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★ 周防の国の国府、防府に営まれる真冬の音楽祭
第9回 防府音楽祭にお邪魔して!
2010年1月8日〜11日
本州の最西端、山口県の中南部に位置し、瀬戸内海に面した防府は、古く奈良時代に周防の国の国府が置かれたことに地名の由来する歴史の古い町です。
その防府出身で東京都交響楽団の首席チェリスト田中雅弘さんが音楽監督を務める防府音楽祭も営々と回を重ね、今年で9回目を迎えました。
左写真は、防府駅コンコースで旅客歓迎のファンファーレを響かせた「東京メトロポリタンブラス・クインテット」の高橋敦、中山隆崇、西條貴人、小田桐寛之、佐藤潔の各氏。
田中さんのお誘いで初めてこの音楽祭にお邪魔し、4日間ほどここに滞在して取材もさせていただきながら、プロムナード・コンサート及び、ニューイヤー・オペラティック・ガラ・コンサートのご案内役を務めてまいりました。
それぞれのジャンルの第一級の演奏家たちが毎年お正月も過ぎた頃、ここ防府に顔を揃えて、市民のみなさまとともに多彩なコンサートを実現されておられることはかねて聞き及んでいたのですが、百聞は一見にしかず、とはよく言ったもの、実際にお邪魔してみて、その陣容のゆたかさ、演奏の質の高さ、関係者の渾身の取り組みぶりに思わずため息が出てしまいました。
プロ、アマチュア、取り混ぜて多くの方々をリハーサルから本番まで、大過なくとりまとめられた防府地域交流センター(アスピラート)の吉田房枝さんはじめスタッフのみなさまの早朝から深夜までのご努力には、本当に頭がさがりました。
地域の施設へ「おじゃまします」スポット、お買い物後の心ぽかぽか演奏会コース、プロムナード・コンサート、防府駅コンコース・コンサートなどなど、街のあちこちで開かれる気軽なコンサートはすべて無料。
1月10日(日)の「わくわく夢の響演コンサート」と11日(祝)の「ファイナル・コンサート〜ニューイヤー・オペラティック・ガラ」のみ有料ですが、チケット代はとってもリーゾナブル。完売とのことでした。
プロムナード・コンサートは1月9日、土曜日の午前11時開演。
会場のアスピラート1階、市民スペースには、早くから300名を越える市民のみなさまがお集まりくださいました。
コンサート前半は、ハンガリーの民族楽器ツィンバロンが主役。
本場で長年、苦しい修業に耐えた、わが国を代表するツィンバロン奏者、斎藤浩さんの出演で、コンサート・エチュード『嵐』ほかのソロ曲と、バリトンの河野克典さんとの共演など。
後半は都響の首席オーボエ奏者、広田智之さんと防府市出身のピアニスト、喜多村裕美さんのデュオ。

プロムナード・コンサートの司会

(左) プロムナード・コンサートでのツィンバロンの斎藤浩さんとのトーク
(右) 斎藤浩さんの愛器とともに
ツィンバロン、難しそうです。

ニューイヤー・オペラティック・ガラ・コンサートの終演後の楽屋で、
『誰も寝てはならぬ』を熱唱したテノールの藤田卓也さん、日本が誇る世界のバリトン、河野克典さん、ツィンバロンの達人、斎藤浩さんと

大河内雅彦さんの指揮に傾注する音楽監督の田中雅弘さん(チェロ)

(左) 田中雅弘音楽監督とフルートの中村めぐみ、ヴィオラの林康夫、コントラバスの佐渡谷綾子の各氏
(右) 室内楽のリーダー、景山裕子さんのトーク
防府の名所案内 音楽祭のあいまに、防府の見どころを訪ねました。

(左) 日本最古の天満宮、防府天満宮は、時節柄、合格祈願の参拝者が多くみられました。
(右) 参道の途中で、斎藤さん、藤田さんと。

天満宮への参道の途中、お茶室の案内札に誘われて、芳松庵へ足を踏み入れたところ、すばらしいお茶室でお抹茶をいただくことができました。お茶席でお点前をいただくのは、もう十何年ぶりでしょうか。人生にこのような時間があったとは……。

(左) 芳松庵のお庭で、テノールの藤田卓也さん、バリトンの河野克典さんと。
(右) 「結構なお手前でございます」と感嘆する、藤田、斎藤、河野の各氏。

毛利家本邸のお庭から、現在博物館となっているお屋敷をバックに。
さすが、昔のお殿様のご邸宅は風格があります。
昭和天皇のお泊りあそばしたお部屋も拝見しました。
★ 2010年 あけまして、おめでとうございます。
ついに、2010年がやってきました。
今年はたいへんな記念イヤーでございます。
歴史はまことに不思議なもので、ある年に集中してひとつのジャンルの才能を多く輩出する傾向にあるらしく、
今から200年前の1810年には多くの音楽関係者が生まれています。
♪フレデリック・ショパン 1810年3月1日生まれ
♪ロベルト・シューマン 1810年6月8日生まれ
そのほか、次の方々も1810年生まれ。
♪オットー・ニコライ(1810−1849)
シェイクスピアの戯曲にもとづくオペラ『ウィンザーの陽気な女房たち』で知られるドイツの作曲家
♪フェルディナンド・ダーヴィト(1810−1873)
かのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の作曲助言者、初演者であるドイツの大ヴァイオリニスト
♪オーレ・ブル(1810−1880)
ノルウェーの大ヴァイオリニスト
しかも、今から150年前の1860年も音楽家の当たり年!
よって、下記の方々が生誕150年をお迎えになられます。
♪フーゴー・ヴォルフ 1860年3月13日生まれ ドイツの作曲家
♪グスタフ・マーラー 1860年7月7日生まれ オーストリアの作曲家
♪ギュスターヴ・シャルパンティエ 1860年6月25日生まれ フランスの作曲家
♪イグナツ・ヤン・パデレフスキ 1860年11月6日生まれ ポーランドのピアニスト
というわけで、今年は以上の方々を可能な限りとりあげ、さまざま角度から検証していきたいと思っております。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
2009年12月15日
★ 間宮(まみや)芳生(みちお)先生傘寿祝賀 間宮芳生ピアノの宇宙
『合唱のためのコンポジション』シリーズや『オーケストラのための協奏曲』、3曲のピアノ・ソナタなどで知られ、身近なところでは、 1968年のNHK大河ドラマ『竜馬がゆく』、野坂昭如原作・高畑勲監督のアニメ映画『火垂るの墓』の音楽などでもお馴染みの作曲家・間宮芳生先生が09年6月29日に満80歳を迎えられました。
これを記念して、間宮作品の大きな柱であるピアノ音楽を俯瞰するコンサート『間宮芳生ピアノの宇宙』が12月15日、東京代々木八幡のHakuju Hallで開催されました。
出演は、これまで間宮作品に大きくかかわってこられた、小山実稚恵、舘野泉、中嶋香、野平一郎、松山元(50音順)の5名のピアニスト。
『12のエチュード』は松山、野平、中嶋の3氏が分担。ピアノ・ソナタ第1番は野平氏、第2番は松山氏、第3番『スプリング』は中嶋氏。『風のしるし・オッフェルトリウム〜左手のために』はもちろん、被献呈者の舘野氏。『前奏曲 ひかげ通りの子守唄』は小山氏。
というプログラム。5名のピアニストたちは各人各様の持ち味によって、間宮先生のピアノの宇宙を大きく映し出しました。
それにしても、こうして一夜に聴くと、間宮先生の音楽素材がいかに吟味されぬいたものであるか、そこから構築される音楽がいかに緻密にして壮大なものであるかがまざまざと伝わってきて、わが国にこれほどの作曲家がおられることに、誇らしい気分でいっぱいになりました。
間宮先生がプログラムにお寄せになった一文から、先生の音楽観がもっともよく反映されていると思われるお言葉をここに引用させていただきます。コンサートのタイトルは、ここから名づけられたようです。
「音楽は人間がつくった表現の中で、宇宙の形にいちばん近いではないか」
●カーテンコールに応える間宮先生はじめ出演ピアニストのみなさま
左から、間宮先生、舘野先生、松山さん、野平さん、小山さん、中嶋さん
●(左)今後もぜひ、宇宙の形を音楽で映し出してくださいませ! 間宮先生!
●(右)お祝いにかけつけた、渡邉規久雄、寺田悦子ご夫妻と間宮先生
2009年12月
★ 新連載開始のお知らせ
鈴木鎮一先生の「どの子も育つ、育て方ひとつ」の理念にもとづき、ヴァイオリン指導を通じて子どもの感性と人格を育む国際的な音楽教育システムがスズキ・メソードです。
その才能教育研究会機関誌 『Suzuki Method 』 NO 170「冬」号(写真)より
『ヴァイオリンの達人たち』の連載を開始いたしました。
第1回の今回は『アマーティとストラディヴァリ』
今後も、ヴァイオリン制作者、コレクター、そしてもちろん、名演奏家、作曲家を主人公として、ヴァイオリンを学ぶ方にもそうでない方にもご興味を持っていただけるような内容で、ヴァイオリン音楽の歴史をたどっていけたら、と思っております。
一般の本屋さんに売っていない雑誌ですが、
才能教育研究会本部:松本市深志3−10−3、電話 0263−32−7171、
同東京事務所:千代田区神田駿河台2−3−16 駿河台スカイビル3階、電話 03−3295−0270
までお問い合わせくだされば、入手の方法がわかると思います。
2009年12月8日
★ 中央区民カレッジ シニアコース
今年も、中央区民カレッジのシニアコースの講師を務めさせていただきました。
最終回の12月8日は、ゲストをお招きできることになりました。
10月にも 『 魔法の笛物語 』 で共演させていただいたおふたり、ソプラノの萩原みかさん(右)とピアノの小島慶子さん(左)に応援にいらしていただきました。
会場は、東京メトロ日比谷線東銀座至近の中央区築地社会教育会館の視聴覚室。
70〜80名ほどの受講者のみなさまには、小島さん独奏によるショパンのマズルカ、ノクターン、プレリュード、ワルツと、萩原さん独唱、小島さん伴奏によるシューマン 『 女の愛と生涯 』 より5曲、および 『 献呈 』 をご鑑賞いただきました。
そして最後に、おふたりのご好意でプッチーニのオペラ 『 ジャンニ・スキッキ 』 よりラウレッタのアリア 『 わたしのいとしいお父さま 』 のボーナス演奏までご堪能いただくことができました。
いつもうっとりするような演奏を聴かせてくださるおふたり。
その陰には、人知れぬご努力とたゆまざるお勉強があるようです。
ぜひ、見習わせていただかなくては・・・。
(右写真右)区民カレッジの担当者 安西さんとご一緒に
2009年12月2日 小平楽友サークル
★ 名曲探訪おもしろ音楽史シリーズ第7回 『 ロマン派4人男と遅れてきたもうひとりの男 』
今回は、なにしろ、ピアノ名曲と歌曲の宝庫 「 ロマン派 」 がテーマ。
これはぜひ、実演も交えたいもの、との切なる願いが、サークル・メンバーの中の演奏家の方々のご協力によりすばらしい形で実現いたしました。
ショパンに関しては、ピアノの森永亜由美さんが、エチュードop.10-3 『 別れの曲 』 を弾いてくださることになったので、すかさず 「 あと、もう1曲か2曲。黒鍵なんてどうかしら? 」 とプッシュしたところ、快く 「 いいですよ 」 と即答してくださった上に、なんと当日、 「 革命もなんとかなるかもしれません 」 との頼もしいお言葉。
というわけで、まず森永さんが、エチュードop.10-4 『 別れの曲 』、op.10-5 『 黒鍵 』、op.10-12 『 革命 』 の3曲を颯爽と弾いてくださいました。
さて、シューマンですが、こちらは、ピアノの山田洋子さんがご主人のテノール歌手山田大輔さんをお連れ下さり、ご夫妻共演で、歌曲集 『 詩人の恋 』 より 「 美しい月、五月に 」 と、歌曲集 『 ミルテの花 』 の幕開けを飾る晴れやかな1曲 「 献呈 」 を演奏してくださいました。 『 ミルテの花 』 は結婚式の前日、シューマンから花嫁クララに捧げられた結婚の贈り物。その第1曲 「 献呈 」 は、これほどまでに恋人を讃える言葉が人間のボキャブラリーの中にあったのかと感嘆させられるほど、最上級の賛辞を連ねた熱烈な恋人讃歌です。それを、このすてきなカップルの共演で聴かせていただくことができ、会員のみなさまがたとともに、至福の時間をすごすことができました。
(上写真左)ショパンの 『 12の練習曲 』 作品10から、『 別れの曲 』 『 黒鍵 』 『 革命 』をらくらくと弾いてくださった森永亜由美さん
(上写真右)シューマン歌曲 『 献呈 』 を共演される山田大輔さんと洋子さんのご夫妻
(右写真)毎回、早くからこられて講座の準備をしてくださる小平楽友サークル役員のみなさま。ありがたいことです。
2009年12月1日 サントリーホール
★ マリインスキー歌劇場管弦楽団公演
サンクトペテルブルクから、今年もワレリー・ゲルギエフ率いるマリインスキー歌劇場管弦楽団がやってきて、11月下旬から12月上旬にかけてサントリーホールで、チャイコフスキー、ムソルグスキー、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキーと、ロシアの代表的な4人の作曲家の作品による4公演を短期日のうちに一挙開催してくれました。4公演とも拝聴させていただきましたが、ことに12月1日のショスタコーヴィチ・プログラムと12月2日のストラヴィンスキー・プログラムが、音の厚みといい表現力の多彩さといいまったくみごとな演奏でした。なんと、ショスタコーヴィチ公演では、急遽プログラムを変更して、わざわざこの曲を弾くためにロシアから飛んできたデニス・マツーエフがピアノ協奏曲を弾いたのですが、その圧倒的なスケール感と無尽蔵のエネルギーには舌を巻きました。
その12月1日公演のロビーで、はっと目を奪われたのが、こちらの奥様の和服姿。なんと、この名古屋帯の柄をご覧ください。このような意匠の帯をつくられた作家さまのセンスも卓抜なら、それをお求めになられてこの公演に着用されてこられた奥様の心意気も感動ものでした。
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