調査研究報告(福島県自然保護協会)

平成23年度 裏磐梯地区オオハンゴンソウ駆除事業報告(2011年12月、会報95号4〜5頁、横田清美)
オオハンゴンソウ駆除事業(環境省委託)の結果と考察(2010年12月、会報89号10〜11頁、横田清美)
アミメカゲロウ異常発生連続33年でストップ(2010年12月、会報89号8頁、星一彰)
白山沼の生物調査結果と提言(2010年10月、会報88号4〜7頁、横田清美)
五色沼東園地外来植物調査報告書(2009年12月、会報83号11頁、五十嵐悟)
摺上川の生物学的水質調査(2009年10月、会報82号5頁、星一彰)
消える在来鳥/増える外来鳥ガビチョウ(2009年6月、会報80号7頁、横田清美)
マルハナバチ類の観察方法(2007年6月、会報68号3〜5頁、掃部千鶴)
・セイヨウオオマルハナバチの侵入問題について(2007年4月、会報67号4〜6頁、掃部千鶴)
登山者と自然破壊
・裏磐梯五色沼における利用マナーの現状調査
・無法地帯の五色沼に効果的な看板設置を
・会津若松市鶴ヶ城のフクロウ調査報告(2005年8月、会報57号4〜5頁、五十嵐悟)
・三穂田町の産廃処分場計画地の生物調査中間報告(2005年8月、会報57号8頁)
・里山の水辺環境修復の試み(2005年6月、会報56号4〜5頁、津崎順)
ペットの過剰な持ち込みが生態系乱す(2004年10月、会報52号4〜5頁、横田清美)
・トウキョウサンショウウオ生息調査報告(2004年6月、会報50号2頁、柳内景子)
・磐梯熱海ケヤキの森で生態系壊す大量伐採(2004年6月、会報50号4〜5頁、横田清美)
・中山間地域直接支払で希少野生生物の生息地が破壊される(2004年2月、会報48号2〜3頁、横田清美)
裏磐梯のトンボの楽園壊滅(2003年12月、会報47号2〜3頁、横田清美)
・平成15年度猪苗代湖の水辺環境調査結果報告(2003年12月、会報47号4頁、小林淳雄)
・会津地域における自然保護の現況(2003年6月、会報44号2〜3頁、長沼勲)
・裏磐梯ビジターセンター展示案について(2003年6月、会報44号8〜9頁、横田清美)
・ペットが生態系に与える影響について(2003年4月、会報43号5頁、鬼多見賢)
・エコ製品認定に関する提言(2003年4月、会報43号8頁、横田清美)
・尾瀬の保護と適正利用のために(2003年2月、会報42号2〜4頁、曾根仁一)
・安達太良山の裸地化状況調査報告(2003年2月、会報42号6〜7頁、横田清美)
・提言、いわき市小名浜金成地区の整備について(2003年2月、会報42号8頁、横田清美)
・猪苗代湖北岸地域での水生植物調査(2002年12月、会報41号4〜5頁、小林淳雄)
・中山間地域等直接支払制度への提言(2002年10月、会報40号6〜7頁、横田清美)
・検証、裏磐梯地域総合整備事業(2002年6月、会報38号6〜8頁、横田清美)
・福島市荒川水系の生物学的水質調査(2001年10月、会報34号5頁、星一彰、矢吹育夫)
・小野町ごみ処分場付近の水生生物調査(2001年8月、会報33号4〜5頁)

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平成23年度 裏磐梯地区オオハンゴンソウ駆除事業報告

横田清美

 8月から9月にかけて、県協会は裏磐梯五色沼で特定外来生物のオオハンゴンソウの駆除作業を行った。この作業は2008年度から続いている環境省の委託事業で、今年で四年目となった。開花時期に合わせて13回の駆除作業を実施し、多くの会員が協力してくれた。
 オオハンゴンソウが十年以上定着している場所は、駆除してもなかなか繁殖力が弱まらないが、定着して数年しか経っていない場所では徐々に姿を消し始めている。オオハンゴンソウの駆除は、定着後すぐに行えば効果が大きいようだ。

試験的駆除作業
 今年度から、刈り取る方法と抜き取る方法の効果の違いを調べるため、試験的駆除作業区域を設定し、それぞれの方法で駆除を行った。来年以降、効果を確認したい。
 また、オオハンゴンソウの根生葉(地面に近い位置にあるため、地中の根から出ているように見える葉)がたくさん生えていることから、試験的に毘沙門沼北西部の一角で根生葉の塊茎(地下茎が肥大化して養分を蓄えた器官)の駆除を行った。手鎌の先端で根生葉の根元の土を少し削って柔らかくしてから茎葉を引っ張ると塊茎を容易に取り除くことができた。ただ、根生葉の数はあまりにも多く、この方法での全域の駆除は今のところ困難と思われる。この塊茎の駆除の効果も来年確認したい。

新たな課題
 毘沙門沼の北東部の山中でオオハンゴンソウの新たな群生地を発見した。作業道から離れた場所にあり、やぶが混んでいて容易に近づけない。一度も駆除していないせいか、茎は太く、背丈も高いものが多かった。確認はしていないが、本事業の作業計画区域の外まで群落が続いている可能性がある。その場合、作業区域を拡大すべきかどうか、今後検討する必要が出てくるかもしれない。この新たな群生地は、結実が始まった8月下旬に発見したので、駆除が間に合わず、一部しか駆除できなかった。来年以降に本格的な駆除を行いたい。


オオハンゴンソウ駆除事業(環境省委託)の結果と考察

横田清美

 磐梯朝日国立公園裏磐梯地区の五色沼周辺で特定外来生物のオオハンゴンソウ(北米原産)が大繁殖し、生態系に影響を及ぼしていることから、平成20年度から三年間、オオハンゴンソウの防除作業と事業の効果を検証するためのモニタリングを実施した。  本事業の業務では、オオハンゴンソウの開花時期に合わせて計11回(1回あたり3〜6時間)、1回あたりの作業人数2〜7人、のべ41人の駆除作業を実施した。駆除作業は五色沼自然探勝路沿いを中心に行い、特に広範囲に分布している毘沙門沼周辺での作業を重点的に行った。
 駆除作業は3年間(平成20〜22年)行った。二年目(平成21年)はオオハンゴンソウの再生が活発になり、個体数がかえって増加したところもあった。三年目の今年は、成長初期の根生葉は多かったものの、花芽を持った個体は減少した。また、作業にあたった実感として、草丈が全体的に短くなる傾向が見られた。来年以降も駆除を続ければ、花芽を持った個体はどんどん減少すると予測される。
 また、事業を開始した平成20年度より、作業区域内において作業の効果を検証するための試験区(1辺が1mの方形枠)を5箇所に設置し、モニタリングを行った。

●試験区におけるオオハンゴンソウの個体数の変化
 ※2008年、2009年は根生葉の区別を行っていない。

試験区 2008年 2009年 2010年
試験区1 25本 23本 20本(うち12本は根生葉)
試験区2 20本 13本 11本(すべて根生葉)
試験区3 40本 39本 16本(うち14本は根生葉)
試験区4 17本 35本 24本(うち17本は根生葉)
試験区5 9本 11本 4本(うち17本は根生葉)

●試験区における在来植物の個体数の変化

試験区 2008年 2009年 2010年
試験区1 24本 27本 52本
試験区2 29本 41本 73本
試験区3 28本 56本 107本
試験区4 45本 46本 78本
試験区5 15本 30本 45本

●試験区における在来植物の種類数の変化

試験区 2008年 2009年 2010年
試験区1 10種 10種 13種
試験区2 7種 11種 11種
試験区3 8種 12種 13種
試験区4 9種 16種 17種
試験区5 6種 8種 8種

 モニタリングの結果から、オオハンゴンソウの駆除によって在来植物の種類と数が増えたことが分かる。また、駆除を続けることでオオハンゴンソウの草丈が年々低くなり、花をつけない根生葉の形態に変わっていくことも分かった。試験区1〜5に共通した変化が見られることから、この調査結果は事業区域全体の変化を反映していると思われる。
 三年間の駆除事業ではオオハンゴンソウを根絶させることは出来なかったが、オオハンゴンソウの種子散布を三年間ほぼ途絶えさせたこと、毎年の刈り取りによって根に蓄えられた栄養分をある程度奪い取ったことは、根絶に向けて大きく前進したと思う。来年以降も駆除を続ければ、繁殖の勢いは緩み、新たな芽生えも減少すると思われる。
 しかしながら、ここで駆除作業を中断すれば、再び根に栄養が蓄えられ、種子散布が再開され、今までの苦労が無駄になってしまうだろう。駆除作業は真夏の炎天下で行われる。現場はノイバラに囲まれたやぶや湿地で歩きにくく、ハチの巣が多い。重労働であるうえに危険が多い。この状況ではボランティアの作業に頼るのは難しい。しかし、軽い労力で済む程度までオオハンゴンソウを減らすことができれば、あとはボランティアによる駆除・点検活動に引き継ぐことが可能になるだろう。そのためにも、あと数年は本格的な駆除事業を継続させる必要があると考える。
 裏磐梯地区では五色沼周辺以外の場所でもオオハンゴンソウが繁殖拡大している。まずは五色沼周辺のオオハンゴンソウを根絶させ、その経験と自信を次なる駆除活動につなげていく展開が望ましい。


アミメカゲロウ異常発生連続33年でストップ

星一彰

 1977(昭和52)年以来、連続異常発生続けた福島市・阿武隈川のアミメカゲロウが、本年2010(平成22)年は、異常発生は見られなかった。
 アミメカゲロウの異常発生は、最初9月のある夜一日だけの発生(集中型)だったが、しだいに長期間発生(分散型)となっていた。発生数は8月に実施する幼虫調査、方形わく(30p×30p)3回採集の幼虫数により、後半はしだいに発生が減少、約20分の1となっていたが、本年は9月入ってからトータル約50匹で、異常発生とは認められなかった。発生日は、4月7日からの日平均積算水温が2985℃になった時期に発生、9月上旬から下旬に発生するが地球温暖化のためか、早目の発生となってきた(日本生態学会東北地区会報58号、1998年)。
 水質が改善されたことが、異常発生ストップの主な原因と考えられるが、一時的に確認されたヒゲナガカワトビケラが観察されず。相変わらずヒル類も見られるので、水質改善のスピードは、極めて遅いと判定せざるを得ない。今後末永く観察を続け、水質改善の方向を確認したい。


白山沼の生物調査結果と提言

横田清美

■調査目的;イトヨ生息地の白山沼(会津若松市北会津町下荒井字中里前)で、近年、藻が異常発生している。とろろ昆布状の藻が沈水植物に大量に絡みつき、水面には汚泥のようなものが浮くようになった。イトヨは県のレッドリストで絶滅危惧U類に、白山沼はイトヨ生息地として県の天然記念物に指定されている。藻の異常発生原因を解明するため、白山沼の生物や自然環境を調べた。
■調査日;H21年9月13日、H22年2月14日、同6月6日、同8月1日
■調査者;阿部武、小林広美、佐藤教彦、二階堂幹夫、横田清美(責任者)

T 確認できた生物(主なものだけアイウエオ順に紹介)
〔表記;●=極普通、◎=普通、○=やや普通、△=やや希、▲=希、成=成虫、幼=幼虫〕

緑藻類;アミミドロ属、サヤミドロ属、パンドリナ属、ヒビミドロ属。
珪藻類;Ankistrodesmus属、イタケイソウ属、オビケイソウ属、クチビルケイソウ属、タルケイソウ属、ヌサガタケイソウ属、ハリケイソウ属、フナガタケイソウ属。
草本;アワゴケ、イトモ、エビモ△、オランダガラシ▲、ガマ、キショウブ△(H22/6/6に除草)、クサヨシ、コウキクサ△、セリ、ツルヨシ、ドクゼリ、フサモ●、ホソバイヌタデ、ミクリ◎、ミゾハコベ○。
木本;エノキ、オニグルミ、クワ、シロヤナギ、ハリエンジュ(H22/8/1に駆除)、ハンノキ。
;アキアカネ幼、アメンボ類◎、ウスバキトンボ、エサキコミズムシ、オツネントンボ、ガムシ△、ギンヤンマ成と幼、クロイトトンボ成と幼●、クマガトビケラ属幼△、コオイムシ△、コガムシ△、コシアキトンボ成と幼○、シロハラコカゲロウ幼、チョウトンボ▲、トビイロトビケラ属幼△、ニンギョウトビケラ幼△、ホソバトビケラ属幼○、ミズアブの一種幼、ミズカマキリ△、ミズスマシ○。
;オナガガモ(冬)、コガモ(冬)、カルガモ、バン(繁殖)、ヒドリガモ(冬)。
;アブラハヤ(移入種?)○、イトヨ●、オイカワ、カラドジョウ、△、コイ(移入種)、▲、シマドジョウ、ドジョウ△、フクドジョウ(移入種)、フナ、ホトケドジョウ。
その他;アメリカザリガニ○(捕獲した17匹は駆除)、ウシガエル幼▲、サカマキガイ○、シマイシビル○、タニシ、ツチガエル△、ニホンアマガエル◎、モノアラガイ◎、ヨコエビ(Gammarus属)●、ミズムシ(Asellus属)◎。

U 調査結果の考察
@水質がきれいであるにもかかわらず、汚い水の指標生物であるシマイシビル、ミズムシ、サカマキガイが多かった。沼底の泥はへどろ質で腐敗臭がした。よって、沼底に何らかの汚れが堆積している可能性が考えられる。
A今年の2月14日に水鳥の生息数を調べたところ、コガモ247羽、カルガモ121羽、オナガガモ2羽、ヒドリガモ1羽の計371羽を確認した。長さ約280m、幅12〜20mの白山沼にカモがひしめくようにして羽を休めていた。冬にたくさん飛来するカモ類の排泄物が沼底に堆積し、沼の環境に悪影響を及ぼしている可能性がある。
B福島県レッドリストに掲載されている希少野生動植物が10種確認された。
・絶滅危惧U類…イトヨ
・準絶滅危惧…イトモ、コウキクサ、ミゾハコベ、チョウトンボ、バン、ツチガエル
・希少種…ホトケドジョウ
・注意種…ミクリ、コオイムシ
C生態系に悪影響を及ぼす恐れのある外来生物が6種見つかった。
・特定外来生物…ウシガエル
・要注意外来生物…キショウブ、オランダガラシ(クレソン)、ハリエンジュ(ニセアカシア)、カラドジョウ、アメリカザリガニ

V 地元の人たちからの聞き取りの内容
@水田の基盤整備や公園整備等によって湧水量が激減した。現在は地下水をポンプアップして沼に流しているが、9月中旬ごろから翌年4月ごろにかけて沼に流入する水量を減らしている。
A冬にカモがたくさん飛来するようになった。以前はこんなにいなかった。
B昔はトビケラ類(特に砂粒で筒状の巣をつくる種類)がたくさんいた。また、砂底に産卵するヤツメウナギの一種(おそらくスナヤツメと思われる)が生息していたが、最近は姿を見なくなった。このことから、白山沼はかつて沼底が砂質であったと考えられる。現在の沼底はへどろ質である。
Cコイとアブラハヤは近年になって人為的に持ち込まれたもの。
D公園整備前は水生植物のミクリが沼全体にもっとたくさん生えていた。

W 提言
@白山沼の沼底には何らかの汚れが堆積している可能性が高い。専門機関に依頼して沼底の泥および水面に浮く浮遊物の成分を調べるべきである。
A冬に多数飛来するようになったカモ類の排泄物が沼底に堆積し、藻や浮遊物の発生原因になっている可能性がある。かかしの設置、テグス張り(テグスの高さや方向を変えてランダムに張る)、近隣住民の方に沼の周りでの散歩を勧めるなどして、冬に水鳥が過剰に集まらないようにする対策が必要である。
B現在、白山沼の沼底はへどろ質だが、昔は砂質であったと思われる。沼底の土質を改良し、藻を食べる生物(トビケラ類、スナヤツメ、巻貝類、ヨコエビなど)がたくさん棲める環境を復元した方がよい。ただし、沼底の環境を一気に変えてしまうのは危険であるから、たとえば10m×10m程度の試験区を設け、川砂(直径1〜2o程度のもの)を投入してみて、効果が認められた場合には徐々に沼底を砂質に変えたらどうか。
C白山沼では定期的に藻や浮遊物の除去作業が行われているが、藻は水草にしっかり絡みついているため、藻を除去する際に水草を傷つけてしまう恐れがある。水草はイトヨの生息に重要なので、なるべく水草を傷つけないで藻や浮遊物だけ除去すべきである。また、沼に入って作業する際は、踏みつけによる生物へのダメージを最小限に抑えるよう配慮してほしい。なお、除去した藻や浮遊物は沼の外部に運び出し、適切に処理(たとえば焼却処分)した方がよい。
D生態系に影響を及ぼす恐れがある外来生物はなるべく駆除した方がよい(特にアメリカザリガニ、カラドジョウ、ウシガエル)。また、人為的に持ち込まれたと思われるコイ、アブラハヤ、フクドジョウも、なるべく取り除いた方がよい。ハリエンジュとキショウブについては今年駆除したが、これらは繁殖力が強く、地下茎や種子によって来年以降も芽生えてくることが予想される。根絶するまで毎年駆除を継続した方がよい。
E水生植物のミクリは県レッドリストで注意種(環境省RDBでは準絶滅危惧種)に指定されている。このミクリには藻があまり絡みついていなかった。昔は沼一面に生えていたという地元の人の証言もあることから、ミクリは草刈清掃作業等の際に刈らずに残した方がよいと思われる。

謝辞
阿部武氏(石川町在住)には種の同定の際に大変お世話になった。また、白山沼水利組合の目黒康一氏ほか地元の方々にも大変お世話になった。深く感謝申し上げたい。


五色沼東園地外来植物調査報告書

報告者 五十嵐 悟

 

調査日時:平成21年10月22日(木) 午前9時〜11時30分
参加者 :五十嵐悟、佐藤教彦、二階堂幹夫、横田清美
はじめに:
 今回の調査は昨年度新たに完成した五色沼入り口付近の五色沼東園地とそれらに付随する遊歩道周辺に生息している外来生物に注目して実施した。
整備をする前には五色沼周辺では今まであまり目にすることがなかった、人里周辺に見られる外来植物が見られるようになってきたように思われたことから今回の調査を実施し、実態の把握を行うこととした。
調査方法:
 調査地を歩き目視により確認した。また、確認した外来植物はその場で処理をした。
調査結果:
今回見つかった外来植物はシロツメクサ、ムラサキツメクサ、ブタナ、ヒメジョオン、セイヨウタンポポ、エゾノギシギシ、オオアレチノギク、セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサ、ヒメムカシヨモギ、オオハンゴンソウ、ヒレハリソウの12種類を確認した。
また、今回は確認できなかったが、キショウブ、ハルザキヤマガラシといった外来植物も以前に確認しているとの情報も得た。
考察:
 今回の調査では12種類の外来植物を確認することができた、その中でもセイタカアワダチソウを五色沼周で辺確認することは今までなかったと思う。
外来植物の侵入についていくつかの仮説をたてるとすると、『@来訪者による種子の運搬A工事の際に使われた土壌の中に種子が入っていた』といったことが考えられる。また、外来植物以外にも法面の吹き付けなどに利用されるメドハギといった植物も確認されており工事による土壌の撹乱や植生の変化が心配される。
以前の植生のデータなどがないので、はっきりしたことは現時点では言えないが、今後似たような工事を行う際に工事以前と、工事後の植物相を調査するなどしてデータを集めていく必要があると感じた。


摺上川の生物学的水質調査

星一彰

調査者;二階堂幹夫、星一彰、矢吹育夫、横田清美
 摺上川については、1981年8月15日に上流から下流へと9ヶ所で調査がなされた。その後、ダム工事が進行し、流域全体の環境変化が現出した。
 2009年8月23日上流の名号とダム直下の中茂庭および最下流の阿武隈川合流前の3ヶ所を調査した。源流部の変化、ダム工事の影響、そして合流前の摺上川トータルの水質を調査しようとプランした。
 源流部の名号は、前回主としてpHの影響からBIが低下したが、今回も低下したまま進行中である。源流部は酸性雨や酸性雪の問題が発生し、進行中と考えられる。
 中茂庭はダムの影響が考えられ、前回一時的にBIが上昇したが、著しく下降し、ヒル類なども確認できた。悪臭も少し発生している。ダム建設後、一時的にBIが上昇する現象は、多くのダムで現出している。
 最下流の阿武隈川合流前は、ヒル類の生息が多くなっているが、BIは変化していない。摺上川トータルとしては、前回2000年から水質がほとんど変化していないと考えられる。
 ダム建設による水質の影響は複雑で、調査を継続し解明してゆくことが望まれる。


消える在来鳥/増える外来鳥ガビチョウ

横田清美

 近年、県内の中通りと浜通り地方で、ペットで飼われていたと思われるガビチョウが野生化して大繁殖し、生態系に影響を与えている。
 小野町飯豊(私の実家の裏山)では、1980年代はウグイス・ホオジロ・ヤブサメなどが優先種だったが、2000年ごろからガビチョウが徐々に増え始め、2006年には完全にガビチョウが優先種となり、在来鳥は減少してしまった。夜中によくさえずっていたトラツグミとヨタカも、2001年ごろから鳴き声がしなくなった。似たような例は中通りと浜通り地方の各地で起きている。強いなわばり性と繁殖力を持つガビチョウが、生息環境やえさ食物で競合する在来鳥の生息地を奪っていると思われる。また、ガビチョウは大きな声で周年が鳴くので、他の鳥のさえずり音をかき消して繁殖行動を妨害している可能性もある。
 ガビチョウの増加は生物相の均質化(地域ごとの生物相の差がなくなること)や生物多様性の低下も引き起こす。大きな鳴き声は騒音公害になる恐れもある。また、野鳥のさえずりは日本古来の音風景の一つであるが、ガビチョウの声によって異質なものに変わってしまった。
 ガビチョウは飼い鳥ブームの1970年代に中国などから大量に日本に輸入された。安価だったために販売当初はよく売れたそうだが、鳴き声がうるさいうえに体色が地味だったことから、飽きられて飼い主に捨てられたものも多かったのではないかと推察する。
 環境省の調べでは宮城、福島、茨城、群馬、埼玉、東京、山梨、神奈川、長野、福岡、佐賀、大分、熊本の1都12県で現在生息が確認されている。福島県では1995年ごろに川俣町で初めて確認されている。積雪の少ないやぶの中を好んで生息し、主に地上で虫や木の実などを食べている。
 2005年、環境省は生態系に悪影響を与えるとしてガビチョウを特定外来生物に指定し、売買や放鳥などの行為を禁じた。違反した場合、最高で個人の場合三年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金、法人の場合一億円以下の罰金が科される。
 すでに大繁殖してしまった福島県では、県外への分布拡大を防ぐためにも早急に駆除対策を講じるべきだが、駆除方法すら分かっていないし、研究もしていない。このままだと、近い将来、福島県はガビチョウによって生態系が大きく狂わされる危険性がある。本種によって今後どんな影響が生じるか分からないという点も脅威である。
 ※参考文献;「外来種ハンドブック」日本生態学会編、地人書館、2002年


マルハナバチ類の観察方法

掃部千鶴<かもんちづる>(元東京大学大学院 保全生態学研究室 研究員)

 以前、福島県自然保護協会の会報「やえはくさんしゃくなげ」(67号2007年4月)に「セイヨウオオマルハナバチの侵入問題について」という題で投稿させていただきました。今回はマルハナバチ類に興味を持たれた方が観察を行えるよう、検索図鑑、参考図書、生息環境、観察時期、捕まえ方などについて書かせていただきます。何分限られた経験から得たことをまとめたものですので、不十分な点や、もっとよい方法があるとお気づきの方は、ご意見をいただけますと幸いです(掃部連絡先 E-mail;chizu_taro@yahoo.co.jp)。

1.マルハナバチ類をよく知るために 〜図書の紹介〜

 以下に、マルハナバチの観察や識別におすすめの検索図書と参考図書をご紹介します。
<検索図鑑>
●「マルハナバチ・ハンドブック 〜野山の花とのパートナーシップを知るために〜」(1997年)
 鷲谷いづみ・鈴木和雄・加藤真・小野正人 著、文一総合出版 1200円

 北海道で1996年に外来種であるセイヨウオオマルハナバチの自然巣が初めて発見されたことがきっかけで作られました。薄くて携帯しやすいわりに写真が豊富で、日本産マルハナバチ類を網羅しつつ、セイヨウオオマルハナバチとの区別点も分かりやすく掲載されています。下述する「マルハナバチの経済学」で使用された日本産マルハナバチの図版と検索表も付いています。

●「マルハナバチの経済学」(1991年)ベルンド・ハインリッチ 著、井上民ニ 監修、加藤真・市野隆雄・角谷岳彦 訳、文一総合出版 4500円

 個体の生理学、巣全体の経済学、花との共進化について論考した米国の研究者の訳本です。巻末に「日本産マルハナバチの分類・生態・分布」(伊藤誠夫 著)が付され、ここに日本産マルハナバチの図版と検索表が載っています。研究者向け専門書。

<参考図鑑>

●「日本の真社会性ハチ 全種・全亜種生態図鑑」(2005年)高見沢今朝夫 著、信濃毎日新聞社 6000円

 マルハナバチ各種が花を訪れている様子だけでなく、巣の内部の貴重な写真も多数収められています。また、ハチ類に対する著者の並々ならぬ好奇心と愛情を感じます。

●「あっ!ハチがいる 〜世界のハチとハチの巣とハチの生活〜」(2004年)千葉県立中央博物館監修、晶文社出版 1600円

 ハチの生活、自然界でのハチの役割、ハチ標本の作り方のほか、マルハナバチや竹筒などに巣を作る「借孔性ハチ類」(ドロバチ科、ベッコウバチ科、ハキリバチ科のハチなど)の飼育方法等についてやさしく紹介。ハチ上科の検索表付きです。

●「マルハナバチの謎 上・下巻」(1988年)ヨシフ・ハリフマン 著、金光不二夫・金光節 共訳、理論社 各2000円

 ロシアの社会性昆虫類研究者によって書かれた少年少女向けの読み物。マルハナバチの興味深く魅力ある生態が生き生きと語られています。マルハナバチの生態研究の文献としても高い価値がある良書ですが、現在絶版で入手困難です。

2.観察に適した場所

 人里や草原、河川敷、森林、亜高山帯など、マルハナバチは様々な環境に生息しています。ツツジ類、モミジイチゴ、ウツギ、エゴノキなどの花木や、ナヨクサフジ、ハナダイコン、アカツメクサ、シロツメクサなどの外来植物、ラショウモンカズラ、ノアザミ、ツリフネソウ、ギボウシ類、トリカブト類などの草本植物など、マルハナバチにとって餌資源となる花がたくさん咲いている場所が観察適地です。なお、コマルハナバチについては、人為的な環境にも営巣できるため、街中に植栽されたツツジ類の花などにも訪れます。

3.観察に適した時期・時間帯

 観察には、前年の秋に生まれ冬眠していた女王バチが活動を開始する春の時期と、春に創設された巣が発達し、働きバチの個体数が多くなる夏の時期が適しています。冬眠から覚める時期はマルハナバチの種類ごとに差があるので、春の観察は各種が出揃う5月半ばくらいから6月上旬に、夏の観察は7月から9月中に、いずれも、マルハナバチの活動が活発な晴天の日の午前中(経験的ですが気温20℃〜23℃くらいまで)に行います。マルハナバチは夏の暑さによって活動が制限されます。日中に30℃以上の猛暑となる時期には、早朝の涼しいうちに観察を行います。

4.マルハナバチの捕まえ方

 はじめはなかなか種類の区別が難しいと思いますので、捕獲してみるのがよいのではないでしょうか。マルハナバチの捕獲には捕虫網を用います。吸蜜のために花を訪れている時が捕らえやすいでしょう。マルハナバチが丈の低い花(アカツメクサなど)に訪花している場合がもっとも捕獲しやすいのですが、この場合には、上から捕虫網(可能であれば柄を短くしておくと扱いやすい)をかぶせて花ごとハチを網に納めます。ツツジなど網をかぶせにくい花木の花からハチを採集する場合には、ハチが吸蜜を終えて花を離れた瞬間に横から捕虫網をふって捕らえるとよいでしょう。
 ハチを網に納めたら地面に置き、片方の手で網を上に伸ばし、ハチが太陽の方向に向かって歩く性質を利用して網の先端部にハチを移動させます。このとき網の先端を2,3回ねじってから持つと指先を刺されません。そしてもう片方の手で、ハチが網の口から逃げないよう注意しながら、蓋をとったフィルムケースなどの小さな容器(透明なものがよい)を網の中に入れ、ハチを納めます。ハチの入った容器の口を網につけたままにしておき、網に蓋を入れ、容器に蓋をして観察します。蓋にはペン先などで空気穴をあけておくとよいでしょう。
 学術調査が目的で標本として残す場合には、捕らえたマルハナバチをこのまま容器に入れて持ち帰り、家庭用冷凍庫で冷凍するのが簡便です。容器には、標本のデータを記した紙片やラベルシールを貼り、採集して持ち運んでいる間にハチから水分が出た際にハチの毛をいためないよう、ティッシュペーパーをちぎったものを入れます。容器のままやチャック付きのビニール袋などに移し変えて冷凍庫で保管するか(冷凍標本)、ハチが冷凍のために死んでしまってから展翅標本を作成します。
 捕獲して容器に納めるまでの作業は、刺されないよう十分に注意して行ってください。ハチ毒に対するアレルギーのある方や、過去にハチに刺されたことのある方が採集を行う際には特にご注意ください。マルハナバチは一般におとなしいハチであると言われますが、在来種、外来種を問わず、素手でさわったり、つかんだりすると刺される可能性があります(ただしオスバチであれば針がないため刺される心配はありません)。万一刺された場合には、すぐに病院に行くのが望ましいですが、応急処置としては、傷口から毒液を搾り出しながら水道水の流水で流し、滅菌ガーゼや絆創膏で患部を保護します。毒液の吸い取りには、アウトドアショップで販売されているポイズンリムーバーを使用してもよいでしょう。


登山者と自然破壊

横田清美(福島県自然保護協会)

1.裸地化問題

 人気のある登山道は、多数の登山者の通行によって裸地化(踏圧によって植物が枯れ死し、表土がむき出しになる状態)が起こり、次に雨水の流路となって洗掘溝<せんくつこう>(雨水によって土砂が削り取られてできた溝)をつくる。
 洗掘溝が拡大すると土石流の発生などによって登山道の下方の植生に深刻なダメージを与える恐れがある。一旦洗掘溝ができると自然回復は難しい。地質の状態にもよるが、一般に亜高山帯より上部の標高では人為的な圧迫に弱く、裸地や洗掘溝ができやすい。たとえ低い山であってもオーバーユース(過剰利用)になると裸地化は進む。
 キャリングキャパシティ(自然が持っている回復能力)を超えていると考えられる山では登山者数を減らす必要がある。

2.裸地化防止・植生復元への提言

(1)対処療法的な方策

@雪田<せつでん>草原(多雪環境に適応した草原)の裸地の場合

 ピートモス(ミズゴケの枯死体を乾燥・粉砕してつくった土壌資材)を客土し、緑化ネットをかぶせる方法が考えられる。その際に、現地で採取した植物の種をまき、シーズ(園芸用植物活力剤)を複数回散布するとより効果的だという報告もある。

A洗掘溝の場合

 土砂流出を防ぐための土止め工事を継続的に行う。よく水洗いした布団かご(金網に石を詰めたもの)を洗掘溝に埋め込み、木道などでふたをする方法が考えられる。

(2)抜本的な方策

 山ごとにキャリングキャパシティをできる限り把握し、裸地化進行の初期段階で次のような手を打つ。

@不便さを取り入れ、利用者層を絞ったり、利用の分散化を図ったりする。

(例)*登山道にやぶを繁茂させて幅員を狭め、やぶ漕ぎ(やぶをかき分けるようにして進むこと)に近い道を維持する。
     やぶ漕ぎの登山こそ山を傷つけない登山の原点である。
   *登山道の出発点を後退させ、目的地を遠ざける。
   *快適な山のトイレを廃止して携帯トイレ等に切り換える。
   *登山者から自然環境維持協力金(仮称)を徴収する。
   *登山を届け出制にして登山者数を管理、調整する。

A登山の自粛を呼び掛ける。オーバーユースと知りながら登る場合は、教育登山と位置づけ、登山者と自然破壊の関係をしっかり学ばせ、学んだことを持ち帰らせて啓蒙させる。

B裸地化を特に促進させる集団登山(山開き登山も含む)と雨天時の登山をさせない。

C前述の<@〜B>について国民が理解を深められるよう、しかるべき教育機関が啓蒙する。

(3)登山道の管理について

@洗掘を防止するため、やぶ刈り作業等で切った笹やかん木を登山道のくぼみに埋め込むように敷く。大雨で流されることもあるが、やるのとやらないのとでは大きく違う。

A新規に登山道を整備する際は、裸地化を防止するため表土はなるべくいじらない。笹やかん木の根は地中に残す。また、洗掘が起こりやすいまっすぐな登りルートの設定を避け、なるべくジグザグにルートをつける。

B裸地化進行の初期段階が現れたら抜本的な方策を立て、すみやかに実施する。

以上


裏磐梯のトンボの楽園壊滅

2003年12月 横田清美(福島県自然保護協会)

1.裏磐梯レンゲ沼に異変

 トンボが数多く生息し、自然観察に最適だった裏磐梯レンゲ沼(面積約1ha)に異変が起きた。1997年ころからトンボや水生昆虫や魚の数が減少し、毎年見られたオオルリボシヤンマとイトトンボ類の羽化が2002年以降ほとんど見られなくなった(表1)。

【表1】レンゲ沼で見つかったトンボの羽化数

調査年月日 時間  気温  オオルリボシヤンマの羽化数 イトトンボ類の羽化数  合 計 
1987年8月3日 20〜24時 18.2℃ 10
1990年8月1日 20〜23時 17.4℃ 11
1997年8月1日 20〜24時 19.7℃
2002年8月3日 20〜23時 18.8℃
2003年8月6日 20〜23時 22.7℃

2.原因はブラックバスか?

 1997年ごろ、レンゲ沼にはかつてはいなかったブラックバスが確認された。このころからトンボの幼虫(やご)を始めとする水生生物の減少が始まっている。ほかに環境の変化が認められないことから、ブラックバスによる食害が原因である可能性が高い。産卵するトンボの姿は現在も見られるが、トンボのやごが羽化する姿が見られないことから、やごがブラックバスに食べられていると思われる。

 レンゲ沼で1987年から1997年までに観察されたトンボは三十三種類。これらのトンボのほとんどが減少している。特にアマゴイルリトンボ、オオトラフトンボ、オオルリボシヤンマ、キトンボ、コオニヤンマ、リスアカネの減少は著しい。近年、レンゲ沼の上を飛んでいるトンボは、よそから移動してきた個体ばかりである。

レンゲ沼で1987年から1997年までに観察されたトンボ(33種類)

アキアカネ、アマゴイルリトンボ、ウスバキトンボ、エゾイトトンボ(羽化1990年)、オオイトトンボ、オオシオカラトンボ、オオトラフトンボ(産卵1996/1997年)、オオヤマトンボ、オオルリボシヤンマ、オゼイトトンボ、オニヤンマ、キトンボ、クロイトトンボ、コオニヤンマ(羽化1988年)、コサナエ、コシアキトンボ、コシボソヤンマ、コヤマトンボ、サラサヤンマ、シオカラトンボ(産卵1990年)、シオヤトンボ、タカネトンボ、ナツアカネ、ノシメトンボ、ハラビロトンボ、ホンサナエ、マイコアカネ、マユタテアカネ(羽化1987年)、ミヤマアカネ、ミルンヤンマ、ヨツボシトンボ、リスアカネ、ルリボシヤンマ

3.トンボ以外の生物も減少、絶滅危惧生物も次々ピンチに

 1987年ごろは、夜8時ごろにレンゲ沼の水中を懐中電灯で照らすと、ヌカエビ(ヌマエビの一種)や小魚がうじゃうじゃといた。手のひらですくえばエビが捕れるほどだった。1987年と2003年の観察記録を比較した結果、ほぼすべての水辺生物が減少傾向にあることも判明した(表2)。その中には福島県のレッドデータブックに記載されている種が七種も含まれている。

【表2】レンゲ沼における1987年と2003年の観察記録の比較

※福島RDP(ふくしまレッドデータブック)…県が指定したカテゴリーを表示した。
  生物名 1987年 2003年 ※福島RDP
魚 類 アブラハヤ 普通に見られた ほとんど見ない  
ドジョウ 普通に見られた ほとんど見ない  
メダカ 普通に見られた ほとんど見ない 準絶滅危惧
ヨシノボリ 普通に見られた ほとんど見ない  
鳥 類 アオサギ 普通に見られた まれに見る  
オオジシギ 上空をよく飛んだ あまり姿を見ない 絶滅危惧U類
カイツブリ ごく普通に見られた まれに見る  
カワセミ 普通に見られた まれに見る  
両生類 イモリ 普通に見られた ほとんど見ない 準絶滅危惧
ツチガエル 夜、カエルの大合唱が聞こえた 数匹が鳴く程度 準絶滅危惧
モリアオガエル 約20個の卵塊が見られた 卵塊数は5個程度 希少
水生昆虫 カゲロウの仲間 羽化がよく見られた 羽化が見られない  
ゲンゴロウ やや普通に見られた ほとんど見ない 注意
コオイムシ 普通に見られた ほとんど見ない 注意
トンボの仲間 羽化がよく見られた 羽化が見られない  
マツモムシ 普通に見られた ほとんど見ない  
ミズカマキリ 普通に見られた まれに見る  
ミズスマシ ごく普通に見られた まれに見る  
その他 タニシ ごく普通に見られた ほとんど見ない  
ヌカエビ ごく普通に見られた まったく見ない  
ヒル ごく普通に見られた まれに見る  

4.現在はブラックバスの稚魚も減り、ほぼ無生物状態に

 一時はブラックバスが大量に増え、肉眼でも簡単に確認できるほどだったが、2001年以降は減少に向かっている。原因はブラックバス同士の共食いにあると思われる。現在は目視によって観察できる水生生物がほとんどなく、無生物状態に近い。レンゲ沼の生態系が今後どうなっていくのか、行方を見守りたい。

5.レンゲ沼からの警鐘

 面積1ha規模の沼にブラックバスを放すと、約五年で生態系が破壊されることがレンゲ沼の事例で明らかになった。裏磐梯は大半の湖沼ですでにブラックバスが密放流されており、レンゲ沼と同じ現象が今後あちこちで起こり得ると予想される。

6.行政への要望

 バスの密放流は法律で禁じられているが、その監視体制はまったく不十分であり、密放流は後をたたない。福島県全体でみても、バスが入っていない湖沼はほとんどない。水産資源の保護、種の多様性の保護、絶滅の恐れのある生物種の保護等の観点から、県はまだ救える沼があれば至急保護対策を講じるべきだろう。

以上

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