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 民法では、相続する権利を持つ人を「法定相続人」と規定しています。
 ある人物(被相続人)が死亡したからと言って、肉親の誰でもが相続人になれるわけではありません。
 遺言があれば、そこに指名された人が相続人になります。
 一方、遺言がない場合は、法律に基いて相続人が決まります。



 相続の範囲は、配偶者、子、直系尊属(父母、祖父母)、兄弟姉妹です。
 被相続人に子がいる場合は、直系尊属や兄弟姉妹は相続人とはなれません。
 日本の法律の考え方は、財産を直系の子孫に残すことを第一義としています。
 しかし、子孫がない場合に限り、 被相続人の両親が相続したり、兄弟姉妹が相続したりすることもあります。


 1、被相続人に配偶者と子供がいる場合    →    配偶者と子供だけが相続人となり、直系尊属と兄弟姉妹は相続人になれません。

 2、相続人の子供だけがいる場合        →    子の全員が相続人になります。

 3、被相続人の配偶者だけがいる場合     →    配偶者と被相続人の直系尊属が相続人になります。

 4、被相続人の配偶者はいるが、
子がなく直系尊属もいない場合    →   配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

 5、被相続人に配偶者も子もなく、直系尊属もいない場合         →   被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

 上記に見たように、配偶者は必ず、相続人の範囲に含まれることが分かります。



 また、相続では、人の死がきっかけとなって、新たに複雑な事象が浮かび上がって来ることがあります。 
 ここで数例を上げてある方が死亡された場合、他界されたその方と、特別な関係・事情が相続の場面で
 どのように反映されるのか否かを、検証します。

1.胎児の場合
  ご夫婦に他に、子がない場合、特に問題となります。
  仮に、死亡された男性が、その妻だけを残されて他界されたという場合
  相続人は、その妻と 死亡された実の父母で、3分の2、と3分の1でわけるというのが
  民法の建前です。しかしながら、死亡された方の配偶者が身ごもっていた場合は、その父親が
  不幸にして、事故その他でなくなった場合、胎児は、その父の財産に対し 相続の権利を持ちます
  (民法886条1項)つまり、相続に関しては、胎児はもう既に生まれたものみなされます。

2.非嫡出子
  法律上の婚姻外で、出来たお子さん(正式婚姻の届け出をしていない婚姻ー内縁)の場合、
  死亡した父親が、認知していれば、父子関係がありますので、相続人となります。
  但し、相続分は、嫡出子の半分です。平成7年に 判例がでています。民法第900条4項の
  合憲性が、争われた事件ですが、最高裁判所は、法の下の平等を定めた憲法14条違反
  とまでは言えないと判断しました。

3.いわゆる、連れ子
  子供がいる女性が、再婚し、その夫が亡くなった場合、その女性は配偶者として、
  もちろん相続の権利はありますが、そのお子さん(連れ子)には、相続の権利は
  ありません。戸籍上の親子にはならないからです。もし その子にも相続させたいので
  あれば、父の生前に その子と父との養子縁組を行ないます。

4.遺言が「全財産を、家族以外の特定の女性に譲る」となっていた場合   遺留分減殺請求について
  これが、もしそのまま通ってしまったのなら、残された御家族は大変困ったことになります。
  そこで、法は こういう遺言はそのまま認めません。
  配偶者や残された子供達に、最低限保証された相続分の割合を決めているのです。
  これが、遺留分といわれる制度です。                



 代襲相続とは、民法887条第2項第3項同法889条第2項が定めておる制度です。
 つまり、被相続人に子供がいたが、その子供さんが被相続人より先に死亡していたり・廃除・相続欠格されたりして 
 相続できない場合などに、その子供さんの子供(被相続人から見るとお孫さん)が相続する権利を有するとする制度です。
 またお子さんがいない夫妻の場合、ばあいにより甥や姪まで相続できる制度です。
 
 教科書事例をふまえ、分かりやすくご説明します。
 @ここに80歳にて亡くなられた方がいて、残された家族は奥さんだけで、お子さんはおりませんでした。
 遺言書もありませんでした。奥さんは自分ひとりだけが相続できるものとばかり思い、遺産である
 土地家屋の登記相談に行きました。
 
 Aところが、そこで言われたことは、奥さんを驚愕させるものでした。どうしてかと言うと、亡くなったご主人
 の兄弟姉妹がまだ戸籍からは不明ですが、存命している可能性と、「仮に兄弟が亡くなっていたとしても
 その兄弟の子供達がいるならその子供達まで相続の権利があります、」と言われたからです(民法889条第2項)
 
 B調べてみるとご主人の兄弟姉妹が、全国に4名と 被相続人より先に死亡した兄弟4名、そのお子さんたち
 すなわち甥・姪が15名いることが分かり奥さんは途方にくれました。
 
 Cこの場合、奥さんは全体の4分の3の権利があるとするのが、現在の民法の建前です。それ以上の権利を
 もらいたい時は、所謂遺産分割協議が必要です。
 
 Dお子さんのおられないご夫妻には、事務所としても強く遺言書の作成を勧めております。そうすれば、
 兄弟姉妹には遺留分自体がありませんから、全部奥さんが相続できるようになります。



 相続人の資格があっても 相続できない人もいる

 相続人の資格(配偶者・子供・父母等)があっても相続できない場合もあるとは、
 どういうことでしょうか。これは、民法第891条と第892条が定めておる制度です。
 これには、(1)相続欠格と (2)相続廃除という二つの制度があります。

 (1)相続欠格    これは 概して その相続に関することで犯罪に触れる行為をしたとか、
             違法なことをした場合に、その人をはじめから相続人にしない制度です。

 (2)相続廃除
    これは、被相続人に対し、侮辱行為をしたり、著しい非行があったりした場合に、
             生前に 相続させたくない人を、家庭裁判所に申告して、相続人から除外することです。
             これは、遺言でもできることになっています。



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