| 摂食障害には大きく分けるといわゆる「拒食症」(神経性無食欲症)といわゆる「過食症」(神経性大食症)とがあります。
拒食症は単に「おなかが空かない」ということではなく、意識的に「食べない」「少なく食べる」「その結果体重や、体型をコントロールする」ということに価値を見いだすことによって、摂食を減らす状態を言います(ただし患者さんによっては、そのような状態が続いた結果、「食欲を感じない」という状態にもなります)。このような「食べない」あるいは「食欲に克つ」ことの意味は、自分の食欲や身体をコントロールすることによって自分自身の存在価値を見い出し、他のものによっては自分の価値を確保できない、ということになりますが、摂食を制限することの意味は人によって様々で、簡単には一般化できません。
一方、過食症は多くの場合「拒食」の破綻、失敗として出現することが多く、やはり、単に「おなかが空いているから食べ過ぎてしまう」ということではなく、むしろ「おなかが空いていないのに食べ過ぎてしまう、それを我慢するとイライラしたりして我慢できなくなる」という状態です。過食は「癖」のように、やめようと思ってもなかなかやめられない状態になることが多いのですが、通常「癖」になるものはアルコール、薬物など、その人にとって「気持ちの良いもの」がほとんどです。過食の場合は、本人はそのことが気持ちいいことではなく、一方ではやめようと思っている、やりたくないと思っているのに、もう一方ではやめられなくなる、ということで、問題は複雑です。意識的には過食を止めようと思いつつも、無意識的にはそのような過食によって自分のバランスをやっと保っているということも珍しくありません。
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