうか ?   さて、皮肉はさておき、自然界の沢山の命、そして人命をも犠牲にし、我々の税金を湯水のように使い、日本各地で増設が進む風力発電事業。  今、その詐欺商法まがいの実態とボロが見え始め、全国各地で住民の反対の声が確実に高まりつつあります。  大型風力発電事業は果たして「エコ・パワー」なのでしょうか ? どうも「エコ」の「コ」の字に濁点が付いたパワーのような気がしてなりません。  我がNACS-Jも公的に指摘をしているように不備な点の多い環境影響評価。
 その環境影響評価を「錦の御旗」に、自分たちの利益だけを追い求める「ある人たち」が会津若松の背あぶり山に再び深い傷を負わせようと爪を磨いでいます。


国立公園特別保護地区(2010年4月/85/2頁)

星 一彰

 1980年代、日光国立公園(現尾瀬国立公園)の特別保護地区尾瀬沼に、帰化水生植物の沈水植物コカナダモが大繁殖した。ボランティア活動による駆除作戦を計画したが、環境庁(現環境省)から不許可の書類を受け取った。特別保護地区は手を加えてはいけない。計画は単なるデモンストレーションに過ぎないとのこと。そして、他地区で駆除による効果を調査してから再度許可を申し込むようにとのことだった。裏磐梯のジュンサイ栽培池での駆除効果を調査し再度申し込んだが、関係者が転勤ということで取り合ってもらえなかった。
 2008年、裏磐梯地区でオオハンゴンソウが大繁茂、特に特別保護地区内に多く分布するようになったので、駆除願書を提出、許可書を受け取った。許可者は尾瀬沼の不許可の時と同人であった。順応的管理、対応と説明すればよいのかも知れないが、新たな問題が発生しつつある。
 景観整備と称して、林野庁が国有林内で、多くの森林を合法的に伐採を開始、地球温暖化防止、生物多様性保護に反する結果となっている。この考え方が裏磐梯五色沼で表面化、遊歩道から景観が見にくいという理由から、民間テレビ局(全国)や県議会代表質問などにより、五色沼自然探勝路歩道管理検討会が開催されるに至った。多数決は民主主義の原則ではあるが、この検討会によって国立公園特別保護地区の自然保護に関し、大きな問題が発生しつつある。異なった意見も尊重する真の民主主義が定着することを望みたい。
 特別保護地区は、自然遷移について学ぶ(環境教育)最適の場所とされてきたが、樹木の伐採、枝打ち、湖沼のヨシ群落の刈り取りや折り倒しなどが試験的に実施され、モニタリング調査が実施された。
 特に悪影響が現れたのは、ヨシ群落に手を加えた場合であり、風致上違和感が残り、小動植物の生息、生育にも影響、また踏み込みによる裸地化、刈り取り時の濁水発生など認められた。踏み込みによる裸地化した場所の緑の復元は、過去に竜沼など中心に、県協会が、長年月にわたり労力を提供、ボランティア活動を実施してきた歴史がある。
 本年度開催された第4回検討会で、ヨシ群落に手を加えることに反対したが同意が得られず、本年度も一部折り倒しを実施、モニタリング調査を実施することになった。順応的管理により、早くヨシ群落の現状維持を望みたい。望ましい環境教育の場として活用し続けたい。
 特別保護地区の望ましい保護策について、環境省内部でディスカッションが早急に実施されるよう切望する。


「よろしくお願いします」(2009年12月/83/8〜9頁)

片山紀彦

 去る9月26日から28日にかけて群馬県水上の千葉市高原千葉村で行われた第433回NACS-J自然観察指導員講習会を受講し、お陰様で…と申しますか、遅まきながら指導員の認定をいただきました、会津美里町在住の片山紀彦と申します。52歳、生業は和太鼓の皮張りをしています。

 実は今、少し困っています。帰宅以来、約1ケ月経った今も、なんだか仕事も手に着かない感じで、気がつくと家の庭やすぐ近くの森に潜り込んではニヤニヤしています。そして研修で教えていただいたコトばかり考えています。
 それから後悔しています。と言っても、勿論「受講をしたこと」ではありません。「何故、もっと若いときにNACS-Jに巡り会えなかったのだろう」ということを後悔しているのです。
 これは、我が身の事ながら、かなり重傷だと思います。はっきり言ってNACS-Jに惚れてしまいました。「老いらくの恋はタチが悪い」と聞きますが…いやあ、参りました。
 とにかく質が高く、研ぎ澄まされ吟味された素晴らしいカリキュラムとノウハウ、そして協会の自然保護に対するスタンスには只々感服です。
 以前よりもっと自然が身近に感じられるようになりました。と同時に「人」という生き物が好きになりました。
 お恥ずかしい話、1980年代の初めに脱原発のムーブメントに関わって以来。知らず知らずのウチに、そして意識しないウチに、地球環境破壊の諸悪の根源は「人間の存在だ」と思い込んでいたようです。地球の癌細胞であると思い込んでいたようです。いや、今なお、ワタシを含め、それはある意味事実だと思います。
 しかし、今回の研修で出会ったNACS-Jの皆さんが、その思い込みを払拭して下さいました。
 人もまたその特性…「知恵」を方向性さえ間違えず、上手にコントロール出来れば「人もまた地球生態系には不可欠な生き物たりえる」のですね。かつて、この森と川と海と共に生きていた昔人のように…。

 ところで帰路、腕章をつけたまま車を走らせたのですが、途中、足尾から日光へ向かう峠道で、ヒッチハイクで日本を一周している沖縄の若者に出会いました。自分探しと、ある出来事で傷ついたプライドを回復させるための旅のようでした。
 日光に行きたいということでピックアップしましたが、途中で腕章に気がついてくれたので、車を止め、道脇の雑木林で自然観察会をやってしまいました。
 沖縄を今まで出たことがないというコトで「落葉広葉樹」を見るのは初めてとか…「日本も広いのだなあ」というコトを僕も改めて教わりました。
 この若者といい3日間。久々にまっすぐな心と人としてのプライドを大切にするNACS-Jの若い方々や、この若者に出会うことができ、本当に素晴らしい3日間でした。そして、かけがえのない思い出をいただきました。

 私事になりますが、研修後、10月4日には会津若松市東山で行われた里山保全の草刈りに参加、17日には猪苗代でカラマツの線香林の間伐。
 24日には小さな規模ですが、在籍している自然学校と他団体共同作業による地元美里町の造林地を混交林にするための間伐、除伐があり、11月3日には地元会津美里町の蓋沼森林公園で観察会を企画、11月8日には同公園内のナラ枯れ樹木伐採地でコナラ、クヌギなど広葉樹の植樹会も企画しています。
 今、それらの関わりが研修前の心持ちよりも、ずっと楽しくなりました。学ばせていただいたコトを大切に、これからの地元での活動に生かさせていただきます。
 ほんとうにありがとうございました。福島会員の皆様、尚、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 2009/10/21  指導員NO. 24720 片山紀彦


里山の自然観察会報告(2009年8月/81/8〜9頁)

<実施日;平成21年6月14日>文責:小林淳雄

 以前私は当会員のSさんの雑木林で、観察会を行う機会がありました。その時、目の前にある雑木林がどのように手入れされて来たかを知ることが出来て、大変感銘を覚えました。そこで今回の観察会は、里山の雑木林の管理や履歴、自然農の実体験に基づいた知見を切り口に行ってみたいと思いました。本来であれば、今回ご参加下さった方々の感想をお聞かせいただくところですが、なぜか?私が報告させて頂くことになりました。
 以下3ヶ所で観察会を行い、主だった事柄をまとめました。
1.阿武隈川とその支流のひとつ鯉川の合流点周辺ので観察会
 総会翌日の早朝に、新しく出来た阿武隈川の堤防の上を歩いてみました。大規模な河川堤防建設の完成された景観を前にすると、地域住民の生命と財産を守るためとはいえ、ここまで自然を壊す事が必要なのかと複雑な気持ちになりました。鯉川合流点では、水面近くまで降りてみて、初めて石積み構造物による段差形成が、あることに気づきました。この段差が本流と支流の間の自然な魚類の行き来を困難にしている可能性があると思われました。
2.Sさんの雑木林での観察会
(1)キツネの巣穴
 初めてこの雑木林を訪れた時、道にゴミ(軍手、テニスボールなど)が転々と落ちているのを見て、こんな所でもポイ捨てが行われているのかと残念に思いました。しかしその後、人の近づけない様な急な斜面にある幾つもの穴の周りにも同様のゴミが散乱していることに気づきました。Sさんに聞いたところ、ゴミをくわえたキツネを目撃した近隣住民があるとのことでした。そこで、キツネの生態について文献を調べて見ると、子育て中のキツネは子どものおもちゃにサンダルや空き缶、ボールなどをくわえて巣穴に運ぶとありました。(文献1)そのため、これらの穴はキツネの巣穴と思われました。
(2)雑木林の管理履歴からの知見
 Sさんの雑木林の管理において、次の様な事柄が判りました。
 @定期的な間伐が困難になると、クリの木がコナラやヤマザクラに負けてしまうこと。
 A間伐して15年ほどで、再び炭焼きが可能な大きさの木に回復すること。
 B炭焼き窯のドーム状の天蓋が崩壊すると、地面に大きな窪地が作られること。
(3)雑木林から造成された工業団地用地の植生変遷
 (雑木林の一角にある見晴らしの良い丘からの観察)
 以前Sさんが所有していた雑木林と谷津田が埋め立てられて出来た造成地では、工場が誘致されず、放置されるとススキ、クズ、ヤナギ類やニセアカシアの林の順にに変遷してきたことを教えてもらいました。
3.自然農のたんぼ(不耕起田)での観察会
 不耕起田に用いる肥料は、通常、畦に生える雑草を刈り取って用いるそうです。Sさんは以前、一枚の田んぼだけに肥料の雑草だけでなく稲藁を加えた事があるそうです。すると周囲の不耕起田に比べて、ミジンコの発生量が多くなり、それに伴いオタマジャクシも増え、結果的にカエルが増えたことがあったそうです。これをお聞きになった星会長の談話によれば、水田の害虫防御にとても良いとのことでした。さらにカエルが増えたことにより、ヘビも増え、草刈の際に犠牲になるヘビが増えたことはSさんにとって心の痛むことだったそうです。

               引用文献

 文献1:「動物の足跡学入門」熊谷さとし著 技術評論社刊 平成20年8月発行。キツネの巣穴を見つける。P.141-142.


白山沼の保全について(2009年8月/81/1〜2頁)

横田清美

藻が異常発生したイトヨ生息地の白山沼
 イトヨ生息地の白山沼(会津若松市北会津町)で、最近、藻が異常発生していることが分かった。とろろ昆布状の藻が沈水植物に大量に絡みつき、水面には汚泥のようなものが浮くようになった。白山沼は水田の基盤整備(昭和38年〜58年)以降に湧水量が激減、近年行われた水環境整備事業後は湧水がほとんどない状態になり、現在は地下水をポンプアップして沼に流している。
 白山沼水利組合の目黒康一さんによると、9月中旬ごろから翌年4月ごろにかけて沼に流入する水量を減らしている(地下水ポンプアップの電気料が高額なため)ので、沼の生態系に悪影響を与えているかも知れないという。また、冬期間に多数飛来するようになったカモ類の排泄物が沼の水質を悪化させている可能性もあるという。
イトヨ生息地に赤信号
 白山沼で異常発生した藻は、水草(沈水植物)を包み隠すように絡み付き、水草が枯れそうに見えた。水草はイトヨ(県の絶滅危惧U類)の巣材・隠れ場・餌場等に利用されており、水草が枯れればイトヨの生息が危うくなる。
 藻の種類は今のところ不明だが、藻は日当たりのよい場所に大量に発生していた。逆に木陰になっている場所ではあまり藻が発生していなかった。
 このことから、藻の発生原因の一つに「日照のよさ」があるように思う。
現時点で考えられる対策
 白山沼のほとりには大木が少なく、水面に木陰がほとんどない状態だ。沼に日陰を増やせば藻の発生をある程度抑えられるかも知れない。昔と比較して沼のほとりに大木が少なくなっているのであれば、樹木を育てる対策が考えられる。
 応急措置として、手作業による藻の除去も考えられるが、藻が水草にしっかり絡み付いている場合は、藻を除去する際に水草も傷つけてしまう恐れがある。
 カワニナやタニシなどの巻貝類、ヌカエビ、ヨコエビなどの水生動物は藻類を食べる。昔と比較してこれらの生き物が少なくなっているのであれば、それらの生き物を増やし、藻を食べさせて減らす対策も考えられる(生き物を移入する場合は遺伝子のかく乱を引き起こさない注意が必要)。
環境の変化も原因か
 白山沼は基盤整備や公園整備など過去に幾多の人為的影響を受け、昔と比べて環境が大きく変化している。湧水がほとんどなくなり、地下水に頼るようになったために、9月中旬ごろから約半年間は流入水量が激減する点も問題だ。水量を一年中一定に保てないのであれば、将来的には沼の容積を縮小することも検討すべきかもしれない。カモの糞の影響については今度の冬に調べてみたい。
保全策を探ろう
 沼に生育・生息する水生生物の種類や数が、昔と今でどう変化したかを調べることも大切で、良好だった昔の自然・生物相に近づける努力をする際に重要な判断材料になる。
 藻の種類や性質を調べ、その藻がなぜ増えているかをつきとめることも重要だが、県協会は藻の専門家がいないので、生態学的な見地と自然保護の立場から沼の保全策を提案していきたい。当面は手探り状態だが、沼の自然観察や生物調査を継続的に行い、原因を解明できればと思っている。なお、9月13日(日)に白山沼水利組合の協力を得ながら「白山沼の生物調査会」を行う予定です。


ツキノワグマ保護管理計画案に対する考え方(2009年4月/79/6頁)

横田清美

 2月12日、福島県ツキノワグマ保護管理計画の策定に係る公聴会が福島市で行われました。星会長の代理で公述してきたので報告します。
 策定に対する賛否については、県協会は「どちらともいえない」という立場を表明しました。理由は「クマの長期にわたる安定的な保護を図る」という策定の目的には賛成するが、目的達成に向けた施策が不十分である点で反対としたため。
 管理計画案(以下「案という」)の骨子は、「クマの生息ゾーン」、「人の生活ゾーン」及びそれらの間の「緩衝地帯」の設定(ゾーニング)を行い、各ゾーン毎に効果的な対策を検討するというものです。
 案では「クマの生息ゾーン」で「鳥獣保護区等の生息環境を保全する」としていますが、すでに保護されている区域に重点を置いて保全してもあまり意味がありません。今、民有林の落葉広葉樹林(特にブナ・ミズナラ林)で皆伐方式による大面積伐採や林道開発が盛んに行われており、クマの生息環境が質的に後退しています。
File0226.jpg File0227.jpg
  ▲皆伐方式によるブナ林伐採現場(2008年5月、喜多方市、飯豊・檜枝岐線山都区間沿い)

 皆伐すると、芽生えが一斉に始まり、モヤシ状の貧弱な木を密生させます。葉を少数しか付けられない樹木は、栄養不足で木の実があまりできません。こうした状況は高木林に育ってからも長年続きます。県もクマの生息環境の質が後退していることを認識しています。よって、(すでに保護されている場所の保全ではなく)大面積の森林伐採や林道開発など生息地破壊につながる行為を監視して未然に防ぐことが必要です。たとえば、森林の皆伐面積の限度の見直しや大規模林道工事の中止なども検討すべきだと提案しました。
File0222.jpg
  ▲皆伐すると…                  ▲一斉に芽生える              ▲実りの少ない林になる

File0223.jpg
  ▲抜き切りにすると…              ▲階層構造の林になる            ▲餌木は確保される

 また、過剰な山菜取り(特に六月のジダケ取り)はクマの餌不足を引き起こし、人間の過剰な入山はクマを山から追い出す要因になっています。山菜取りの場所を制限し、入山者数を適正に管理すべきだと提案しました。
 「緩衝地帯」では「誘引物の管理や刈払いによる見通し確保等を行う」という案になっていますが、雑木林には誘引物(クマの餌)が多数存在しており、管理(取り除き等)には限界があります。誘引物を徹底的に取り除こうとすれば自然破壊につながりかねません。また、刈払いをして見通しをよくしても、「緩衝地帯」に隣接する「人の生活ゾーン」に誘引物があれば、クマは見通しの良し悪しに関係なく人里に下りてきます。残念ですが、刈払いをしても効果はあまり期待できません。
File0224.jpg File0225.jpg
▲過剰なジダケ取りは餌不足を引き起こす。  ▲餌が不足すると見通しのよい所にも現れる。

 県協会は「緩衝地帯での追い上げ」と「(もし農地があれば)クマが好まない農作物への転換」を提案しました。
 「人の生活ゾーン」では「追い上げ(追い払い)や有害鳥獣駆除を行う」という案になっていますが、民家近くにクマが現れたら追い払うのは当前でしょう。それよりも、追い上げは前述したように緩衝地帯で行うべきでないかと思います。
 また、県協会は「緩衝地帯」に隣接する「人の生活ゾーン」においても、農作物被害等があれば、誘引物の管理やクマが好まない農作物への転換が必要だと考えます。しかし、最も重要なのはクマの生息環境をこれ以上壊さないことだと思います。
 大体このような意見を述べ、県協会の意見を案に取り入れてほしいと県に要望しました。会員の皆さんもいろいろな意見をお持ちだと思います。時間の関係で会員の意見を集約して公聴会に臨むことはできませんでした。クマの保護管理計画に対して違ったご意見や見方があればぜひ会報編集室にお寄せください。


田代山山頂部にトイレは必要か〜南会津町が田代山周辺整備を要望〜(2007年12月/71/4頁)

文責 横田清美

 10月17日、南会津町長と議会関係者らは、尾瀬国立公園に含まれた田代山周辺の整備を県に要望した。登山口近くへの自然環境学習施設の設置、田代山の国有林崩壊斜面の復旧と山頂部のトイレ整備について国への働き掛けを求めたほか、県道(栗山舘岩線)の整備促進も要望した。
 この件について、県協会の会長、理事、数名の会員から意見をうかがいました。主な意見は次の通りです。
 「安易にトイレを造って、確かに一登山者としては助かりますし便利ですが、山の場合、便利と言う事が反面自然を破壊する危険もはらんでいると言う事を認識すべきと思います。」
 「登山口にトイレを設置した方が、整備も維持管理もしやすいし、費用(税金)も大幅に減らせますし、田代山程度の登山なら山頂にトイレは必要ないと考えます。」
 「現実的に考えると南会津町長は、トイレを造った後の維持管理の費用等について全く考えていないのではないか。」
 「何らかの建築物を作ればその面積以上の何倍もの土地を整地伐採するようになるのではないでしょうか? 山も山頂も勿論、素敵でしたが、その入り口(猿倉登山口)の植生が豊かだったのでより素晴らしく感じられたのだと思います。ですから、あの登山口も出来るだけ植生を損なう事ないようにお願いしたいと思います。」
 「新公園化で保護よりも観光優先になりはしないか、それがとにかく気がかりです。」
 「登山口の自然学習施設は必要ないような気がします。 先ずハードありきではなく、ソフトの部分を地道に充実させてからでも遅くないように思います。施設が形骸化しないためにも、、。」
 「自然環境学習施設の設置は悪くは無いのでしょうが、地域起こしの一環なんでしょうか?」
 意見はすべて「山頂部トイレは整備しない方がよい」というものでした。また、登山口近くへの自然環境学習施設の設置は必要ないのではないかという意見も多くありました。
 県道(栗山舘岩線)の整備についても、立派な道路にすればオーバーユース(過剰利用)を引き起こす恐れがあり、注視していく必要があります。
 山頂部トイレの整備の必要性については、星一彰会長が委員を務める会津駒ヶ岳・田代山・帝釈山景観保全管理方針策定検討委員会で今後話し合われ、最終的な結論が下されるらしい。 星会長の手腕を期待したい。県協会は、安易に山頂部に施設を造るべきでないと考え、関係機関に訴えていくつもりです。皆さんはどうお考えでしょうか。ご意見があれば事務局にお寄せください。


外来種オオハンゴンソウが大繁殖〜裏磐梯の生態系に影響(2007年6月/68/8頁)

横田清美(福島県自然保護協会理事)

 磐梯朝日国立公園の裏磐梯地区で、北米原産の植物オオハンゴンソウが大繁殖し、生態系に影響を及ぼしていることが県自然保護協会の調べで分かった。
 特に特別保護地区の五色沼周辺で繁殖が著しく、オオハンゴンソウが林の中に進入して高密度に繁茂し、もともとあったオオウバユリやベニバナイチヤクソウなどの在来種を駆逐している。
 裏磐梯でオオハンゴンソウの存在が知られるようになったのは1980年代で、当時は毘沙門沼や国道459号沿いなどで数箇所の小群落が確認された程度だった(横田、1987)。少なくとも七年間は分布を広げることなく一定の場所で生育していたが、1994年ごろから路傍を中心に急速に分布を拡大し、1996年ごろからは林の中にも進出するようになった。1997年、県自然保護協会の横田は、アンケート調査に答える形で県にオオハンゴンソウの早期駆除を求めたが、県はこれを放置、その後急速に分布を拡大してしまった。数年前から五色沼では環境省のボランティアによる駆除活動が断片的に行われているが、減るどころか、返って繁殖の勢いが増している。林の中はやぶで歩きにくく、また特別保護地区であるために立ち入りが制限されている。今後さらに林の奥に進入すれば駆除作業はますます困難な状況になる。当協会は引き続き、国や県に対して本格的な駆除活動を実施するよう求めていくことにしている。
 オオハンゴンソウは徐々に県内各地に拡がりつつある。裏磐梯のように爆発的な繁殖が起こらない保証はない。官・学・民が力をあわせて早期に駆除すべきである。

※オオハンゴンソウはキク科の植物で、明治時代に観賞用として日本に持ち込まれた。高さ1m〜3m程度にまでなり、路傍、荒地、畑地、湿原、河川敷などに生育する。開花期は7〜10月。横に走る地下茎を伸ばして増える。現在はほぼ全国に広がり、北海道、福島県、長野県、岐阜県などでは大群落が見られる。日光国立公園の戦場ヶ原では在来種の湿原植物が駆逐されるため、毎年駆除しているが根絶は難しいとされている。国はオオハンゴンソウを特定外来生物に指定し、栽培、輸入、野外に植えるなどの行為を禁じた。これらに違反した場合、最高で個人の場合三年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金、法人の場合一億円以下の罰金が科される(外来生物法)。
引用文献;環境省ホームページ http://www.env.go.jp/nature/intro/(2007年5月)


郡山市立安積第二小学校の児童が県協会に寄付(2007年4月/67/10頁)

 郡山市三穂田町の安積第二小学校(本名恵子校長)の児童は2月14日、自然保護に役立ててもらうため福島県自然保護協会に7,645円を寄付した。贈呈式は安積第二小学校の校長室で行われ、児童を代表して古川貴規君が横田理事に寄付金を手渡した。
 寄付金は全校児童172名が集めた空き缶や古雑誌、古新聞、ダンボールなどの廃品を業者に売って得た収益金。総合学習などの時間に環境保護について学び、自分たちにできることがないか考えた末に廃品回収を思いついたという。集めた廃品はトラック1台分。廃品回収には児童の父兄や地域住民も多数協力してくれ、廃品を持って学校にわざわざ届けに来てくれた人もいたという。
 贈呈式に出席した六年生の児童八人は、一人一人自己紹介し、「森林保護や緑化に興味があるので役立ててほしい」などと話した。


日光国立公園尾瀬地区の単独化及び区域拡大に関する意見(2007年2月/66/4頁)

長沼勲(福島県自然保護協会理事)

日光国立公園尾瀬地区の単独かについては、ことさら反対する理由はない。しかし、区域拡大については、明確に反対する。
(区域拡大に反対する理由)
1、現在、環境省は国立公園の見直し作業を行っており、その先駆的取り組みとして日光国立公園地区(約2万5千ha)を「尾瀬国立公園」として分離独立させる手続きを進めている。しかし、「自然公園選定要領」第1要件では、単独の国立公園の選定条件として面積が原則として3万ha以上が必要であると規定されている。そこで、環境省は、昭和46年11月に開催された「自然公園審議会」において、会津駒ヶ岳・帝釈山・田代山地域を含む区域約1万haを「日光国立公園」に編入すべきであるとの答申を基に面積要件を満たそうとしている。
2、自然公園法に基づき、国立公園として拡大が予定されている会津駒ヶ岳・帝釈山・田代山地域は、原生的森林生態系を有し、貴重な野生動植物のかけがえのない生息場所としてきわめて重要な区域である。
3、しかし、自然公園法には森林生態系を厳格に保全する視点が致命的に欠如しており、むしろ人間が観光目的で利用することを積極的に是認している。「自然公園選定要領」第4要件(利用)には「自然公園候補地への到達の利便又はその収容力、利用の多様性若しくは特殊性よりみて多人数の利用に適していること」と規定されている。
4、すなわち、国立公園は保全と利用という相矛盾する要請をかかえている。特に尾瀬地域においては、拝金主義的な人々が多く関わっており、利用が最優先されることは火を見るよりも明らかである。現在まで良好に維持されてきた、会津駒ヶ岳・帝釈山・田代山地域の原生的森林生態系が国立公園に指定されることにより、多種多様な利用計画が立案され、無原則、無秩序に積極的利用が図られ壊滅的に破壊される恐れがある。
5、一方、林野庁はこの区域を「森林生態系保護地域」及び「緑の回廊」として人間の利用を制限し厳格に保護する政策を選択し手続きを進めている。
6、したがって、環境省及び林野庁の政策を比較した結果、「森林生態系保護地域」及び「緑の回廊」で保護する方が、この地域の原生的森林生態系を確実に次の世代に手渡すことができると確信する。
7、よって、会津駒ヶ岳・帝釈山・田代山地域を含む区域を国立公園に指定することは反対である。


福島県森林審議会を傍聴して(2007年2月/66/8〜9頁)

横田清美

平成18年12月21日に県庁で開催された福島県森林審議会(第2回)を傍聴した。県の森林計画案に対し、審議会委員の浅田正文さんから鋭い質問や提言が数多く出された。以下は浅田委員の意見の要旨です。
1.林道
(1)計画の見直しを
・幹線林道昭和区間についてはすでに林野庁長官が佐藤栄佐久前知事に対して中止の通達を出していると聞いています。また、計画が策定されてから30年経っています。そこで、林道計画について抜本的な見直しが必要と考えます。
・建設後の維持管理は自治体ですが、地方交付税は減額の度を増しています。そのため管理費の負担に耐えられない自治体が出てくることを容易に予想できます。自治体の財政状況が変わっています。
・林道に生活道の性格を持たせるなら幅員を7mから4mに変更して、工事費を削減し早期完成を目指すことが肝要と考えます。規格変更し早期完成に計画変更することが現実的であると考えます。
・木材搬出は幅員4mで十分。私の住む田村市都路では4mの林道を10t(?)トラックで搬出しています。すれ違いに問題がないわけではありませんが、頻度は非常に少ないです。
・30年間の間に得られた地質学、気象学、土木工学などの最新の技術知見を林道計画に反映させることにより、活断層、地震、山崩れ、雪崩、大雨、洪水等に対し、より一層的確な計画にすることができると考えます。
(2)観光目的なら別の評価視点を
・林道の目的のひとつに観光による交流人口増加などの地域振興が挙げられています。しかし、林道はあくまでも林業とその地域の人々の生活道であるとの原点に返って考えるべきです。
・その上で観光道が必要なら、林業とは切り離して別の評価尺度で判断するべきです。
・建設費の財源も異なってくるはずです。
・観光目的ならば、その評価尺度として例えば@費用対効果(含、草刈り・除雪・補修等の管理費)、A年間利用者数、冬季間の利用、B観光のポイント、Cオーバーユースによる自然への影響評価、D環境アセスメント等が必須になります。
(3)林道の規格
・幅員を7mから4mにすることにより多くの利点がもたらされます。例えば、@工事費が少ない、予算額が同額なら早期の完成が期待できる、A則面面積を小さくできる、環境への負荷が少なくなる等です。林道の規格の見直しを提案します。もちろん幅員減少の欠点もありますが、利点を活かす中で欠点を解消することを目指すのが現実的と考えます。
・U字溝は必要か。大雨が降った時の排水のために必要なのでしょうが、現実には数年も経つとU字溝が土砂、枯葉などで埋まり機能していません。そればかりか車の脱輪事故、小動物が落下することによるその生活圏の分断が生じています。排水溝が必須ならばU字溝ではなく例えばV字溝にするか、間伐材の利用を提案します。
・則面工事に金網使用禁止を。則面に樹木が根付いても金網のために太くなれません。
2.森林整備
(1)自然林整備の具体的な提案
  @生物多様性を高めるため、階層構造の林にする。
  A鳥獣や昆虫などの棲みかを確保するため、林内にやぶや枯れ木を適度に残す。
  B過度の環境改変を避けるため、伐採方法は抜き切り(すかし切り)を原則とする。
  C下刈りや除伐等を行う際は、幼木や若木を適度に残す。
  D外来種(外国または国内の他の地域から持ってきた植物)をむやみに植栽しない。
  (例)人工造林及び天然更新の対象樹種にエンジュがあります。人工林といえども野生化の危険性があるエンジュ
   を山の中に植えるのは危険です。もしハリエンジュ(環境省指定の要注意外来生物)を指しているなら大問題です。
(2)伐採面積
・会津を視察した際、赤錦沢地区の公社造林現場を見ることができ、ほぼ1haの面積を実感できました。都路では感じとしてこの2〜3倍もの面積が皆伐されている例があります。実際には20haもの皆伐はされていないとのことですが具体的な指針が必要と考えます。
・伐採面積は、保安林等制限林についてはその制限の範囲内としていますが皆伐面積に触れていません。一般的に水源涵養保安林では皆伐面積は10ha以内とされています(国有保安林の場合は5ha以内)が、生態系に悪影響を与えないことを前提とするならば皆伐は原則禁止、またはせいぜい2ha以内とすべきです。択伐の場合は、過去に行った30%択伐(特にブナ林伐採)が生態系に悪影響を与えていたケースが多かったと聞いています。20%以内とすべきです。
・水土保全林や森林と人との共生林に触れ、皆伐面積は20ha以下としています。このような大面積伐採を許したのでは、森との共生はおろか、良質の水の確保さえままなりません。生態系保護に配慮するのなら、たとえ普通林であっても皆伐は原則禁止または2ha以内とするのが望ましいです。択伐の場合は先程と同様に20%以内が望ましいです。
(3)コストアップに森林環境税で補填を
・今まで述べてきたことを実施すると、作業効率が低下することなどにより在来法に比較しコストアップになるかもしれません。そこで林業としての単独採算を求めるのではなく、国土保全・環境保護等森林の多面的機能を考えた費用補填は必須です。そこで、在来法と異なることによるコストアップは森林環境税を優先的に充てることを求めます。

以上の浅田委員の意見に対し、県が回答を述べた。県は弁解に終始し、審議会の意見を十分聞こうともせずに原案で問題なしと結論づけた。本計画をよりよいものにする絶好の機会だったが、県自らそれをつぶしてしまったことは大変残念だ。ところで、先見の明をもつ浅田委員が孤軍奮闘している様子は見ていて愉快だった。委員の今後の活躍に大いに期待したい。


安達太良山ペンキ問題:ルール作成へ、22日に合同現地調査(2006年10月/64/2頁)

毎日新聞9月13日朝刊より転載

 安達太良山の「表登山口」登山道の立ち木にペンキが塗られていた問題で、環境省は12日、県、周辺5市町村、
森林管理署に呼び掛け、二本松市役所で意見交換会を開いた=写真。環境省は「全国の28国立公園内で今回のよう
に大規模にペンキが塗られた報告はない」と説明。「ペンキの塗り方が行き過ぎだ」などの意見が出て、今後一定の
ルールを定めるため、22日にも合同現地調査を行うことで一致した。【福沢光一】
 この問題では、安達太良山表登山口から約5キロ先の登山道の立ち木56本に紅白ペンキが塗られているのを環境
省が確認したほか、石筵(いしむしろ)登山口の登山道でもブナ林約20本に集中的に赤ペンキが塗られているのが
発見された。いずれも登山者が道に迷わないように道しるべとして誰かが塗ったとみられている。
 会議では、環境省東北地方環境事務所(仙台市青葉区)が、安達太良山の樹木のように大規模にペンキが塗られた
報告はないことを明らかにし、同省裏磐梯自然保護官事務所からは「56本以外にも現場付近でペンキが塗られた石
118個が見つかっている」との報告もあった。
 ペンキを塗られた森林を管理する福島森林管理署(福島市)は「登山者の安全を確保するためにペンキを塗る考え
方と景観を優先する考え方の両方あると思うが、今回のペンキは少し行き過ぎている」と指摘した。
 一方、周辺自治体5市町村のうち、二本松市は「遭難対策のため、山頂付近の石には山開き前に毎年ペンキを塗っ
ている。ただ、樹木にペンキを塗ることはない」と説明。猪苗代町も岩場の石にペンキを塗っている。これに対し、
福島、郡山両市と大玉村はペンキを塗っておらず、対応に差があった。ペンキを塗られた樹木については、シンナー
で消す案も出されたが、樹木を傷めるという意見が大勢を占め、当面はそのままにしておく。各機関は22日にも合
同現地調査を行い、防止策の一定のルールを取りまとめる方針だ。

安達太良山登山道マーキングに係る現地合同調査会 参加報告(2006年10月/64/2〜5頁)

平成18年9月24日 福島県自然保護協会会員 渡辺 仁

平成18年9月22日(金)  天候・晴れ
8:30 安達太良スキー場レストハウス集合  自己紹介と簡単な経過説明。参加者は総数30名ほど。斉藤佑介自然保
   護官の先導のもと出発。ゴンドラリフトを利用して上部へ移動。仙女平分岐より仙女平へ向かう。
10:30 仙女平の分岐 樹木や石にペンキが塗られた状況を見る。ここでは意見交換はせず。来た道を引き返し山頂方
   面へ向かう
12:15 山頂直下に到着。山頂周辺は小学校(郡山市小山田)の集団登山の生徒たちが昼食をとっていたので、一段低
   い場所にて各自昼食。二本松市役所、あだたら山の会のメンバーと雑談する。
13:00 山頂からの稜線上にあるマーキングを見て歩く。船明神分岐では、「アタミ」と大きく書かれた赤いペンキの
   文字について、斉藤自然保護官との意見交換。
13:30 勢至平付近にあるオレンジ色のペンキのマーキングについて、多くの参加者が気になった様子。
15:15から16:45頃まで、安達太良スキー場レストハウス内にて意見交換会。

意見交換会で出された主な内容
斉藤自然保護官より、@見てきた状況についての意見・感想 Aそれをどうすれば良いか というふたつに分けて話
   し合いたいという説明。
あだたら山の会(3名): @仙女平の樹木へのマーキングは、基本的に不要のもの。岩の分も、すぐに転がるよう
   なものにもあり、これは不要。山頂の上の分については、安全上からすればやむを得ない。今年の山開き以降
   にされたオレンジ色のマーキングがあったが、これは許されないことだと思う。 A新聞の情報ほどはひどく
   ないという印象。マークの数はたしかに多いと思う。 樹木のものについては、やめたほうが良いと思う。 
   B 木につけられたペンキは、良くない。しかし、伐るわけにはならないので、風化を待つ。これからはやめ
   てもらう。 A あのままにしておくと、このくらいは許されると思われるので、隠すことも考えるべきでは
   ないか。
森林管理署(大玉) 数は多すぎると思う。間違いやすいガレ場は多くてもやむを得ないが、道がはっきりしている
   場所では多い。植物にマーキングされている分も植物がかわいそうである。
大玉村役場  @ 登山の初心者からの視点で言うと、石へのマーキングは、あのくらいあった方が安心できる。植
   物に塗ってあるのは良くないと思う。  A 思ったよりも目立たない感じだった。さほど違和感はなかった。
二本松市役所  (山頂付近のマーキングについて)ペンキをどのくらい使用しているかは不明。5・6人で一日仕
   事。山開きの前に、今まであった部分を塗りなおしている。
(一年に一回だとけっこう落ちるのか)  かなり薄くなってしまう。5月上旬に行う。雪渓で隠れている部分は、
   塗れない。
安達太良観光: (道がわからないというクレームはあるか) 例年、一回か二回は山頂付近で迷う事故がある。必
   要な部分ではある。
塩沢観光協会: 馬の背・牛の背(稜線)は、ガスと風が強いところで、マーキングの劣化も早い。ガスで自分の足
   元も見えなくなるときがある。最近の登山者の力量だと、観光客に毛がはえた程度の人まで山頂に行く。仙女
   平については、明らかにやりすぎ。樹木については論外。迷うような場所ではない。
猪苗代山岳会: 今回、登山者からマーキングについての連絡があったが、どこに言えばよいかわからなかった。樹
   木については同じ意見だが、岩についてはどこまでやってよいかわからない。登山者といえないような人まで
   対象にしてやるべきか、ある程度経験のある人を対象にすべきか、難しい。自然の中で、自分の能力を発揮し
   て山を楽しむものとしての登山が、最近は変わってきた。山の利用のあり方を考える必要もあるのでは。
(斉藤:自分の足が見えないほどの霧の時は、今のマーキングでも頼りないくらいか)
塩沢観光協会: 遭難もあったほどひどい状況になる。次のマーキングを探して歩く状況。
あだたら山の会: 山頂だけガスがひどい時もある。一時的に突然まかれることもある。小さな子供たちや初めて来
   た人にとっては、(たくさんあった方が)安心。
自然保護協会(渡辺): このような話し合いの場を持ったことにたいして感謝。マーキングについての感想は、こ
   れまで多くの方々の感想と同じである。山頂部分については、霧のひどさもわかるので、あのくらい必要だ。
   (その後、協会からの意見を発表した・別紙)
(斉藤:猪苗代町と二本松市の間で連絡は取り合うか)
猪苗代町: マーキングなどについて連絡を取り合うことは特にない。
 会津森林管理署: 誰がつけたかわからないマーキングがあるのは、危険もあるのではないか。関係機関の中で、マ
   ーキングする箇所を話し合って決めるということも必要ではないか。
渡辺 あの場所は国立公園の第二種特別地域だが、多くの人にそういう認識がかけているのではないか。特別地域と
   しての意味を伝えることも大事。
斉藤  環境省としては、ペンキを塗る行為については違法というわけではないという見解を出している。だからと
   いって、違法でなければ何でもいいというわけではもちろんなくて、国立公園としてあるべき姿 法律で縛ら
   れないからこそ、みなさんに集まっていただいて、犯人捜しではなくて今後どうやっていくかということを皆
   さんで考えて、このことについて他から言われても、我々はこう考えてやっている、横の連携を取りながらや
   っているといえるような方向に向けていくのが、今回集まっていただいた大きな理由です。
猪苗代山岳会  赤布の件。今年安達太良につけたものは、三ヶ月して脱色してわからなくなった。天候のせいもあ
   ると思うが、赤布そのものの質も考える必要があるのではないか。 つける場合にどういうものが良いかを考
   える必要もあるのでは。
あだたら山の会: ペンキと赤布で、赤布は可動的だが、ペンキは動かせないので意味として重いのでは。赤布は誰
   がつけているかわかなないものもある。
郡山市: 石筵については、観光物産課と石筵行政センターで印をつけている。石につけるか布を使うようにしてい
   るが、場所によっては樹木につけている場所もある。
(マーキングの規模は)これまであった場所にマーキングしていくという形。樹木についても同様。
(残雪期にも登る人がいるからか) 山開きの頃に残雪が多い。どこがわかりにくいという情報があると、増やすこ
   とになる。
(登る人は、専門的に登る人か) 専門的な人は考えていない。トレッキング(軽登山)として登る人の方が多い。
   和尚山の整備は、ある団体から、「ルートがあるのになぜ整備しないのか」という意見があり、それからはじ
   まった。
(石筵から登るとき雪がなくてもマーキングは必要か) 場所による。原則必要。
(郡山市のように、木以外は難しいという場所はあるか)
大玉村  残雪が多くてわかりにくいときには、シノ竹をつかってマーキングしている。
(二本松市も同様)
(道標の上に布がついているのは、二本松市か)
あだたら山の会  あれはあだたら山の会。道標の上は、冬でも埋まらないことが多いので、目印になるのではない
   かと思ってやってみた。
猪苗代山岳会  残雪期は立ち木のマーキングが安心できる。残雪期は、夏道を歩いている自信がないので、マーキ
   ングをしない。道標も埋まることもあるわけで、どう安全を確保するかという問題はある。夏と冬ではルート
   が全然違うところもある。
(山開き前というのは、自己責任という意味合いか)
猪苗代  明確な区分はない。登山者の意識としては違うかもしれない。
(今あるものをどうするか。はがすとか伐るとか。模倣する人がでるかもしれないという意見も。)
会津森林管理署  誰が責任を持つのかが明確になっていないなかでは対処は難しい。
あだたら山の会  表登山道は、あまり登山者がはいらない。他の人に影響を与えることは少ないのではないか。こ
   のまま様子を見たほうが良い。
大玉村 表登山道については、県外から来た人にとっては、はっきりした目印によって助かるという意見もあった。
   (昨日のこと)
会津森林管理署  立ち木にはダメということになったのか
斉藤森林保護官  決まってはいないが対処は考えたい。
大玉村  はがしたりして傷をつけると、また問題になるのではないか。
あだたら観光協会   安達太良連盟というのがあって、二本松市を中心に関係団体が組織している。その組織を活
   用してルールを整備すれば、自ずと答えは出てくるのではないか。今後どうマーキングするかを連盟の総会で
   考えればよいのではないか。既存の組織を活用すればよいのではないか。
(環境省は入っているか) 入っていない。森林管理署は入っている。
会津森林管理署  樹木の成長を考えても、とりあえずこのまま置いておいてもよいという意見が殆どだと思う。あ
   れを伐採しろとかいう人はいないと思う。
あだたら山の会: 今回のことで、これでいいと思われてしまうのも怖い。誤解のないような報道発表をする必要も
   あるのではないか。慎重に扱うべき。
会津森林管理署: 今後の進め方だが、「歩道管理者」を決めていただいて、管理者が決まればどこにマーカーが必
   要なのかが自ずと出てくると思う。管理者が各市町村からの意見を調整して、求められるあり方を決めればよ
   いのでは。各市町村さんも、ボランティアとしての意識が強いと思うので、どこまで責任を持てるかが明確で
   はない。管理者を決めていただきたい。
斉藤 来月の半ばあたりにもう一度集まりを持ちたい。
あだたら山の会  オレンジ色のマークがどこにあるかとか、どんな目的でつけているかが知りたいので、情報を集
   めて欲しい。これまで見たことのないものである。
話し合いの概要整理
   ・仙女平地域で、樹木につけられたマーキングについては、不要なものといえる。道形がはっきりしていて、
    迷う心配がない。
   ・仙女平の石についたものも、多いという意見が大半。浮石にまで塗ってあるのは、不必要。
   ・山頂付近(稜線)につけられたものは、気象条件の厳しさと登山者のレベルからすれば、必要なものである。
   ・登山者よりも、普通の観光客に近いような技術のない人たちも登るので、安全上からは多くのマーキングが
    必要とされる。
   ・誰がつけたかわからないマーキングについては問題がある。
   ・安達太良連盟などの既存の組織を活用して、マーキングの場所などを検討する。
   ・歩道管理者を決めて、そこを窓口として各機関の調整をする。
※協会として発表した意見
1 マーキングの際は景観や野生生物に十分配慮する。
2 マーキングの際は迷い安い場所に必要最小限行うようにする。(悪天候時に検証して。)
3 テンやオコジョなど石の上にマーキングする動物に配慮して、特に岩については極力最低限にする。できればペ
   ンキを直接自然物に塗るのではなく、取り外しが出来(ただし誰でもが簡単には外せないものを工夫する)、
   痛んだら交換可能なものにする。樹木の枝に用いるときには、昔ながらの赤い布などを用いる。
4 どうしても、ペンキを用いる場合には何らかの統一された記号や文字にする。道標やマーキングには、生物に有
   害な成分や匂いを含まないこと。


<投稿> 天神浜のJET乗り入れ問題(2006年8月/63/9頁)

福島県自然保護協会御中

福島県裏磐梯高原 ペンションのだポパイ オーナー 野田文武

 今天神浜では地域住民や利用者の意思とは関係なく、法律に守られながらJET(水上バイク)が走り回っています。以下文章はTIF(社団法人福島県観光連盟が運営するサイト)にニュースとして掲載した文章です。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 今猪苗代湖の天神浜、白鳥達の営巣地、アサザの群生地でJETが走り回ろうとしてます。
風光明媚”天をも映す”天鏡湖。水質bPのと言われてる猪苗代湖、その天神浜で某オートキャンプ場が、地域住民や同地区の先輩同業者からの「JETは×」との昔からの申入れを無視、秘密裏に県公安委員会にJETでの利用届を提出。その公安は全国でもこの小型動力付遊技船での事故やトラブルが多発している事を知りながら、その地域調査や住民や同種業者、「JETがいない浜」と利用している県内外からのお客様からの声を聞く様な事も全くなく、机上で審査し受理しました!!。この行為により、某キャンプ場業者は公衆の意志とは関係なく法律に守られ天神浜で堂々とJET業を営む事になりました。公の公ではなく個の公ですね。
 きっとこのままでは天神浜は猪苗代湖bPのJETの最適地となり、騒音とOILでまみれ、環境破壊や知らずに来客したヨットやウインドサーフィン、カヌー、遊泳者に不快感や危険を撒き散らし走り回るのは必然です。
全国の湖沼ではこう言った問題で話し合いよる棲み分けをしたり、厳しい所では「動力船禁止」となっています。猪苗代湖は昔から暗黙のルールですが、JETやウインド・カヌー・遊泳者の棲み分けが何となく出来ててそれを守って来たから事故やトラブルも少なく今日まで来ました。今迄「JETが嫌だっ、危ないっ」と天神浜に逃れた天神浜愛好家や地域住民の声はどうなってしまうのでしょうか?。 同一浜でのJETと遊泳は危険極まりなく、他浜にはJET、OKの浜が沢山あるにもかかわらず、何故その既存の浜で遊ばないのか、何故「JETは禁止」と知りながら、地域住民や多くの利用者を意志を無視し法律を縦に強行するのでしょうか?・・。
 たぶん殆どの町民も町の行政も秘密裏の内に公安委員会で認められたことは知らないと思います。夏休みを前に町の子供達の遊泳場であり、JETを避けてくる沢山の家族や他利用者はそんな危険な浜になったとは知らずに訪れ、不快感と危険に晒されながら遊ぶのでしょうか?。
 管轄警察も公安委員会も土木課も環境省も起こってからしか対応しません。予見して未然に防ぐ事を受け入れません。こんな福島県で良いのでしょうか。こんな観光行政で良いのでしょうか?・・。
<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
子供達の遊ぶ夏休みを前に、早急に調査して頂ければと思います。


産廃処分場予定地における動植物調査報告(2006年8月/63/3頁)

■調査実施日;2004年10/14、12/16、2005年1/22、3/19、4/14、4/23、4/30、5/20、5/23、6/21、6/24、
   8/20、9/11、10/10、2006年3/18、3/25、4/9、4/13、5/20、6/18
■調査場所;福島県郡山市三穂田町山口字林境地内
■調査内容;県のレッドデータブックに載っている生物が生息・生育しているかどうか調査した。
■調査団体名;福島県自然保護協会・産廃処分場建設に反対し、いのちと環境を守る会
■調査責任者;横田清美(郡山市安積町日出山3-225-3 電話090-9422-9357)
■調査結果;18種類の希少野生動植物の生息・生育を確認した。
  ・絶滅危惧T類…オオタカ
  ・絶滅危惧U類…ギンラン
  ・準絶滅危惧…イモリ、オオヨシキリ、カジカ、サシバ(タカ科)、サンコウチョウ、ツチガエル、トウホクサンショウウオ、
    ノスリ、ハイタカ(タカ科)、バン
  ・希 少 種…ホトケドジョウ、モリアオガエル
  ・注 意 種…ゲンゴロウ、コオイムシ、ツキノワグマ、ニホンカモシカ


滝根小白井風力発電事業の準備書に対する意見(2006年6月/62/2頁)

田村市都路町 浅田正文
1 作業道などの排水溝の形について
 事業実施区域内にはトウホクサンショウウオが生息している。林道にU字溝(排水溝)が設置されたために小動物の移動が分断された例は多数ある。よって排水溝を設置する場合には、小動物が移動できるようにU字溝でない方式で設置していただきたい。
2 発電機の音はついて
 発電機の音は定常的だから動物は間もなく順応するとあるが、その根拠を示してほしい。風の強さによって激しい音の発生があったり、風がなく音が全く出なかったりすることが現実にあり、定常的とは言えない。仮に定常的だからとしても順応する根拠が分からない。動物は住みにくくなって他の場所に移らざるを得ないのではないか。これをもって順応とするなら大きな誤りである。
3 ブレードへの接触の可能性小とあるが
 「猛禽類の捕獲活動は地上付近に集中するのでブレード(羽根)への接近、接触の可能性小」とあるが、現実には上空から舞い降りて捕獲する。準備書では舞い降りるときの接触の可能性についての説明がない。舞い降りるときについても理由を示していただきたい。
4 貴重植物の移植の対応は問題
 事業実施区域内でホソバツルリンドウ、アズマギク、コウリンカなどの植物が見つかっている。準備書では「影響が著しい場合の対処法として、必要に応じて学識経験者の指導・助言を得て適切な処置を講ずる」とあるが、枯れてしまってからでは遅い。事前に対応が必須。次の@〜Bの対処法を提案する(不可の場合は理由を示していただきたい)。
@…核当地への発電機設置をやめる。
A…@が無理なら影響のない場所に変える。
B…それでも難しいなら、移植前から学識経験者の指導助言を仰ぐ。
また、移植は田村市が行うとあるが、責任は事業者にあることを確認しておきたい。その理由は、移植せざるを得ない原因をつくったのは事業者であるからである。

郡山市安積町 横田清美
1 観光客増加で起こる問題を予測すべき
事業実施区域内には貴重な動植物が多数生息・生育している。北ルート道路を拡幅・舗装化するそうだが、利便性が高まれば観光客等の増加により貴重な植物の盗掘、植生の踏み荒らし、車等の騒音、ペットの過剰な持ち込みによる生態系への影響などが心配される。観光客増加で起こる問題を予測し、それを未然に防ぐための対策を明記すべきである。
2 工事の騒音・振動について
事業実施区域内でノスリやヒバリなど貴重な鳥類の繁殖が確認されている。ヘリコプターによる資材の空輸や重機作業による騒音・振動は繁殖を妨害する恐れがある。
3 事実と違う準備書の記述
準備書に「ヒバリの行動範囲はブレードの下方なので影響は低い」と書いてあるが、ヒバリは地上付近から高度百m付近にかけて盛んに上昇下降を繰り返しながらさえずり、なわばりを形成する。事実と違うので、訂正したうえで再評価すべきである。
4 鳥類が風車に衝突しない根拠を示すべき
準備書にバードストライクの恐れは低いと書いてあるが、風力発電機同士の間隔を十分空けているからという理由では納得できない。猛禽類は獲物を捕らえる瞬間は周囲への注意力が非常に散漫になる。狩りをする際に風車に衝突しない根拠を実例や実証試験等により示すべきである。
 また、鳥類が風力発電機に対する警戒心から繁殖や餌場利用をやめる恐れもある。準備書では鳥類は風力発電機にやがて慣れるので問題ないとしているが、これも実例や実証試験等により根拠を示すべきである。

那須連山主脈縦走線(甲子地区)整備方針について報告(2006年2月/60/8頁)

 平成17年11月8日、県は茶臼岳から三本槍岳、甲子山を経由し大白森山に至る那須連山主脈縦走線(以下「本路線」という)の整備方針をまとめた。理事の横田が検討委員としてかかわったので主な決定事項をご報告します。委員からは様々な意見が飛び交い、旭岳に登山道を整備する意見や避難小屋にハイテクトイレを整備する意見もでたが、話し合いの結果、自然破壊につながる恐れのある整備や過剰な整備はしないことで話がまとまりました。
歩道整備について
 本路線の崩壊地通過箇所については、貴重な高山植物の群生地でもあることを考慮し、土留め工による崩壊防止措置を講ずるとともに、須立山山頂部北側の崩壊が著しい区間については、最小限度の迂回路で対応する。迂回路設置にあたっては、環境改変を最小限度とし、旧道は土留め工を施工したうえで閉鎖し、植生の回復を図る。本路線の洗掘箇所については、水切工を配置するとともに、洗掘の進行、転倒防止のため木製土留階段工を配置する。本路線の幅員は幅1mの土道を基本とするが、木道部は0.5mの単道とし、適宜待避所を設ける。
避難小屋について
 坊主沼避難小屋は老朽化し、冬季には雪の吹き溜まりに埋没し利用が困難な状態になっている。また、現在の位置は無線が入りづらく救出活動等に支障がある。よって、現在の避難小屋の東側の稜線付近に新築し、歩道も稜線上に付け替える。坊主沼〜茶臼岳間に新たな避難小屋を設置する必要があるかどうかについては、今後那須地区との調整のうえ検討する。
山岳公衆便所について
現在は稜線上に公衆便所がなく、野外排泄に伴う環境の悪化等が懸念されている。しかし現状では入山者が少ないこと、稜線上には水を得られる適地がなく、管理も困難であることから、当面は登山口での用足しの励行や、那須地区との調整のうえ携帯トイレを導入することにより対応するものとし、栃木県で検討中である茶臼岳公衆便所や利用者数の動向を踏まえて検討していく。
その他
 現在、旭岳には正式な登山道は存在しないが登山している人がいる。旭岳の稜線は岩稜の急峻な尾根であり、登山者の安全確保が困難なうえ、高山植物群落の保全にも支障が生じる恐れがあるため、当面は登山道の整備は行わず、山頂に至る道は封鎖し旭岳には行けない旨を周知する。
 本路線に接続する支線について、鏡ヶ沼〜大峠間は、崩壊地や涸れ沢を通過する部分が多いため、尾根筋への路線の変更も考慮し整備を検討する。
 工事施工時はヘリコプターによる資材の空輸、重機作業による騒音発生が懸念されることから、施工時期を調整するなど猛禽類等野生生物への影響について十分配慮する。

Bt0388.gif福島県自然保護協会のトップページへ