●896条関係(相続の可否
 
@身元保証人の地位は、身元保証人の死亡により、
消滅し、相続の対象とならない。昭和18年9月10日判決
 
A賃貸借契約に関する保証人の相続人は、相続開始後
の賃料債務についてもこれを負担する。昭和9年1月30日
 
Bゴルフクラブの会員の地位は、会則等に相続に関する定めが
なくとも、地位の譲渡に関する定めがあれば、会員の死亡により、
その相続人は、地位の譲渡に準ずる手続を踏んで、これを取得
することができる。平成9年3月25日最判
 
C死亡退職金の受給権者につき、相続法と異なる定めがある会社
の場合、その死亡退職金は 相続財産とはならず、受給権者の
固有の財産となる。昭和55・11・27最判
●898条関係(共同相続
 
@相続財産に属する不動産について、遺産分割前に、単独の所有権
移転登記をした者及びその者から移転の登記を受けた第3取得者に対し
、他の共同相続人は、自己の持分を 登記なくして対抗できる。
(昭和38.2.22最判)
899条関係(可分債権

@相続開始時に 相続財産たる金銭を保管している相続人に対して、
遺産分割までの間は、他の相続人は 自己の持分に相当する金銭の
支払いを求めることはできない。平成4・4・10最判

A共同相続人の一人甲が、相続財産中の可分債権に」つき、法律上
の権限なく、自己の債権となった分以外の債権行使までした場合、
その権利行使は、他の共同相続人乙の権利の侵害となるので、乙は
甲に対して、不法行為に基づく損害賠償または不当利得に基づく
返還請求を行使できる。平成16・4・20最判
901条(代襲相続関係

@孫(亡長女の子供)を養子とした者が死亡した場合、その孫は
養子としての相続権と 亡母の代襲相続人としての相続権を持つ。
昭和36・9・18法務省民事局長回答
902条(指定相続分関係

@遺言により、法定相続分より下回る指定相続分を受けた相続人
が、たまたま法定相続分として不動産の共同相続登記がなされたこと
を利用し、その自己の持分権を第3者に譲渡し、移転登記をしたと
しても、第3者が取得できるのは、指定相続分についてのみである。
平成5・7・19最判
904条の2(寄与分関係

@被相続人が死亡するまで、25年間家業に共に従事し、最後まで
生活を共にした長男に寄与分を肯定。昭和56・6・18福岡家裁

A37年にわたり、病弱な夫を看護し、夫名義の不動産ももっぱら
自己の収入で購入した妻に肯定。昭和56・3・30山形家裁

B寄与分は、相続開始時を基準として考える。昭和57・3・16
東京高裁
906条から909条(遺産分割関係

@共同相続人が全員の合意によって、遺産分割前に、遺産を構成
する特定不動産を、第3者に売却したときは、その不動産は遺産分割
の対象から除かれて、各相続人は その第3者に対し、相続持分に応じて
代金債権を取得する。昭和52・9・19最判

A遺産分割のための相続財産評価は、相続開始時ではなく、分割の時
を基準とすべきである。昭和39・11・21札幌高決

B共同相続人間で遺産分割協議が成立した場合に、相続人の一人が
その協議で負担した債務を履行しないときであっても、その債権を有する
相続人は、民法541条(法定解除)によって、右協議を解除できない。
平成1・2・9最判ー解除権の不可分性544条

C共同相続人の全員が、すでに成立した遺産分割協議の全部または
一部を合意解除した上、改めて遺産分割協議をすることは、法律上
当然に妨げられるものではない。平成2・9・27最判

D共同相続人間で成立した遺産分割協議は、民法424条所定の
詐害行為取消権の対象たりうる。平成11・6・11最判

E特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、
原則として、908条にいう遺産分割方法を定めたものである。
平成3・4・19最判

F特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、
その遺言において、相続による承継をその相続人の意思表示
にかからせたなどの特段の事情のないかぎり(間接反証)、何らの
行為を要せずして、被相続人死亡のときに、直ちにその遺産は
その相続人に承継される。平成3・4・19最判

G遺言により、所有権を取得した相続人は、単独にて
登記手続をすることができる。平成7・1・24最判

H特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言により、
不動産を取得した者は、登記なくしてその権利を第3者に対抗で
きる。平成14・6・10最判ー177条の対抗問題ではないということ。

I遺産分割による相続財産中の不動産に対する共有持分の得喪失・
変更には、民法177条の適用があり、分割により相続分と異なる権利
を取得した相続人は、その旨の登記を経ないと 分割後に当該不動産
につき権利を取得した第3者に対抗することができない。
昭和46・1・26最判ー分割後の第3取得者との争いは対抗問題。
915条関係(放棄関係

@915条にいう「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」
とは、相続人が相続開始の原因たる事実を知り、かつ、そのために
自己が相続人となったことを覚知した時、をさす。大正15・8・3大決

A915条所定の熟慮期間について、相続人が複数いる場合、
その起算点は、相続人がそれぞれ自己のために相続の開始があったことを
知った時から 各別に進行する。昭和51・7・1最判
●919条関係

@一度受理された相続放棄の撤回はできない。昭和37・5・29最判

Aひとたび 法定単純承認とみなされると、その後に放棄書が適法に受理
されたとしても、効力は生じない。昭和6・8・4大判
922条(限定承認関係

@相続開始後の賃料債務は、相続財産に含まれない。昭和10・12・18大判

A被相続人が設定した抵当権が、限定承認の当時未登記であった場合、
抵当権者は相続人に対し、その設定登記を請求できない。昭和14・12・21大判

B不動産の死因贈与の受贈者が、贈与者の相続人である場合、限定承認が
なされたとき、死因贈与に基づく限定承認者への所有権移転登記の方が、相続債権者
の差し押さえ登記より先になされたとしても、信義則上 限定承認者は 相続債権者に
自己の所有権取得を対抗できない。平成10・2・13最判
959条(国庫帰属関係

@相続人不存在の場合、国に帰属。−このような場合は、是非遺言をお勧めします(作者注意書)
958条の3特(別縁故者関係

@特別縁故者と認容された者の例示(判例上)
あ、内縁の夫婦 い、事実上の養親子 う、未認知の子 え、報酬以上に献身的に看護
した付き添い看護婦 お、被相続人に長年経営されていた学校法人
それぞれ岡山家審昭和46・大阪家審昭和40・神戸家審昭和51・(3件)
968条(遺言関連関係

@自筆証書の日付けとして、「昭和41年7月吉日」と記載されている遺言書は、
日付の記載を欠き無効である。昭和54・5・31最判

A遺言者が何人であるか 他人との混同を生じるおそれがないときは、
氏または名のみでもよい。大4・7・3大判

B運筆について、他人の添え手による補助を受けてされた自筆証書遺言は、(1)遺言者が証書作成時
に自筆能力を有し、(2)他人の添え手が遺言者の手を、用紙の正しい位置に導くか、又は支えを貸した
にすぎないものであり、かつ(3)添え手をした者の意思が、介入した形跡のないことが筆跡の上で判定
できる場合には、「自書」の要件を充足し、有効である。昭和62・10・8最判

C遺言の全文・日付・及び氏名が、カーボン紙を用いて複写の方法で記載されたとしても、、「自書」の要件
に欠けることはない。平成5・10・19最判

D署名はあるが、押印を欠く英文の自筆証書遺言につき、遺言者が一般に押印の習慣を持たない帰化
した人であること等の事情から、遺言書を有効とした原審の判断は正当である。昭和49・12・24最判

E自筆証書における押印は、遺言者が印章に代えて拇印その他の指頭に墨・朱肉等を付けて指印する
ことをもって足りる。平成1・2・16最判

F遺言書の本文の自署名下には押印がなかったが、これを入れた封筒の封じ目にされた押印があれば、
押印の要件に欠けることはない。平成6・6・24最判

G自筆証書遺言における証書の記載自体からみて、明らかな誤記の訂正については、本条2項所定の
方式の違背があったとしても、遺言の効力に影響を及ぼさない。昭和56・12・18最判
974条(遺言の証人欠格関係

@盲人は、証人適格者である。昭和55・12・4最判

A遺言公正証書の作成にあたり、民法所定の証人が立ち会っている以上、遺言の証人となることのできない
者が同席していたとしても、この者によって、遺言の内容が左右されたり、遺言者が自己の真意に基づいて
遺言することを妨げられたりするなどの特段の事情がないかぎり、遺言公正証書の作成手続を違法ということは
できず、同遺言は無効ではない。平成13・3・27最判
975条(共同遺言の禁止関係

@遺言者が、各葉毎に甲の印章による契印がされた数枚を合綴したものであっても、甲名義の遺言書の形式
のものと、乙名義の遺言書の形式のものとが、容易に切り離すことができる場合には、共同遺言にあたらない。
平成5・10・19最判
985条(遺言の効力関係

@遺贈は、遺言者の死亡によって初めて効力が生じるものであり、生前には何らの効果も生じない。
期待権すらない。昭和31・10・4最判

A不動産の遺贈を受けた者は、その旨の登記をなすにあらざれば 第3者に対抗できない。
177条問題昭和39・3・6最判

B被相続人が生前に、推定相続人の一人に自己所有不動産を贈与した、その登記をしないうちに、
他の推定相続人にこの不動産を特定遺贈した。その後相続が開始した場合、右贈与と遺贈の優劣は、
先に登記をしたものが優先する。177条対抗関係。昭和46・11・16最判

C指名債権(民法466条以下)が特定遺贈された場合、遺贈義務者の債務者に対する通知、または
債務者の承諾がなければ、受遺者は、遺贈による債権取得を債務者に対抗できない。467条問題。
昭和49・4・26最判
1023条(遺言の取り消し関係

@1023条1項にいう抵触とは、後の行為が前の遺言と両立せしめられない趣旨の下になされたことが
明白な場合を含む。昭和18・3・19大判

A金1万円を与える旨の遺言をしたのち、遺言者が右遺贈に代えて生前に金5000円を受遺者に
贈与することとした場合に、受遺者もその後金銭要求をしないと約束したときは、前の遺言は
取り消されたものである。昭和18・3・19大判

B終生扶養を受けることを前提として、養子縁組をしたうえその所有する不動産の大半を、養子に遺贈
する旨の遺言をした者が、その後養子に対する不信の念を深くし、扶養をうけないことにして協議離縁を
した場合は、前の遺言は取り消されたとみなすのが相当である。昭和56・11・13最判
 1025条(遺言の撤回関係

@原遺言を遺言の方式に従って撤回した遺言者が、更に右撤回遺言を、遺言の方式に従って撤回
した場合、遺言書の記載から、遺言者の意思が原遺言の復活を希望していることが、明らかなときは
原遺言の効力の復活が認められる。平成9・11・13最判
1028条から1044条(遺留分関係

@相続人が被相続人から贈与されていた金銭を、特別受益額として遺留分
算定の基礎となる財産の価額に加える場合、「贈与時」の金額を相続開始
の時の貨幣価値に換算してその価額を評価すべきである。昭和51・3・18最判

A被相続人が相続開始時に債務を有していた場合における遺留分侵害額は、
被相続人が相続開始時に有していた財産全体の価額に、贈与したその価額を
加え、その中から債務の全額を控除し、遺留分算定基準財産額を確定し、これに
法定の遺留分の割合を乗ずるなりして、算定した遺留分の額から 遺留分権利者が
相続によって取得した財産額を控除し、同人が負担すべき相続債務の額を加算して
算定する。平成8・11・26最判

B民法903条1項の特別受益に当たる贈与は、右贈与が、相続開始よりも相当
以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情・関係人の個人的
事情の変化をも考慮するとき、減殺請求を認めることが右相続人に酷であるなどの特段
の事情がない限り、本条1030条の定める「相続開始前の1年間」という要件を満たさないもので
あっても、遺留分減殺の対象となる。平成10・3・24最判

C相続開始約19年前の贈与が、本条1030条にいう「遺留分権利者に損害を加えることを知って」
なされたというには、当事者双方において、贈与当時財産が残余財産の価額を超えることを
知っていたのみならず、将来相続開始までに被相続人の財産に何らの変動もないこと、少なくとも
その増加のないことを予見していた事実があることを必要とする。昭和11・6・17大判

D自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が、死亡保険金の受取人を変更する行為は、
民法1031条に規定する「遺贈または贈与」に当たるものではなく、これに準ずるものということも
できない。−減殺請求の対象でないということ。平成14・11・5最判

E減殺請求権の行使は、受贈者又は受遺者に対する意思表示によってすれば足り、必ずしも
裁判上の請求による必要はない。昭和41・7・14最判

F遺留分権利者が被相続人の第3者に対してなした贈与を全面的に否認したとしても、
もしその否認が認められなかった場合には、その否認が遺留分に基づく減殺請求をする主張をも
包含しているものと解することはできない。昭和25・4・28最判

G被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合において、遺留分減殺請求権を
有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申し入れをなしたときは、特段の
事情のない限り、その協議の申し入れには遺留分減殺の意思表示が含まれている。平成10・
6・11最判

H遺留分減殺請求権は形成権である。昭和41・7・14最判

I遺留分減殺請求権は、遺留分権利者がこれを第3者に譲渡するなり、権利行使の確定的
意思を外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き、民法423条の債権者代位権
の目的たりえない。平成13・11・22最判

Jいったん減殺の意思表示がされた以上、法律上当然に減殺の効力を生じる。昭和41・7・14最判

K被相続人がした贈与が遺留分減殺の対象としての要件を満たしている場合、遺留分権利者の減殺
請求により、贈与は遺留分を侵害する限度において失効し、受贈者が取得した権利は右の限度で当然に
右遺留分権利者に帰属するにいたる。受贈者が、右贈与に基づき目的物の占有を取得し、取得時効の
民法162条所定の期間、平穏かつ公然にこれを継続し、取得時効を援用したとしても、それにより
遺留分権利者への権利の帰属が妨げられるものではない。平成11・6・24最判

L民法1040条1項但し書の適用がない場合、受贈者から目的物を譲り受けた者と、遺留分権利者との
間は、民法177条の対抗関係に立つ。昭和35・7・19最判

M民法1042条前段の「減殺すべき贈与があったことを知った時」とは、贈与の事実及びこれが減殺できる
ものであることを知った時と解される。昭和57・11・12最判

N減殺請求により取得した不動産の所有権又は共有持分権に基づく登記手続請求権は、時効で消滅
することはない。平成7・6・9最判
 





























































































































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